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安部司 『「安心な食品」の見分け方 どっちがいいか、徹底ガイド』
『食品の裏側』を書いた安部氏の著作のなかで、最も情報量が多いのが『「安心な食品」の見分け方 どっちがいいか、徹底ガイド』。
ガイドブックという名のとおり、食品カテゴリー別に、無添加(または添加物が少量の)製品と多数の添加物が使われている70種類の食品に関して、成分表示と価格を並べて比較し、添加物がどういう目的で使われているのか解説している。

「安心な食品」の見分け方 どっちがいいか、徹底ガイド「安心な食品」の見分け方 どっちがいいか、徹底ガイド
(2009/12/01)
安部 司

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<目次>
プロローグ 安心な食品を選ぶ7つの法則
第1講座 そのおかずの裏側、知っていますか
 ミートボール/ハンバーグ/ハム/ソーセージ・ベーコン/カレーライス/豆腐/チーズ/から揚げ/ウナギ蒲焼/肉まん/漬け物/梅干/魚介類加工品/たらこ・明太子/かまぼと・魚肉練り製品/ふりかけ・海苔
第2講座 このおにぎりはなぜ、腐らないの?
 おにぎり/食パン/そば・うどん/ラーメン・焼きそば/ちらしずし/弁当・サンドイッチ
第3講座 もどき調味料を使っていませんか
 しょうゆ/みりんvめんつゆ・だしの素/みそ/塩/砂糖/酢/焼肉のタレ/麻婆豆腐の素/ソース/食用油/サラダ・ドレッシング/マヨネーズ/マーガリン・バター/ジャム/わさび・からし
第4講座 その飲み物は、本当にヘルシー?
 機能性飲料・ジュース/炭酸飲料/ミネラルウォーター/牛乳/ビール/日本酒/ワイン
第5講座 子供の味覚を壊すおやつ、育てるおやつ
 アイス/チョコレート/ヨーグルト/プリン・ゼリー/スナック菓子・和菓子
第6講座 薬漬けの生鮮食品を食べていませんか
 牛肉/豚肉/鶏肉/卵/魚/野菜/果物
エピローグ いのちを守る食卓


『食品の裏側』と『食品の裏側2』で取り上げられていなかったか、あまり詳しく記述されていなかった食品も載っているので、食品別の添加物使用状況が一番良くわかる。
カバーしているのは、主食(ご飯・麺・パン)、おかず、調味料、油脂製品、乳製品、お菓子、ジュース、肉・卵・魚、野菜、果物と、日常的に食べている食品のほとんど。

『買ってはいけない』のような食品添加物の毒性・危険性を警告する本とはトーンが違い(もちろんそういう情報も若干入ってはいるが)、製造現場を知っている著者が、食品添加物を使う目的・効果という機能面・製造技術面から実務的な立場に立って解説している。

もともと雑誌の連載記事だったので、堅苦しくない対話形式で読みやすい。
三段抜きのやや小さめの文字なので情報量が多く、ピンク色と黒文字の2色刷りで、カタログ風で見やすい。
2つの製品を例示して、その重量・価格・成分表示を対比することで、使われている食品添加物の内容と目的、どちらがベターか解説。(どちらも×というケースもある)

各講座の最後に載っている「コラム」では、「知らずに食べている遺伝子組み換え食品」、「「低塩」が伝統食を台無しにする」、「細菌、虫、糞、カビも添加物原料」と、知らなかったこともいろいろ。
『食品の裏側』でも「低塩」製品は添加物が多いと解説されていたので、「低塩」タイプは買わない。
虫をすりつぶして作る着色料コチニールが入っている食品は昔から買わないけれど、微生物から作る増粘多糖類であるキサンタンガムも避けたくなってきた。
本書を読んでから、店頭で成分表示をチェックすると、買いたい商品と避けたい商品について、自分なりの線引き基準ができてくるのが面白い。
おかげで、衝動買いとか、見た目の雰囲気で買い物をしなくなるという効用がある。

