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安部司『食品の裏側2 実態編:やっぱり大好き食品添加物』
著者の安部氏が初めて書いたのが、60万部を超えるベストセラー『食品の裏側―みんな大好きな食品添加物』。
今まで読んだ食関係の本では、最も役に立った本の一つ。
効用としては、それまであまり気にしなかった食品添加物だったのに、『食品の裏側』を読んでからというもの、成分表示を必ずチェックする習慣がついたこと。
おかげで食品添加物が多数使われている加工食品を買うことが激減し、自分で作ることが多くなり、料理やお菓子・パンづくりのレパートリーも増えて、カロリー・糖分・脂肪・塩分のコントロールが随分楽になった。
それに、絶対に無添加食品しか食べないという原理主義者ではないので、どこで妥協するかという自分なりの線引きをする参考になった。

食品の裏側―みんな大好きな食品添加物食品の裏側―みんな大好きな食品添加物
(2005/10)
安部 司

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続編『食品の裏側2 実態編』は、『食品の裏側』と重複している内容も多いけれど、「実態編」では食品添加物の表示ラベルが実際に意味するところや食品添加物行政の現実、消費者として食品添加物とどう向き合うかという考え方と実践方法が載っている。

食品の裏側2 実態編: やっぱり大好き食品添加物食品の裏側2 実態編: やっぱり大好き食品添加物
(2014/03/28)
安部 司

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<目次>
はじめに
第1章 激安ハンバーグ弁当の裏側
第2章 添加物なしにはつくれない食品
第3章 添加物の許可をめぐるおかしな現状
第4章 限りなくブラックに近い添加物
第5章 添加物が本当に怖い理由
第6章 私たちは添加物とどう付き合えばいいのか
第7章 私たち消費者も添加物、農薬を求めている
第8章 添加物を減らす生活
第9章 お母さん、ごめんね、ありがとう
おわりに
「特別付録」もっと知りたい食品添加物


面白いのは、「第1章 激安ハンバーグ弁当の裏側」。
コンビニのハンバーグ弁当を例にして、成分表示ラベルだけでは見えない食品添加物の使用状況を解説。
一見それほど添加物が多いとは見えないような成分表示ラベルでも、実際には表示ラベルから読み取れない多数の食品添加物が使われている。
各食材で多数の食品添加物が使われている上に、一括表示、キャリーオーバー、加工助剤などで表示免除・簡略化されている。
コンビニなどのパック弁当よりもさらに問題なのは、成分表示義務のない外食、持ち帰り弁当、店内調理、レストラン、デパ地下・スーパーのばら売り。

「第2章 添加物なしでは作れない食品」は、前著や『「安心な食品」の見分け方』でも記載されていた内容が多い。
大量の添加物が使われる理由は、「安い、簡単、便利(保存できる)、きれい、オイシイ」。
特に「安く」作れるために、添加物が大活躍。
置き換え:(牛乳脂肪→植物性脂肪)コーヒーフレッシュ、ホイップクリーム、マーガリン。マヨネーズ
増量・置き換え:(水あめ、でんぷん使用)ジャム、プリン。しょうゆ、ソース
ダイレクト増量:「水」で水増ししたハム
フェイク(もどき):ビール風飲料、無果汁、飲料。
簡単・便利:だしの素
輸入・大量生産:野菜ジュース(濃縮還元した輸入野菜ジュースには、香り、ビタミン・ミネラルなどの栄養分がなくなっているので、香料・ビタミンC・カルシウムなどを添加)

「第3章 添加物認可をめぐるおかしな現状」は、とても参考になった章。
年々、外圧などでなし崩し的に認可されていく食品添加物が増加。
指定添加物:2001年338品目→2005年357品目→2013年436品目。
突然使用禁止になるものがある一方で、使用禁止から復活して使用が認められたり、過去にさかのぼって認可されることもある。

「第4章 限りなくブラックに近い添加物」は、添加物の複合摂取の安全性について。
添加物の安全性試験は、1つの添加物に関してのみ実施。
複数の添加物を同時に摂取した場合の安全性試験は行われていない。
添加物原料は想像がつかないほどに多種多様。原料は、石油、鉱石、昆虫、細菌、金属、おかくずなど。
添加物合成時に発生する不純物の危険性。(エコナの発がん性物質問題など)

