糖類摂取量に関するWHOの新ガイドライン ~ カロリーベースで1日5%以下に

2015.03.21 18:00| ・ 医療全般
先日、WHOが糖類の摂取量に関して、新しいガイドラインを発表していたけれど、それが推奨している糖類の摂取基準はかなり厳しい。
糖類(砂糖など)の摂取量は、1日あたりの摂取カロリーの5%未満。これは、平均的な大人の摂取カロリーが1日2000kcalとすると、25g。
これは、ティースプーン6杯程度、小さじ9杯または大さじ3杯よりは少ない。

自分で飲み物や料理に入れる砂糖はもちろん、市販の加工食品・調味料・パン・ケーキ・菓子・飲料などに含まれている糖類も対象になる。
何を食べるかという以前に、何を買ったらよいのかということにも日々注意しておかないと、この基準をクリアするのはかなり難しいのではないかと。

1日の糖類は小さじ6杯分まで WHOが新指針[日経新聞電子版、2015/3/5]
- 肥満・虫歯予防のため、砂糖などの糖類を一日に摂取するカロリーの5%未満を推奨。
- 平均的な成人で25グラム(ティースプーン6杯分)程度。 
- 従来は10%までと推奨。
- 制限対象は、糖類のうち単糖類と2糖類のショ糖(砂糖)。加工食品や清涼飲料、蜂蜜、果汁飲料などに含まれる。
- 未加工の青果類や牛乳に含まれる糖分は対象外。
- 大さじ1杯のケチャップでは、糖類4グラム。

※逆算すると”平均的な成人”の摂取カロリーは、1日2000kcal。2000kacl以下の成人もかなり多いだろうから、その場合は糖類25gでは多すぎる。


<WHOのニュースリリースとガイドライン>
WHO calls on countries to reduce sugars intake among adults and children(4 March 2015)
Guideline:Sugars intake for adults and children(PDF)


<参考:砂糖の重さ>
        小さじ1     大さじ1
       (5ml/5cc)   (15ml/15cc)
上白糖:     3 g       9 g
グラニュー糖: 4 g      12 g
※ティースプーンと日本で使われる「さじ」では、容量が違う。
※「上白糖」は日本特有の製品で、世界的には砂糖といえば、「グラニュー糖」のことらしい。WHOのガイドラインでも、ティースプーン6杯はグラニュー糖の換算量だと思う。

                          


WHOの指針では、摂取制限の対象は糖類(Sugars)。(「糖質」と勘違いしている人がちらほらいた)
この指針どおり実践するにしても、日本の食品成分表示を元にして、食品中の糖類含有量を計算するのは、かなり難しい。
食品成分表示では、炭水化物の総量が必須項目の一つ。糖類だけの量を表示する義務はない。
任意でさらに細かく表示している場合は、炭水化物のうち、糖質と食物繊維をそれぞれ表示していることが多い。
”糖類オフ”、”糖類カット”をアピールしている製品以外で、糖類だけの量を表示しているものは、あまり見かけたことがない。

逆に、輸入品なら、炭水化物総量と糖類(Sugars)、食物繊維(Diet Fiber)に記載していることが多い。
糖類は、炭水化物の内数として記載されているので、少なくとも糖類の含有量はすぐにわかる。
(糖質は記載されていないので、糖質量は炭水化物から食物繊維を引いて計算すればだいたいわかる)
食物繊維を記載している場合は、炭水化物の内数か、または、炭水化物とは別項目として、記載している。
輸入品を買うときに困るのは、輸入品のパッケージにはちゃんと細かく成分表示が記載されているのに、日本語のラベルをその表示の上に貼り付けていて、それが炭水化物の総量だけを書いていることが結構多い。
これでは、炭水化物の内訳が確認できない。

パッケージの原材料表示を見ればわかるとおり、市販されている加工食品には、糖類を添加しているものがほとんどと言っていいくらい、極めて多い。
糖類のなかでも、砂糖と同じくらいかそれ以上に、液状で砂糖よりも安い果糖ブドウ糖液糖(グルコースシロップ)が添加されていることが多い。
普通に加工食品・パン・お菓子・飲料を買って食べたり飲んだりしていたら、1日25gくらいすぐにオーバーしてしまう。


【2015.4.12 追記】
海外の食品栄養表示について調べたみたところ、現状は以下の通り。

1)第34回コーデックス委員会総会(2011年7月)において、栄養表示を行う場合、必ず表示すべき事項として、ナトリウム、飽和脂肪酸、糖類が追加された。
同委員会総会での報告書には、
”sugars referred to in this section mean all mono-saccharides and di-saccharides as defined in the Guidelines on Nutrition Labelling."