各商品の成分表示例を見れば、添加物を使わない製品との違いがよくわかる。
価格と使われている添加物の多さとは、かならずしも反比例していない。
高額商品でも添加物は多数使われているものもあるし、それほど高額商品でなくても添加物がほとんど使われていないものもある。
メーカーの製品コンセプトや方針の違いもあるとしても、美味しくて、見た目がきれいで、容量も多く、長持ちする食品を低コストで大量生産するには、食品添加物なしでほとんど無理なのだろう。
食品添加物が入っていようが気にならない人はともかくとして、できるかぎる添加物を避ける自衛策としては、手作りするのが一番。
時間・手間・材料・技術的に自家製が無理なら、食品添加物の種類が少ない製品を選ぶ、または、そういうものは買わない、のどれか。

粒状大豆たんぱく
「粒状大豆たんぱく」という表示を良く見かけるけれど、これは原料を減らした分の水増しやつなぎに使われている。
低価格製品だけかと思ったら、結構高い製品でも使われていることが多い。
(大豆製品大好きな私としては、嵩増しで大豆たんぱくが入っていても、全然気にならない)
加工食品やだしの素など、多くの製品で使われているエキス類(酵母エキスというのもある)。もとの材料の品質が良くないので、味付け・風味付けに使われる。

たんぱく加水分解物
成分表示で「調味料(アミノ酸等)」と同じくらいよく見かけるのが「たんぱく加水分解物」。
これは添加物ではなく、食品に分類されている。塩酸で抽出されるもので、うまみが増すらしい。

カレールー
固形状カレールーの添加物5点セットは、乳化剤、アミノ酸等の化学調味料、酸味料、着色料、香料。
フレーク状の方は、固めなくてので乳化剤は不使用。
店頭で成分表示を見てみると、たしかにフレーク状は添加物が入っていないものが多い。なかには動物性油脂不使用のものもある。価格は、固形カレーの1.5倍~数倍。

いつも使っているメープロイのタイカレーペースト(輸入物)なら、ペースト状でも原材料はスパイスのみ。添加物無添加で、動物性油脂も不使用。
水分(ココナッツミルク&好みで水)を400~700ml投入するので、フレーク状のカレールーよりも1皿あたりの価格は安い。(ペースト50gで150~200円くらい)
カレー粉と小麦粉を使って自家製するという方法もあるけれど、使うカレー粉とスパイスで随分味がかなり変わるので、好みの味と辛さになるかどうか?

アイスクリーム
「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」と3種類に分けられる。
「乳脂肪分率が高いほど美味しい」牛乳とは限らない。130℃2分間の高温殺菌牛乳は”焦げ付いた”たんぱくを飲んでいるようなもので、65℃30分の低温殺菌の方が、生乳本来の味わい。
植物油脂の多い日本のチョコレート、ケミカル・プリンは添加物でフワフワ・プルプル、幕の内弁当・ミックスサンドは添加物の見本市......と、添加物の使われ方をよく知れば知るほど、もともと食べないものでも、さらに食べたくなくなる。

