脂肪(コレステロール)は悪くない?

2015.01.29 18:00| ・ 医療全般
<LH比>
コレステロールというと、HDLが善玉、LDLが悪玉、と一般的に言われている。
最近では、LDLのなかでも、粒子の小さいものが悪玉で、粒子の大きいものは善玉、ということになってきているらしい。
近年、脂質異常症の診断で重視され始めているのが、「LH比」。
「LDLコレステロール値÷HDLコレステロール値」の値のことで、HDLとLDL自体はどちらも正常範囲だとしても、LH比を見ると、動脈硬化の度合いがわかるという。

「LH比」を目安にコレステロールを見直す
- コレステロールを減らす食品:植物性たんぱく質(大豆や豆腐など)、水溶性食物繊維(海藻、きのこ、豆、根菜など)
- 血液中のLDLコレステロールの酸化を防ぐ食品:ビタミンCやビタミンEを多く含む食品(緑黄色野菜、ナッツ類など)
- 善玉のHDLコレステロールを増やす最大のポイントは、適度の運動を続けること。(とくにジョギングやウォーキングなどの有酸素運動。歩行数も重要)

血液や血管の病気を徹底予防 コレステロールの新常識 [主治医が見つかる診療所、2014年4月21日放送 ]

LDLコレステロール/HDLコレステロール  LH比[ドクター江部の糖尿病徒然日記,2012年10月23日]

今年の健康診断測定値でチェックしてみると、LDL75、HDL71なので、LH比はほぼ1.0。(昨年よりも良くなっていた)
LH比が1.5以下では、血管内がきれいで健康な状態」だそうなので、全然問題なし。
総コレステロールは、下限値に近く、146。(血管の修復機能があるコレステロールが少なすぎるのもよくないらしい)
もともと肉類などの動物性油脂やトランスファットが多そうな食品は避けているし、さらに、毎日大豆製品をたくさん食べているおかげか、LDLコレステロール値自体が低い。
さらに、炭水化物の摂取量を少なくしたり、合計1.~2時間くらい毎日歩いているので、これもHDLが増える理由になっているらしい。


<コレステロールは悪くない>
コレステロールが悪者ではないという最新の栄養学説を紹介しているCBNの番組。
字幕はないけれど、聞き取りやすい英語で、内容もわかりやすい。

Forget Cholesterol, Inflammation's the Real Enemy - CBN.com


この番組の要旨は、<ドクター江部の糖尿病徒然日記>の「米国CBNテレビ:動脈硬化の原因は炎症で、コレステロールではない。」に載っている。
- 動脈硬化の原因は炎症であり、コレステロールはそれを修復していただけであり、犯人ではない
- 血管の炎症の真の元凶は、トランス脂肪酸や精製炭水化物であり、それらで生じた炎症を修復しているのがコレステロール
(番組では、精製炭水化物のことを「sugars」、「Refined Carbonate」と言っている)


ジョン・ブリファ著『やせたければ脂肪をたくさんとりなさい ダイエットにまつわる20の落とし穴』

脂肪に関する書籍のなかで、最近出版された面白そうな翻訳書がジョン・ブリファ著『やせたければ脂肪をたくさんとりなさい ダイエットにまつわる20の落とし穴』。原題は、『Escape the Diet Trap』。
著者はイギリス在住の医師で食事療法、体重管理、健康の第一人者。コラムニストとしてイギリスの年間最優秀健康ジャーナリスト賞を受けているという。

栄養学は「昨日の常識は明日の非常識」という学問。
目次を読むと、本書で書かれている個々の「落とし穴」(常識・定説)は、最近の研究成果を元に否定する主張がすでになされているものも結構ある。
ダイエット法や栄養学の”常識”となっている定説を20項目にまとめて、それを覆す根拠となる症例や研究論文も掲げている。
現時点でBMI18前後なので、痩せる必要は全くないけれど、(特に炭水化物と脂肪に関連する)栄養学・ダイエット法の研究論文や最新情報がまとめて載っているので、最近の新しい学説のトレンドがわかる。
それに、もう一つよくわからなかった脂肪の役割が、ようやくわかるようになった。

本書が親切な点は、各章の最後に要点が列記されているところ。
全文を読む時間がなくても、要点だけ全て読めば、本書で書かれている内容がほぼ把握できる。
それに、最後にどういう食物を食べたら良いのか、リストと解説が載っている。
他の糖質制限本と共通する食物もあれば、評価が異なる食物もあって、この違いが面白い。

