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ラヴェル/クープランの墓
ドビュッシーに比べると、特に好きな曲が少ないラヴェル。
CDはいろいろ持っているわりに、ラヴェルを聴くことはめったにない。

ラヴェルのピアノ作品のなかで特に有名だと思うのは、(両手の)ピアノ協奏曲と《夜のガスパール》、一番ポピュラーな《亡き王女のためのパヴァーヌ》。
それよりも好きなのは、左手のピアノ協奏曲と《クープランの墓》、《鏡》のなかの「道化師の朝の歌」。
聴き直してみると、可愛らしい《ソナチネ》も素敵。

《クープランの墓》は、ロジェの録音を聴いてもさほど印象に残らなかったのに、それが好きになったきっかけは、小曽根真&ゲイリー・バートンのアルバム『「Virtuosi』を聴いてから。(クラシックをモチーフとしていので、小曽根のアルバムなかでは一番好き)
最初に収録されていたのが、《クープランの墓》の「前奏曲」。
ピアノとヴィブラホーンで演奏しているので、ピアノソロで聴くよりも色彩感が鮮やかで、草原を流れる風のように爽やか。
この曲ってこんなに素敵な曲だったかな?と思い直して、オズボーンのラヴェル作品集を買ってしまった。

オズボーン(hyperion盤,2010年9月録音)
Complete Solo Piano MusicComplete Solo Piano Music
(2011/03/07)
Steven Osborne

試聴ファイル


youtubeの《クープランの墓》の音源には、オズボーン、ロルティ、ムラロの音源がなかったので、アレクサンドル・タローの演奏で。
オズボーンの方がタッチで硬めで切れが良く、華やかさはあるけれどクールで明晰。
タローはタッチが柔らかく、歌いまわしは起伏が多くても流麗。いかにもフランス音楽と言う感じで、とてもお洒落。
タローのラヴェルも素敵。

Ravel - Le tombeau de Couperin (Alexandre Tharaud) n


Ravel: L'Oeuvre pour pianoRavel: L'Oeuvre pour piano
(2003/12/09)
Harmonia Mundi

試聴ファイル


《クープランの墓》というタイトルから、クープランへの追悼曲かと思ったら、クープランに象徴されるフランスの文化や芸術を崇敬へのオマージュ。
それに、各曲は第1次大戦で戦死したラヴェルの6人の友人に捧げられている。
フランス語の”tombeau”は、墓石や墓碑のことで、音楽では故人を追悼する器楽曲の意味で使われたという。
ラヴェルの曲はどんな曲でも、洗練された品の良さがあって、舞曲であってもそれは同じ。
作品解説(音楽図鑑CLASSIC)

I. Prelude/プレリュード 
この曲は12拍子。流れるような旋律がとても華麗。

Ⅱ. Fugue/フーガ
ラヴェルの曲で、「フーガ」というのは、もしかして珍しい?
このフーガは、優しげな旋律が柔らかい光のように交錯するので、ベートーヴェンの《ディアベリ変奏曲》の第24変奏“フゲッタ”を思い出した。

Ⅲ. Forlane/フォルラーヌ
優雅な舞曲風で、不可思議な雰囲気が漂う和声がちょっと妖しげ。

Ⅳ. Rigaudon/リゴドン
同じ舞曲でも、”Forlane”と正反対で、とっても快活で躍動的。

V. Menuet/メヌエット
ラヴェルらしい優雅で品が良くて、ちょっと感傷的な感じもする可愛らしいメヌエット。

Ⅵ. Toccata/トッカータ
16分音符の連打がとてもピアニスティック。(速いテンポで粒を揃えて弾くのが難しそう)
”トッカータ”らしい力強さと躍動感があり、時に繊細さも漂って、とっても華麗。プレリュードと並んで一番好きな曲。
オズボーンはかなり速いテンポなのに、軽やかなタッチで音の切れが良くて響きも綺麗。
特に、終盤で重音とオクターブの跳躍が続くところは(タッチが乱れ気味で音が混濁したり雑然としてしまう人が多い)、バタバタすることなく、軽やかで滑らか。

ソコロフは遅めのテンポなのでスリリングさは薄いけれど、硬質で線の細い音がガラスのように鋭く立ち上がってきて、一音一音が色彩感豊かで綺麗。

Ravel - Le Tombeau de Couperin (VI. Toccata) - Sokolov




オケ版の方が音源が多いけれど、今まで聴いたことがなかった。(そもそも、管弦楽版があることも知らなかった)
聴いてみると、やっぱり音が煌くように輝いて綺麗なピアノソロの方が私は好きだけど。

Ravel - Le tombeau de Couperin - Järvi

tag : ラヴェル タロー ソコロフ オズボーン

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(非公開コメント受付中)

こんにちは。
ラヴェルのピアノ曲はたまに聴くといいですね。多くは管弦楽曲を聴くことから始めました。曲によって、オーケストラのほうがよかったり、ピアノのほうを気に入ったり。「クープランの墓」は甲乙つけがたい。タローのピアノは柔らかくて幻想的、ソコロフは大人のビターといったふうに感じました。
 
芳野様、こんにちは。

ラヴェルで初めて聴いた曲は、「亡き王女のためのパヴァーヌ」、次に「ボレロ」だったと思います。
「亡き王女のためのパヴァーヌ」は、ドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」と曲名がときどきこんがらがるのですが、ラヴェルの方が好きな曲です。

タローとソコロフは、両方とも表現豊かですが、タッチや質感が対照的ですね。
ソコロフには、ラヴェル作品のもつ冷たく澄んだガラスのような質感を感じますし、タローはフランス音楽らしい瀟洒でファンタスティックな感じがしますね。

そういえば、リヒテルに言わせると、ラヴェル音楽は感情を捨象しているので、それがミケランジェリにぴったりだそうです。
リヒテルはミケランジェリのピアニズムには否定的でしたが、ラヴェルのピアノ協奏曲の録音だけは賞賛していました。
こんにちは。
リヒテルのラヴェルを実は好きなのです。以前にFMのライヴで聴いたもので、「高雅で感傷的なワルツ」などをやっていました。柔らかくて、センスのいいラヴェルでした。CDも出ているみたいですが、まだ入手していません。
 
芳野様、こんにちは。

リヒテルとラヴェルとは、あまりイメージが合わなかったのですが、youtubeにはたくさん音源がありますから、ライブではよく弾いていたのですね。

幻想的な「鐘の谷」は、リヒテルのソノリティがよく似合ってますし、柔らかい音でゆったりとした「亡き王女のためのパヴァーヌ」がとても素敵です。
特に、『鏡』は若い頃から晩年まで、ライブ録音がいくつも残っていますから、得意な曲だったのでしょうね。
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Author:yoshimi
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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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