2015_01
16
(Fri)18:00

カニーノ ~ バッハ/ゴルトベルク変奏曲、ヴァイオリンソナタ集 

ブルーノ・カニーノといえば、伴奏者として知られているけれど、彼のソロ録音で最も評価が高いのはおそらく《ゴルトベルク変奏曲》のライブ録音。
私にしては《ゴルトベルク》を聴いていても全然眠くならないという、珍しい演奏の一つ。

ブラインドで聴いていても、カニーノの演奏だとすぐにわかるくらいに、ピアノ演奏にしては(チェンバロ演奏のように)装飾音が多彩。リピートしたときによくわかる。
”バッハ弾き”のピアニストのような精緻・精密なタッチではないけれど、それが逆に、繊細さに懲りすぎることなく素朴で飾り気なくて、音色の色彩感や響きも明るくナチュラル。
歯切れよいノンレガートも、クリスピーで尖ったところはなく、柔らかく軽やか。粒立ち良い装飾音が軽妙でとっても可愛らしい。
技巧と速さを競いがちなピアニスティックな変奏でも、落ち着いたテンポで、外面的な華やかさは少ない。
ピアノに優しく語りかけたり、戯れたりしているように、とても愛らしくて、自然に微笑んでしまいそう。
好きなゴルトベルク録音のなかでは、カニーノが一番心落ち着いてリラックスできる。


Bruno Canino plays J.S.Bach Goldberg-Variation Aria~var1.2.3.4.wmv


Bruno Canino plays J.S.Bach Goldberg-Variation var,5.6.7.8.9.10.wmv


Great PianistsGreat Pianists
(2007/08/14)
Frederich Gulda、Wilhelm Backhaus 他

商品詳細を見る(CD10がカニーノのライブ録音)
※収録ピアニスト・曲目についてはカスタマーレビュー参照。


カニーノのもう一つのバッハ録音は、ムローヴァとのヴァイオリンソナタ集。
《ゴルトベルク》と同様、チェンバロ演奏みたいに多彩な装飾音を使っているのがカニーノらしいところ。
第6番第3楽章(30:16~)のピアノソロでも、リピート演奏が凝っている。

Bach Sonatas for Violin and Piano - Viktoria Mullova


Bach: Sonatas for Violin & PianoBach: Sonatas for Violin & Piano
(1993/08/10)
Mullova,Canino

商品詳細を見る
この録音は、指揮者のアバドがムローヴァにカニーノを紹介して実現したという。(なぜか2人がそっぽを向いているみたいなCDジャケット写真が、ちょっと可笑しい。)


<参考情報>
インタビュー:ブルーノ・カニーノを語る  レコード・プロデューサー 井阪紘さん(2010年2月13日,ザ・フェニックスホール)


<過去記事>

《ゴルトベルク》は凄く好きというわけではないのに、数えてみたら、好きな録音が意外と多かった。
しっとりと穏やかな叙情感と細部まで明晰で立体的・構築的なコロリオフ、豊かな色彩感とシャープでダイナミックなタッチのソコロフ、珍しくも装飾音は弾かないけれどピアノの音色とソノリティがとても美しいケンプ.。
極めて個性的で面白いのは、たどたどしく崩したような歌い回しが自由闊達・融通無碍な高橋悠治
先日聴いたガヴリーロフも、ピアノの音が美しく、繊細な感受性を感じさせる緩徐系の変奏がとても印象的。

カニーノ ~ バッハ/ゴルトベルク変奏曲
カニーノ ~ バッハ/ヴァイオリンソナタ第6番BMV1019 第3楽章(ピアノ独奏)

コロリオフ ~ バッハ/ゴルトベルク変奏曲
ソコロフ ~ バッハ/ゴルトベルク変奏曲
高橋悠治 ~ バッハ/ゴルトベルク変奏曲(1976年,2004年)
ケンプ ~ バッハ/ゴルトベルク変奏曲
ガヴリーロフ ~ バッハ/ゴルトベルク変奏曲

タグ:バッハ カニーノ

※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。

4 Comments

芳野達司  

これはいい

こんにちは。
カニーノのピアノをおそらく初めて聴きました。アクセントと装飾音が独特で、好みです。テンポも遅くないので流れがいい。
しかしこのセットはお買い得ですね!

2015/01/17 (Sat) 18:26 | EDIT | REPLY |   

yoshimi  

掘り出しものでした

芳野さま、こんばんは。

カニーノといえば、伴奏ピアニストとして知られていますが、ソロ録音もいくつかあります。
このゴルトベルクのライブ録音は、個性的でいいですね。
適度なテンポで装飾音が多彩に散りばめられて、旋律の音も流れもよくわかります。
装飾音は、懲りすぎて装飾過多になることなく、全然嫌味がなく、最後まで飽きさせないのが良いところです。

このBOXセットは、随分以前にHMVが企画したものらしく、発売当初は人気があってよく売れてました。
(ゼルキンとバックハウスの分は、別レーベルで分売されている録音もあります)
なかでも、カニーノの録音が特に好評でした。
当時、BOXセットで1000円少々、ライブ録音にしては音質が良いので、とってもお買い得でした。

2015/01/17 (Sat) 20:18 | EDIT | REPLY |   

芳野達司  

届きました

こんばんは。
10枚組きました。うふふふ。
何枚か聴きました。ライヴであり、年代も異なるので録音を含めると出来にムラがありますが、たいへん聴きごたえがあります。
ご紹介ありがとうございます。

2015/01/20 (Tue) 21:11 | EDIT | REPLY |   

yoshimi  

じっくりお楽しみください

芳野様、こんばんは。

早速購入されたのですね!
デジタルとステレオ・モノラルが混在していますが、放送局の録音テープを使っているようなので、ゼルキンやバックハウスでも、古い年代にしてはわりと良い音だと思います。

10人とも演奏曲目がかなり違うので、それぞれ楽しめます。
ギレリスは、レパートリーからいって珍しい曲弾いてますね。
ゼルキンのライブ録音は、昔から複数のレーベルがCD出してましたから、わりと有名な録音のようです。

2015/01/21 (Wed) 01:12 | EDIT | REPLY |   

Leave a comment