試しに、夏に欠かせないアイスクリームの成分表示をいろいろ見てみた。
アイスは、もっぱら自家製お豆腐アイスか自家製フローズンヨーグルト、または凍らせたバナナやマンゴーとかのフルーツシャーベット。買うなら井村屋のあずきバー。他のアイスの成分表示はあまり見ていなかった。
店頭で、数種類のアイスクリームの成分表示を見てみると、乳化剤と安定剤などがいろいろ入っている。
それも、ラクトアイスに限らず、アイスクリーム表示の製品でも多いので、必ずしも価格とは関係ない。
「アイスクリーム」の森永乳業「MOW(モウ) 濃厚ミルクバニラ」は、150mlで定価120円(税抜)と比較的安いのに、成分は「乳製品、水あめ、砂糖、卵黄、香料」のみ。
他の「MOW」シリーズも添加物が入っていない。これは、「ラベルクリーン」処方というコンセプトで、原材料の配合上、必要最低限の原料のみを使用し、乳化剤や安定剤は一切使用しないというもの。
ハーゲンダッツのミニカップはさすがに高いだけあって(110ml~120mlで税抜263円)、基本的に原材料は「クリーム、脱脂濃縮乳、砂糖、卵黄、バニラ香料」。添加物が入っているものでも、種類は少ない。
店頭で売っているポピュラーな銘柄のアイスクリーム・ラクトアイス・アイスモナカは、ほとんどが添加物入り。シンプルなバニラ味だと、「乳製品、水あめ、砂糖、卵黄、香料」だけで作っているものもあることはある。
チョコ、キャラメルミルク、ストロベリーとかのフレーバーになると、安定剤、乳化剤、ph調整剤、増粘多糖類などの添加物が入ってくる。

自家製アイスクリームを作るとしても、、安い生クリームや植物性生クリーム、豆乳ホイップには添加物がいろいろ入っている。
価格の高い添加物不使用の純生クリームを使わない自家製アイスクリームは、結局添加物いっぱいの市販アイスを食べているのとあまり変わらないのかも。(多少はマシだと思うけど)

ときどき買う井村屋の定番商品「あずきバー」は、1本95mlで定価100円(税抜)。(いつも買うのは6本入りパック)
成分は、砂糖、あずき、水あめ、コーンスターチ(遺伝子組み換えでない)、食塩。ただし、「アイスクリーム」ではなくて「氷菓」と分類されている。
乳製品をつかっていないので、添加物を入れる必要が少ないのだろうと思ったら、メーカー製品よりもかなり安い価格設定の某スーパーPB製品のアイスバーでは、「安定剤(増粘多糖類)」が表示されていた。



コンビニ弁当1個で100種類以上の添加物が入っているという。
加工食品ばかり食べていれば、1日どれくらいの添加物を摂っていることになるやら。
個人的な好みからいえば、あまり気持ちの良いものではない。
加工食品の添加物「黄金トリオ」は、塩、化学調味料、たん白加水分解物
この3種類の添加物が使われた加工食品ばかり食べていると、味覚がそれに慣れてしまって、素朴な味付けの手作り料理も美味しいとは感じなくなるらしい。
経験的に言えば、添加物で最も避けにくいのが、(食塩は別とすれば)一括表示されている「調味料(アミノ酸等)」。
「たん白加水分解物」を使った加工食品も多い。
「増粘多糖類」、「酸味料」、「香料」も多用されている。「ph調整剤」「保存料」「安定剤」は、入っていない製品も結構ある。
こういうのを全部避けるのはかなり難しい。
ほとんど自家製していても、あまり食べないフライ・揚げ物や、自家製が難しい練り物は出来上がった製品を買っているので。
限られた予算のなかで、どこで妥協するかということを考えて、食品を選ぶ・買う・作る...という過程は、いろんな工夫のしどころでもあって、あれこれ調べて、考えて、楽しんで出来てしまうというのが、意外に面白いところ。

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プロフィール

yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

愛聴するのはベートーヴェンとブラームス、それにバッハ。ロマン派ならリスト。​さらに現代(20​世紀)の音楽を探検中。特に好きなのはピアノ音楽(ソロ、コンチェルトに室内楽)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなピアノ曲:ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第30・31・32番,ピアノ協奏曲第3番&第4番。ブラームス/ピアノ協奏曲第1番&第2番、ヘンデル変奏曲、後期ピアノ作品集。バッハ:パルティータ、フランス組曲、イギリス組曲

好きなヴァイオリン曲:バッハ・ベートーヴェン・ブラームスのヴァイオリンソナタ(ピアノ&ヴァイオリン)、シベリウス/ヴァイオリン協奏曲

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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