複合摂取の安全性試験をしたとしても、実際の複合摂取例は膨大なパターンがあるので実質的に不可能。(コンビニの幕の内弁当だけでも、食品添加物は100種類や200種類くらい使われているようだ)
たとえいくつかの組み合わせで試験をしたとしても、実際の食品摂取での安全性を確認するには役立たない。
コンビニ弁当、インスタント食品、加工食品・惣菜・漬物、ハム・ソーセージ、パン、菓子、調味料と、食品添加物はあらゆる食品で使われているので、それらを常食していれば、摂取する食品添加物の種類と量は見当が付かないくらい。
まるで、人間の体が化学実験のビーカーみたいな気がしてくる。

「第5章 添加物が本当に怖い理由」は、「塩分」「糖分」「油分」という”摂りすぎ三兄弟”。安全性の問題とは別の怖さがある。
成分表示ではわかりずらいのは、「塩分」。
ナトリウム含有量が表示されているが、これに2.5を乗じると「塩分」がわかる。
食品増進法ではナトリウムだけの表示でOK。自主的に、塩分量を表示している製品もある。
インスタント麺やカップ麺での食塩含有量は多く、10g近いものもある。(パッケージの成分表示をみると、1袋で塩分5gくらいのが多かった)。
10gといえば、成人男子1人1日あたりの摂取量のほぼ上限。
普通の食塩水なら塩辛くてとても飲めた代物ではないのに、インスタント食品のスープなら美味しく飲めてしまうのは、「塩分」が添加物やエキス類のうまみを強くするため。

インスタント麺に含まれている「油分」は、揚げ麺だと30gくらい。
インスタント麺だけではなく、ファストフードや市販の弁と、スナック菓子、ケーキなどに含まれる「油分」も多い。
量も問題だが、質の面でも、トランス脂肪酸の多い油脂(揚げ油、マーガリン、ショートニングなど)が使われている。
マーガリン工業会などの業界団体や大多数のメーカーは、日本人の食生活ではトランス脂肪酸の摂取は欧米人に比べると少ないので、問題ない(→したがって、トランス脂肪酸含有量の表示は必要ない)というスタンス。
しかし、実際にはトランス脂肪酸の摂取は意外に多い。ある調査では、菓子・デザート・ケーキなどをよく食べる女性は、WHO・FAOの摂取基準を超えている人が30%くらいだとか。
ファストフード、即席麺、それにスナック菓子や市販の菓子パン・惣菜パンを常食していれば、トランス脂肪酸の摂取量はかなり多くなるに違いない。

「糖分」の取りすぎで典型的なのは、清涼飲料水。
ブドウ糖と果糖を混合した大量の糖分が添加されている。
普通では甘すぎてとても飲めないのに、クエン酸などの酸味料と香料を加えるとそんなに甘いと感じなくなる。
100mlで10gの糖分が含まれているとすると、500mlボトルなら50g。砂糖50gを溶かしたシロップを飲んでいるのと同じ。

「賞味期限」は、著者の経験からいえば、メーカーが設定するのは、食品が変質するまでの期間の2/3が目安。

「条件付の安全」
-添加物の安全性試験では動物実験のみ
-食品添加物の単品(一物質)のみの試験
-安全性試験を行った時代の水準での判断

「加工度が高いほど、添加物が多い」
添加物を減らすには、無駄買いをしない。調味料類やタレ・ソース・ドレッシング、サラダなど、(材料に添加物が入っていないもの使えって)自分で作れば添加物はゼロ。
味付けを薄味にして味覚を慣らす(添加物による味付けは濃い)

巻末の「特別付録 もっと知りたい食品添加物」も参考になる。
よく見かける「たんぱく加水分解物」、「調味料(アミノ酸等)」、「ph調整剤」、「グリシン」「加工でんぷん」「リン酸塩」「酸味料」「増粘多糖類」「合成着色料」「天然着色料」「合成甘味料」「天然甘味料」「合成香料」の原料・製法や機能の説明。
「一括表示」の例をみると、複数の添加物を使っていても表示は一括。
大豆製品(豆腐、納豆など)は非遺伝子組み換えがほとんどなのに、実際には「遺伝子組み換え」食品が意外に多く使われている。
大豆たんぱく、油は遺伝子組み換えが多い。サラダ油の原料の菜種、大豆は、不分別。添加物のでんぷん(コーンスターチ)の原材料の多くは、遺伝子組み換えのとうもろこし。

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Author:yoshimi
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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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