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新垣隆&吉田隆一 ~ 東海林修/怪獣のバラード
新垣隆&吉田隆一の新譜 『N/Y』の収録曲のなかで、一番気に入っているのが《怪獣のバラード》。
合唱曲をバリトンサックスとピアノで演奏したもので、軽快なテンポと歯切れのよいリズムが心弾むように楽しい。

ピアノは少し音量が小さいけれど、柔らかく軽やかなタッチが優しい感じ。
対照的に、バリトンサックスの太くてしっかりした低音が、(ゴジラみたいな)黒っぽく背中が角でとげとげした怪獣のイメージにぴったり。
原曲のモチーフを演奏する部分を挟んで、ジャズの演奏のセオリーどおり、デュオの間にバリトンとピアノが交代で前面に出てくるところは、颯爽としてとってもかっこいい。
サックスの旋律やリズムに張りのある音のかっこよさはジャズそのもの。ピアノはクラシックのピアニストらしい演奏で、スウィングせずに品が良い。
ピアノとサックスの全く違う音質とタッチはアンバランスでも、息が合っているので、妙にマッチしていて面白い。

ピアノパートを聴いていると、一つの曲として聴けるくらいに、主旋律(右手)と伴奏(左手)に内声部の旋律が折り重なり、両手のリズムも違ったりして、ピアノ1台なのに、複数の楽器で演奏するかのようにポリフォニック。
フレーズも印象的で、和声の響きも綺麗で、リズムも変化に富んで躍動感いっぱい。
ジャズにポップス、それにオーケストラと、異なるフォーマットと雰囲気の音楽が次々に登場して、多彩に変化していくのが面白くて、すっかりはまってしまった。
主題が再現される前の移行部で徐々に盛り上がっていき、サックスが連呼するのに応じて、ピアノが力強く上行していくところは、バリトンとピアノの掛け合いがとてもかっこいい。
新垣隆が作曲した曲は、どうにもとっつき悪い現代音楽は合わなかったけれど、それ以外の曲は好きなものがいろいろあるので、やはり彼の書いた曲とは波長が合うみたい。

それに、何十回も聴いていたら、苦手だったバリトンサックスの音色もごく普通に聴けるようになって、今ではこのピアノにはこのバリトンサックスがぴったり...と思えてきたくらい。
原曲の合唱曲よりもポップで洒落ていてるし、とても意外なサックスとピアノのデュオが奏でる音楽が切れ味よくて颯爽として、何度聴いても楽しい。

曲が終わったと思ったら、突然音が乱れて、まるで怪獣の雄たけびみたいな曲が《Stage Fright》。

N/YN/Y
(2015/02/11)
新垣隆 吉田隆一

試聴ファイル



FM番組でこの曲が流れているのをたまたま発見(番組中のトークもいろいろ面白い)。

新垣隆&吉田隆一 トランス・ワールド・ミュージック・ウェイズ生出演
《怪獣のバラード》は、13:36~。




《怪獣のバラード》の原曲は、合唱曲。
もともとは東海林修氏がNHKの歌番組「ステージ101」のために作曲したという。
「ステージ101」という番組は全然知らないし、クラシックもポピュラーも合唱曲ははほとんど聴くことはないので、《怪獣のバラード》という曲名も音楽も、今まで聴いたことがなかった。

怪獣のバラード 【合唱】 歌詞付き



<参考情報>
ゴーストライター騒動が生んだ注目コラボ 新垣隆は気鋭のサックス奏者・吉田隆一とどう出会ったか[リアルサウンド,2月24日]

tag : 新垣隆 吉田隆一

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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
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