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シュニトケ/ The Story of the Unknown Actor、The Commissar、The Glass Harmonica
久しぶりに聴いたシュニトケは、映画音楽の《The Story of the Unknown Actor(名も知らぬ俳優の生涯)》、《The Commissar(人民委員)》 とアニメ音楽の《The Glass Harmonica(ガラスのアコーディオン)》。

シュニトケが多数書いた映画音楽のなかでも、《The Story of the Unknown Actor》は最も美しくて好きな曲。
冒頭の「Thema」と最後の「Epilog」がうっとりするくらいに美しい。
前衛的だったり、屈折した旋律だったり、あまり聴きやすくはない作品が多いシュニトケが書いたとはとても思えない。
このテーマをモチーフにして、高揚するドラマ風、ワルツ、マーチ、エピローグと、次々と変奏曲のように展開していく。
ロマンティックなテーマでも、劇的なAgitatoでも、感傷や扇情的な高揚感に溺れることなく、きりりと引き締まって格調の高さみたいなものがある。

Schnittke - The Story of the Unknown Actor - Part 1/6


1. Thema - Titelmusik
2. Agitato I - Schlitten
3. Agitato II - Reise
4. Waltzer (Abschied)
5. Thema und Marsch
6. Epilog - Finale


シュニトケの映画音楽集のCDは、Capriccioから出ている全4巻シリーズ。

Film Music Edition Vol. 1Film Music Edition Vol. 1
(2005/01/01)
A. Schnittke

試聴ファイル

《The Story of the Unknown Actor》を収録しているVol. 1は、《The Commissar》をカップリング。
《The Commissar》の方は、シュニトケらしい不協和的な響きや、屈折した旋律があちこちに登場するのが面白い。

シュニトケはアニメーション映画の音楽も作曲している。
最も有名なのが、《The Glass Harmonica》。
アニメ自体が社会批判的な作風で、暗い色調でシリアスで哀愁が漂い、前衛性と幻想性が相まって、芸術作品のようなアニメーション。
シュニトケの音楽も、本業のクラシック作品を髣髴させるような、異世界の音楽みたいな摩訶不思議な響きや旋律がたくさん出てくるので、シュールな面白さが味わえる。

Andrey Khryanovskiy - The Glass Harmonica (1968)


現代音楽の作曲家で映画音楽を書いている人は多い。
前衛的な現代音楽と映画音楽には、不思議な親和性があるというか、現代音楽特有の難解な響きや歌謡性のない旋律が、映画音楽のなかで姿形を変えて出てくると、妙に似合ってたりする。


<参考情報>
シュニトケ[映画音楽他]
シュニトケに関する情報が最も充実しているホームページ<烏鵲の娯楽室>で紹介している映画音楽とCD。


<過去記事>
シュニトケとアニメーション音楽 (1) The Glass Harmonica (1968)

tag : シュニトケ

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(非公開コメント受付中)

こんにちは。
シュニトケは昔、少し聴きました。クレーメルが弾いたヴァイオリン協奏曲だったか、あとはシンフォニーのような管弦楽曲とか。現代にしてはわりと聞き易いし、それでいてアヴァンギャルドな匂いも感じさす音楽だとの印象があります。
《The Story of the Unknown Actor》、美しいですね。
やはり、クラシックの大家が映画をやると、、一味違いますね!
 
芳野様、こんばんは。

シュニトケのヴァイオリン協奏曲は、クレーメルが使ったカデンツァが有名ですね。
ネガティブな批評が多かったようで、クレーメルは二度とシュニトケのカデンツァを弾かなかったと聞いたことがあります。
有名な曲の引用や、クラスター音楽も出てきて、かなり奇抜なカデンツァで面白くて、私は好きなんですけど。

シュニトケは年代と曲によって作風がかなり違いますので、初期の前衛的な曲よりも、多様式時代の後年の方が聴きやすいように思います。
《The Story of the Unknown Actor》は、耽美的な美しさを感じます。
こういう美しい音楽も書けるというのは、やはり多才な人だったんですね。
三善、武満、伊福部、ショスタコーヴィチ、シュニトケなどのポピュラー音楽や映画音楽を聴いていると、”一流の人はどんな仕事でも手を抜かない”という見本ですね。
お久しぶりです
yoshimiさん、お久しぶりです。うじゃくでございます。

《The Story of the Unknown Actor》はうちで音量を上げて聴いてたら親父に”昼ドラみたいな音楽だな”とひどいことを言われました。未だに頭にきてます。
同じ映画音楽でもかなり正直な方で、これがCapriccioからも出ている「上昇」(邦題:処刑の丘)は前衛的だけども迫り来る死を直視したようなすごい音楽で、どっかでDVDとか出てないかなぁと思いますよ。

本当はメールを差し上げようと思ったのですが、こちらにカキコしてしまいました。

拙サイト・烏鵲の娯楽室はこの程ドメインを取得しました。

新住所は以下の通りです。既に明日付の更新がされています。

http://www.ujaku-gorakushitsu.com/

お忙しい中大変恐縮ですが、リンク及びブックマークの変更を
お願いいたします。

変更スケジュールは新住所に記載されています。

尚、掲示板・ブログ・メアドは今まで通りです。

不躾なお願いで大変恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
 
うじゃく様、お久しぶりです。
新しいURLのご連絡をありがとうございます。リンク、変更しました。

《The Story of the Unknown Actor》が”昼ドラ”に聴こえるというのは、まあわからないでもありませんが、通俗的な感傷性に陥らない格調高さは、シュニトケらしいですね。

「上昇」は、鬱々として重苦しいですが、運命を見据えたような劇的な力強さを感じます。
それに、第2楽章の ”On the Sleigh”は黄昏た美しさみたいな寂寥感が何とも言えません。
シュニトケの映画音楽は久しぶりに聴きましたが、以前聴いたときよりもずっと良く思えてきました。
CDはあらかた廃盤になっているようなので、そのうち廉価盤セットで再販して欲しいものです。
映画を見ながら聴くと、もっとドラマティックに聴こえたりして、印象が少し違ってくるかもしれませんね。
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Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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