2015_01
04
(Sun)09:00

ガヴリーロフ ~ ショパン/練習曲集 

数ヶ月前にバックハウスのショパンのエチュードを聴いていて思い出したのが、ガヴリーロフ。
変わりダネの面白さでは、バックハウスをはるかに上回る。
こう言っては失礼なんだけど、ショパンのエチュードを聴いて笑わせてくれるのは、ガヴリーロフくらいではないかと。

まあとにかく、急速系の曲は、どれだけ速く弾けるかというスピードの限界に挑戦しているように滅法速い。
メカニックはしっかりしているので、(多少荒っぽい気がしないでもないけれど)弾き飛ばしたようなところはなし。
力感・量感豊かで、ダイナミックでスリリング。(ちょっと騒々しいかも)
このスピード感だと、下手をすると危うくコミカルになりかねない寸前なので、どうももう一つ真面目に聴けなかったりする。
それでも、単に速いだけのメカニカルで単調な演奏というわけでは全然なく、生身の人間が体当たりで演奏しているような気合と熱気いっぱいで、これだけ速いわりに、音に柔らかみがあって表情も結構ついている。
緩徐系の叙情的な曲になると、ことのほかまとも。テンポも穏当でしっとりした叙情感がロマンティック。
特に、「別れの曲」は、温もりのある情感が優しくて、とても素敵。
こういう風にも弾けるのだと感心してしまう。

ガヴリーロフのエチュードを聴いた後に、ポリーニのエチュードを聴いたら、それほど速くもないし、精密で生真面目でとても品良く聴こえてきてしまう。
今まで聴いたエチュード録音のなかでは、(ダイナミックなスケール感と繊細な叙情感のある)ソロコフとガヴリーロフが一番面白くて飽きない演奏なので、お正月早々楽しめました。


Andrei Gavrilov plays Chopin Etude Op10 No 4 C sharp minor


Andrei Gavrilov - Chopin Etude op. 10 n. 6


<黒鍵のエチュード>
Andrei Gavrilov plays Chopin Etude Op 10 No 5 Ges Dur, G flat Major, Sol bemol Maggiore


<革命のエチュード>
Andrei Gavrilov plays Chopin Etude Op 10 No 12 C minor




あまりにスピーディだったので録音時間が余ってしまったようで、おまけに《バラード第1番&第3番》までCD1枚に入っている。

Chopin: Etudes, Opp. 10 & 25Chopin: Etudes, Opp. 10 & 25
(2001/08/14)
Andrei Gavrilov

試聴ファイル(1997年、EMI盤RED LINE])
※このCDにはバラード2曲は収録されていません。収録されているのは1997年のEMI盤です。


ガヴリーロフの名誉(?)のために書いておくと、彼が全曲録音した《フランス組曲》の美しさは格別。
スポーツカーか新幹線みたいにモーレツに速かったショパンのエチュードを弾いているピアニストと同一人物だとは、とても思えない。
数あるフランス組曲録音のなかでは、一番好きな演奏。
ペダルを多用しているので、現代ピアノの響きがよく映える。特に短調の曲(1~3番)のレガートな旋律の流麗な叙情感と美しい響きにはうっとり。
フランス組曲といえば、第5番しか聴いていなかったのに、ガヴリーロフの録音を聴いてからは、第1番と第2番ばかり聴くようになってしまった。

Andrei Gavrilov performs Bach French suites No.1 in D minor BWV812.wmv


Andrei Gavrilov performs Bach French suite No.2 in C minor BWV 813.wmv



French Suites Bwv 812-817French Suites Bwv 812-817
(2003/04/01)
Andrei Gavrilov

試聴ファイル


<過去記事>
ガヴリーロフ ~ バッハ/フランス組曲

タグ:バッハ ショパン ガヴリーロフ

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2 Comments

芳野達司  

面白そうです。

こんばんは。
ガブリーロフは興味深いです。リヒテルと分け合って録音したヘンデルのピアノ組曲はなかなか面白いですし、ムーティとやったチャイコフスキーは迫力があるし、「ゴルドベルク」はグールドの次に好きなんです。
ショパンは聴いたことがないですねー。練習曲は、なにかソリストの技量(テクニックのほかにセンスも)を計る曲のような気がしてます。有名なわりには取り上げられないですよね。チェックします。

2015/01/06 (Tue) 22:29 | EDIT | REPLY |   

yoshimi  

両極端で面白いです

芳野様、こんばんは。

ガヴリーロフはいくつか聴きましたが、両極端と言いますか、シフラ顔負けのヴィルトオーゾだったり、ナイーブで繊細な叙情家みたいだったり、聴いていてほんとに面白い人です。

ヘンデルはYoutubeでライブ映像を見たことがあります。
優雅なバロックとは大分雰囲気が違って、ピアノと格闘しているみたいでした。
ラフマニノフのピアノ協奏曲も結構人気があるようです。

ショパンは、猛スピードでもメカニックは正確ですし、それなりに表情もあって、メカニカルな無愛想なところはないですね。
いささか風変わりなショパンでもOKなら、面白く聴けますのでおススメです。

ガヴリーロフのゴルトベルクは先日Youtubeで聴いたのですが、とてもいいですね!
変奏によっては、(私のテンポ感では)速すぎる気がしましたが、それ以外のところはとても気に入ったので、CD注文しました。
感想を記事に書きましたので、明日アップする予定です。

2015/01/06 (Tue) 23:22 | EDIT | REPLY |   

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