やせたければ脂肪をたくさんとりなさい ダイエットにまつわる20の落とし穴やせたければ脂肪をたくさんとりなさい ダイエットにまつわる20の落とし穴
(2014/08/07)
ジョン・ブリファ

商品詳細を見る

落とし穴1 食事制限によるダイエットはうまくいかない
落とし穴2 カロリー制限は減量を失速させる
落とし穴3 カロリー制限は病気にかかりやすくなる
落とし穴4 低脂肪食は減量に効果なし
落とし穴5 体重はカロリーの数値だけでは決まらない
落とし穴6 炭水化物で満腹感は得られない
落とし穴7 肥満の原因は「頭のなか」にある
落とし穴8 低炭水化物は減量効果が高い
落とし穴9 新入りの栄養素が私たちを不健康にしている
落とし穴10 食事脂肪は健康に不可欠
落とし穴11 コレステロール値が下がると死亡リスクが上がる
落とし穴12 穀物は栄養価がきわめて低い
落とし穴13 人工甘味料は肥満の原因になる
落とし穴14 乳製品は骨の健康に役立たない
落とし穴15 間食はしてもかまわない
落とし穴16 食べていいもの、いけないもの
落とし穴17 飲んでいいもの、いけないもの
落とし穴18 食べすぎは問題にならない
落とし穴19 有酸素運動は減量に効果なし
落とし穴20 定常的運動より間欠的運動がいい


現役の英国人医師が書いて、英国でベストセラーとなっただけあって、amazon.co.ukのカスタマーレビューも170件以上あり、評判も良い。
それに、”Look Inside”で、ペーパーバック版の一部(25~275頁以外)と巻末の”Scientific references”(参考文献リスト)も英文で確認できる。(今のところ、amazon.jpの日本語版では見ることができない)

朝日新聞出版の紹介サイトでは、29-30頁だけ”立ち読み”できる。
<ドクター江部の糖尿病徒然日記>ブログの紹介記事「やせたければ脂肪をたくさんとりなさい 朝日新聞出版」(2014年08月15日)でも、 江部医師の「まえがき」が読める。

楽天Booksの「ちら読み」は、目次全てが読めるので、とっても便利。
「ダイエットにまつわる20の落とし穴」の項目と論点が大体わかる。

最近発売されたばかりなので、書評は少ない。
“食事制限”ではヤセない! ダイエットには“良質な脂肪”を摂れ!?[dot.]


[2015.2.23 追記]

「食事性コレステロール摂取量、政府指針案から上限値撤廃 米国」[2015年02月20日、AFPBB News]
-従来の定説:コレステロールの過剰摂取によってプラークが動脈に蓄積し、心臓発作や脳卒中リスクが高まる。
-しかし、食事から摂取のコレステロールと血清コレステロールの間に明確な関連を示す証拠がない。
-2015年版ガイドライン:コレステロール摂取の上限値が撤廃される可能性。
-飽和脂肪酸:より厳しい摂取量の制限⇒一日当たりの全カロリー摂取量の10%から、同8%へ。

解説:「食事性コレステロール摂取量、政府指針案から上限値撤廃 米国」[2015年02月20日、ドクター江部の糖尿病徒然日記]

コメント

最近の説だと

やせ形よりも小太りのほうが長生きするという説が、本などで謳われています。ダイエットとは関連ないかもしれませんが、脂肪とはかくも大事なものかと。三大栄養素のひとつですものね。

追伸:
10枚組はゼルキンに突入しました。これは、超ヤバいですね。笑

個人差はあるでしょうが

芳野様、こんばんは。

小太り長生き説、よく見かけます。BMIだと22とか23くらいでしょうか。
昔はそれに近いくらい体重ありましたが、脂肪はあまり摂らなかったので、炭水化物の食べ過ぎと運動不足でやや太り気味で体が重かったです。
私の場合は、長生きするのに拘っていないので、今の痩せ気味体質の方が病気も改善して体も軽くて、至って快適です。

良い脂肪ならたくさん摂ってもOKなので、ピーナッツ・きな粉・オリーブオイルの脂肪は、ほぼ毎日摂ってます。
健康診断でも中性脂肪とLDLは低いので、今のところ問題なさそうです。

ゼルキンのライブ、選曲も演奏も良いですね。
昔から好きな録音の一つです。
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Author:yoshimi
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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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