ユーリ・エゴロフ ~ ドビュッシー/版画、前奏曲集 

2014, 11. 29 (Sat) 18:00

ブラームスのピアノ協奏曲を弾いたときの力強く線のしっかりしたタッチとは打って変わって、エゴロフのドビュッシーは、絹のように滑らかなつややかさと、真綿のようにふんわりした柔らかさとで、独特の質感。
特に、弱音の繊細さとふわふわと漂う浮遊感が本当に心地良くて、このまま眠ってしまいそう。
エゴロフの明るく品の良い音色と美しい和声の響きは、ドビュッシーにとても良く映える。
今まで聴いたドビュッシー録音のなかでは、内省的・瞑想的なジャン=ロドルフ・カールスと並んで、とても好きなドビュッシー。

ドビュッシー作品のなかでも、一番好きな『版画/Estampes』が素晴らしく素敵。
まるでおとぎ話の龍宮城のようにファンタスティックな”塔(Pagodes)”。
もともとあまり好きではない”グラナダの夕べ(Soirée dans Grenade)”では、情熱的なフォルテより、密やかな弱音がとても印象的。異国情緒があまり強くなくて、こういう雰囲気の方が私好み。
最も好きな曲の”雨の庭(Jardines sous la pluie)”は、丸みのある響きが多彩で美しく、印象派の淡い色彩のパステル画を見ているみたい。今まで聴いた”雨の庭”のなかでも、とりわけ綺麗なソノリティ。

Debussy Egorov Estampes




『前奏曲集第1巻』でも、明るく柔らかな音色と淡い色彩感がとても綺麗。
特に緩徐系の曲は、穏やかでスタティックな雰囲気が漂ってまったり。

Debussy Preludi Egorov
6.雪の上の足跡(Des pas sur la neige)、10.沈める寺(La cathédrale engloutie)、8.亜麻色の髪の乙女(La fille aux cheveux de lin)



ドビュッシーが収録されているのは、EMIのBOXセット『The Master Pianist / Yuri Egorov』。
The Master Pianist / Yuri EgorovThe Master Pianist / Yuri Egorov
(2008/03/04)
Youri Egorov

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CDレビュー:ドビュッシー/DEBUSSY[湧々堂]
私の好きなジャン=ロドルフ・カールスとエゴロフのドビュッシーの両方を取り上げているとても珍しいレビュー。

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2 Comments

ANNA  

yoshimiさん、こんばんは。

夏が来るとよく聴く音楽。私の場合は、フランス近代ものがそうです。
このところ、以前、yoshimiさんにご紹介いただいたユーリ・エゴロフの
EMIボックスから、ドビュッシーを取り出して聴いています。
普段はあまり聴く機会のない「版画/Estampes」を。
「グラナダの夕べ」での密やかな弱音、ニュアンスの豊かさに美しさ
聴き惚れていました。

2015/07/28 (Tue) 19:11 | REPLY |   

yoshimi  

美しさにうっとり

ANNAさん、こんにちは。

フランス音楽は、ソノリティが軽やかで淡い叙情感の綺麗な曲が多いので、この暑苦しい夏に聴くと、涼しげでいいですね。

ドビュッシーは、エゴロフの和声の響きの美しさが特に引き立つ曲だと思います。
とてもファンタスティックで淡い色彩感は、まるでパステル画を観て(聴いて)いるような気がしてきます。
本当に聴き惚れてしまいますね。

2015/07/28 (Tue) 19:47 | EDIT | REPLY |   

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