と記載されている。
(出典:REPORT OF THE THIRTY NINTH SESSION OF THE CODEX COMMITTEE ON FOOD LABELLING)

2)食品栄養表示のコーデックス規格(GUIDELINES ON NUTRITION LABELLING CAC/GL 2-1985)上の糖類の定義。
”Sugars means all mono-saccharides and di-saccharides present in food.”

3)北米諸国、韓国、オーストラリア等では、糖類の表示が義務付けられている。
(出典:消費者庁「第1回栄養成分表示検討会」資料

世界的に通用する食品規格は、コーデックス規格しかないそうなので、海外の食品栄養表示で”sugar”と記載されている場合、コーデックス規格の定義(単糖類とニ糖類)に従っていると考えられる。

実際に米国FDAの食品栄養表示における糖類の定義を調べてみると、
”To calculate sugars for the Nutrition Facts label, determine the weight in grams of all free monosaccharides and disaccharides in the sample of food. 21 CFR 101.9(c)(6)(ii)”
と記載されている。
(出典:http://www.fda.gov/Food/GuidanceRegulation/GuidanceDocumentsRegulatoryInformation/LabelingNutrition/ucm064894.htm)

【2015.4.30 追記】
「ジュース1杯も飲めない」WHOに欧米が怒った
このガイドラインに対する反応が面白い。
現行基準の10%さえオーバーしている国が続出しているので、さらに厳しい5%など遵守不可能ということらしい。
砂糖を添加しているジュースを飲まなくても、砂糖無添加ジュースやミネラルウォーターもあるし、果物はそのまま食ベられるし、他に水分や栄養を摂る方法はいくらでもあると思うけど。
厄介なのは、ジュースだけではなく大多数の食品に糖類が添加されていること。根本的に食生活を変えない限り、5%を守るのは困難極まりない。

(記事の要点)
- AP通信やロイター通信などによると、欧米では、そもそも10%という数字すら順守できていない国々が目立つ。例えばポルトガルが25%、英国が17%、米国は成人13%、子供だと16%に。米国の13%という数字はティースプーン18杯分で268カロリーにもなる。
- ブランカ博士が説明した地域ごとの砂糖摂取量は、新目標が1日あたり25グラムなのに対し、南米130グラム、北米と中米が95グラム、西欧101グラム、中東90グラム。最も低い赤道地帯と南アフリカですら30グラムだ。農畜産業振興機構によると、砂糖とデンプン由来の異性化糖をあわせた日本人の糖類摂取量は66グラム。
- WHOの推奨する5%だと、欧州では何とか7%を維持するノルウェーとハンガリーさえ基準超えで、順守はほぼ不可能と言っていい。
- その理由について欧米メディアは、意外な食品が多くの砂糖を含んでいることを挙げる。
- 専門家からは、西欧諸国にとってガイドラインは従来の10%が現実的であり、5%は開発途上国を対象とすべきだとの声が上がっている。
- 英キングス・カレッジ・ロンドンで栄養学と食事療法学を教えるトム・サンダース教授はAP通信に「5%を順守するならオレンジジュース(コップ1杯砂糖が24~26グラム)を飲むことすら許されないだろう」と憤慨。さらに「欧米など先進国なら甘い飲み物やシリアル、ビール、あめ、クッキーをやめれば10%は困難ではない。ケーキは愛すべき食べ物だが、ごちそうなのだ」と述べ、ぜいたく品や菓子類をやめ、10%をめざす方が現実的との考えを強調した。


                          

