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ヒナステラ/ピアノ協奏曲第1番
ヒナステラのピアノ・ソナタが私の好みにぴったり合ってしまったので、他のピアノ作品もいろいろ聴いてみた。
ピアノ・ソナタ第1番(1952年作曲)と同じく(それ以上かも)有名なのは、ピアノ協奏曲第1番(1961年作曲)。

このコンチェルトがクラシックリスナー以外にも知られるようになったのは、第4楽章の編曲版がイギリスのプログレッシブ・ロックバンド”ELP(Emerson, Lake & Palmer)”の代表的アルバム『恐怖の頭脳改革 (Brain Salad Surgery)』(1973年)に収録されたため。

ピアノ協奏曲第1番も、ピアノ・ソナタ第1番と作風が似て、ダークな色彩で力強く激烈なパッションと緊張感が張りつめている。
特に好きなのは、明暗のコントラストが明瞭な第1楽章と、ミステリアスで不安感漂う第3楽章。
無調の曲のようだけれど、難解さは全くなく、バルトークやストラヴィンスキーが好きな人なら普通に聴けるはず。

Youtubeで聴いたのは、ヒナステラのピアノ作品全集を録音しているアレクサンダー・パニッツァ(Alexander Panizza)のライブ録音と、ジョアン・カルロス・マルティンス(João Carlos Martins)のLP音源らしき演奏。
パニッツァは、ピアノソロの演奏と同じく、それほどテンポは速くはないけれど、力強く明瞭なタッチで低音が良く響いて重みがある。
マルティンスは、テンポが速くて打鍵の切れもシャープで、スリリング。1968年の録音でCD化されていないらしい。この演奏はCDで聴きたい。


第1楽章 Cadenza e varianti
冒頭から、前衛期の現代音楽風の厳しい旋律がでてきて、ちょっとバルトークとかストラヴィンスキー風?(初期のストラヴィンスキーはあまり聴かないのでよくわからない)
騒然とした急速部とは対照的に、緩徐部はやや妖艶で神秘的でちょっと不安げな雰囲気。
速いパッセージとか煌くような色彩感のある和声とか、あちこちメシアン風にも聴こえる。
緩急・静動が頻繁に交代し、最初から最後までとっても私好みの曲。やっぱりヒナステラとは相性が良い。



第2楽章 Scherzo allucinante
騒然・重厚な第1楽章とは対照的に、音の密度も低くて風通しよく、スケルツォらしい軽快なパッセージが次から次へと現われて、ほっと一息。

第3楽章 Adagissimo
冒頭のピアノソロは、緩徐楽章らしく静謐で、前衛期のピアノ協奏曲でよく聴かれるようなちょっと神秘的で不安げな雰囲気の旋律。(こういう旋律はかなり好き)
調性感やメロディアスさはあまりないけれど、弱音部でのピアノのパッセージや音色は綺麗。
途中で、突如その静寂さを打ち破るようなオケの伴奏が入ったり、緩徐楽章のわりにピアノも激しく鳴ったりして、緊張感が緩むことがない。(緩徐楽章苦手の私でも、この曲なら大丈夫)

Martins plays Ginastera - Piano Concerto No. 1, Op. 28; Third Movement [Part 3/4] (First recording)



第4楽章 Toccata concertata
ピアノ・ソナタ第1番の第4楽章と同じく、怒涛の如く爆走する。(ロックに編曲するのにうってつけかも)
オケ伴奏が入ると、シンフォニックで映画音楽風に聴こえる。
SF映画の戦闘シーンにぴったりなくらい迫力満点。

Martins plays Ginastera - Piano Concerto No. 1, Op. 28; Fourth Movement [Part 4/4] (First recording)




これは、エマーソンが第4楽章を編曲した《Toccata》。
電子楽器の音と曲がぴったり噛み合っていて、原曲がピアノ協奏曲とは思えないくらい。(編曲したことを知らなかったなら、ヒナステラの曲だとはすぐにわからなかったかも)

Toccata Ginastera Emerson Lake & Palmer




<CD>
ヒナステラのピアノ協奏曲の録音は少ない。
今簡単に入手できるCDは、ピアニストがDora De MarinisのNaxos盤と、"ヒナステラ弾き"バーバラ・ニスマンのPierian盤
Dora De Marinisは、テンポが遅くて力感もそんなに強くはないので、少し緩く感じる。
ニスマンは、マルティンスほどテンポは速くはないけれど、シャープで力感のあるタッチでスピード感と躍動感がある。
私がCDを買うとすれば、3つのピアノ協奏曲が入っているニスマンのPierian盤。

Three Piano ConcertosThree Piano Concertos
(2013/01/29)
Alberto Ginastera

試聴ファイル


Piano Concertos 1 & 2Piano Concertos 1 & 2
(2001/04/17)
Alberto Ginastera、 他

試聴ファイル

tag : ヒナステラ マルティンス

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yoshimi

Author:yoshimi
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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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