糖類の摂取上限が25gというのは、1日あたりの摂取カロリーが2000kcalの場合。
私がそんなに食べたら太る一方なので、身長・体重と活動量から考えて、今は1400~1500kcalをめどにしている。
ということは、上限値は25gどころではなくて、19gくらい。さすがに、20gを切ると厳しく感じる。

1日で摂取している糖類の量を概算してみたら、今の食生活なら、ほとんどの日は1日20gも摂っていない。
砂糖はめったに使わないし、毎日飲む紅茶はノーシュガー、料理で使うみりんは1日でせいぜい10g(そのうち炭水化物は多くて6gくらい)。
果物やジュース・調整豆乳や、いろんな添加物が入っている加工食品は(お菓子を除いて)ほとんど買わない。
自分で作る料理やお菓子では、砂糖をかなり減らしているので、1食あたり摂取する糖類は10gを軽く下回る。

使う量は少ないけれど、糖類が多いのは、調味料、タレの類。
タレ類やドレッシングは買わずに、自家製なので大丈夫として、いつも買うのはケチャップとオイスターソース。
特にケチャップはよく使うので、要注意。100gあたり炭水化物量が25~27g前後のものが多い。
比較的炭水化物が少ないハグルマ製品でも22gくらい。
今は、デルモンテの「ケチャップ・ハーフ」を使っているので、炭水化物は100gあたり11.7gと標準品の半分。
ケチャップライスやケチャップ炒めが好きなので、この「ケチャップ・ハーフ」ならわりと安心して使える。

(ウスター・中濃)ソースやオイスターソースも糖類はかなり多い。
ソースは使わないし、たまに使うオイスターソースでも、多くて大匙1杯くらいなので、気にするほどにことはない。

カレーペーストは、輸入品のタイカレーなので、糖類は少ない。
ただし、マサマンカレーはかなり甘いので、糖類が普通のタイカレーよりは多い。
パッタイペーストは、あれだけ甘ければ糖類がかなり大量に使われているはずなので、パス。(美味しいんだけど)

毎日食べるパンは自分で作るし、生地に砂糖や蜂蜜を入れるときは、1斤あたり5~10gくらいにしているので、1食あたりの糖類は1-2gくらい。
最近よく作っているフランスパン風食パンだと、砂糖なしでモルトを使うので、糖類ゼロ。

和食や和菓子はヘルシーなイメージがあるけれど、みりんや砂糖がかなり多く使われている。
特に煮豆や和菓子は要注意。初めてレシピをみてびっくりしたのは、砂糖を大量に使うこと。
煮豆や和菓子の餡に使う砂糖の量は半端じゃないので、自分で作ることにして、砂糖は大幅に減らした。
練り物系も要注意。甘めの味付けにしているものが多いので、たくさん食べれば、糖類をかなり摂っている気がする。

あれこれ積算していたら、一つ一つは糖類が数グラムと少量でも、1日に食べたものを合計すると、結構な量になる。
それでも、お菓子を食べなければ、たぶん大丈夫。お菓子を食べると、糖類19gはぎりぎりセーフか、オーバーしているかも。

私にとって一番危険なのは、非常用食料や仏壇のお供え用として、時々買っているお菓子(クッキー・ビスケット・おせんべいとか)とシリアル。
食べるときは、1回当たりの炭水化物量が5~10g以下になるようにしているので、過食しない限りはそれほど気にする必要はない。
ただし、普段食べないようにしているため禁断症状(?)が出てくるせいか、たまに暴食に走るので(かりんとうやシリアル1袋とか)、それだけで1日19gは軽くオーバーしているはず。
そう頻繁なことではないので(数ヶ月に1回くらい?)、食べてしまったものは仕方がないと諦めて、気分を変えて次の日からまた節制に励むのが、精神衛生に良い。


<食品に含まれる糖類の量>
ダイエット中の方必見! 身近にある食品やジュースに含まれるお砂糖って実はこんなに多いんです!![Pouch、2012年6月5日]

Sugar Stacks
食品別に糖類の含有量が載っている。Beverages、Desserts、Snacks、Fruits、Vegetables、Low Fat Snacks、Thanksgiving、Candy、Cookies、Sauces、Breakfast Foods、Shakes & Smoothies、Acai Berry。

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yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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