C.P.E バッハ/ヴァイオリンソナタ集 

2015, 04. 27 (Mon) 18:00

2014年はカール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(CP.E.バッハ)生誕300周年のメモリアルイヤー。
C.P.E.バッハはほとんど聴かない私は、全然気が付かなかった。
鍵盤楽器用のソナタとか聴いたはずだけど、唯一記憶に残っているのは、ムローヴァ&カニーノが録音した《ヴァイオリンソナタハ短調 H.514, Wq.78》。
それも、元々はJ.S.バッハのヴァイオリンソナタを聴くのが目的で、そのCDにたまたまカップリングされていたもの。
でも、これが大バッハとモーツァルトが融合したような曲で、思いのほか素敵な曲だった。

C.P.E.バッハのヴァイオリンソナタ集の録音はあまり多くはなく、それも、チェンバロかフォルテピアノによる録音のみ。
たぶんピアノで弾いているのはムローヴァ&カニーノの録音だけかも。

探してみてもヴァイオリンソナタの全集盤がないようなので、作品リストや抜粋盤を調べてみると、大バッハよりも多い。
 ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Wq. 71, H. 502
 ヴァイオリン・ソナタ ニ短調 Wq. 72, H. 503
 ヴァイオリン・ソナタ ハ長調 Wq. 73, H. 504
 シンフォニア 二長調 Wq.74 H. 507
 ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調 Wq.75, H.511
 ヴァイオリン・ソナタ ロ短調 Wq.76, H.512
 ヴァイオリン・ソナタ 変ロ長調 Wq.77, H,513
 ヴァイオリン・ソナタ ハ短調 Wq.78, H.514
 ヴァイオリン・ソナタ ト短調 H. 542.5 (J.S.バッハ:フルート・ソナタ BWV1020に拠る)
 ヴァイオリン・ソナタ ト短調 H.545(同 BWV1031に拠る) 

J.Sバッハのフルート・ソナタの偽作説[wikipeda]
ト短調ソナタのH. 542.5とH.545は、J.S.バッハのフルートソナタBWV1020とBWV1031のこと。この2曲は偽作説が濃厚な作品で、大バッハの作品ではなく、息子のエマヌエルの作品ではないかと考えられているらしい。


チェンバロとフォルテピアノの録音があり、いくつか聴いてみたところ、やはりフォルテピアノの方が現代ピアノに近いので、旋律が明瞭で響きも綺麗に聴こえる。
フォルテピアノ盤は、ブロイニンガー&ピート・クイケンとベイエ&スターン(ステルンとも表記される)の2種類。
クイケンのフォルテピアノは、弦をはじくような感じの鋭く明瞭な音で、ブロイニンガーのヴァイオリンの力強く張りがあり伸びやかな音に掻き消されることなく、どちらかというとチェンバロに近い響きに聴こえる。
※ピート・クイケンは、「クイケン三兄弟」の長兄ヴィーラント・クイケンの次男。

今まで聴いたことがなかったエドナ・スターンのフォルテピアノは、柔らかくて丸みを帯びた音色で、響きに潤いもあってやや長め。チェンバロよりはピアノの方に近く感じる。
ベイエのバロックヴァイオリンは、すっと消えていくような透明感があり、スターンのフォルテピアノの丸みのある柔らかい響きとはバランスよく聴こえる。
チェンバロ的な響きはあまり好きではないし、フォルテピアノも滲んだような割れた響きがするので、両方ともあまり聞かないけれど、このスターンのフォルテピアノの音は、残響の短いハープみたいな音でとても綺麗。自然に身体に浸み込んでくるようで心地よい。
最初は名前くらいは知っていたブロイニンガー&クイケンのHanssler盤を買おうかと思ったけれど、試聴してみると、ベイエ&スターン盤の方が楽器の音色と演奏とも好みに合っていた。

『ヴァイオリンとピアノ・フォルテのためのソナタ集』(2005年)(Zig-zag Territoires)
アマンディ-ヌ・ベイエ(バロックヴァイオリン)、エドナ・スターン(フォルテピアノ)

Sonata pour Violon et Pianoforte en Sol mineur H545: Allegro/Adagio/Allegro.
Amandine Beyer-Violon.Edna Stern-Pianoforte.


バッハ:ヴァイオリンとピアノバッハ:ヴァイオリンとピアノ
(2005/05/21)
ベイェ/スターン

試聴ファイル


<収録曲>
 ソナタ 変ロ長調 H.513, Wq.77
 ソナタ ハ短調 H.514, Wq.78 
 ソナタ ト短調 H.545(J.S.バッハ:フルート・ソナタ BWV.1031に拠る)
 ソナタ ロ短調 H.512, Wq.76

CPEバッハのヴァイオリンソナタは、大バッハとモーツァルトを足して2で割ったような(?)印象。
すっと消えていくような響きのバロックヴァイオリンと現代ピアノよりも響きの軽いフォルテピアノで演奏しているせいか、舞い上がるような軽やかさと洒落た明るさがあって、モーツァルト風なところを感じるのかも。

《ソナタ 変ロ長調 H.513, Wq.77》の第1楽章は、モーツァルトを通り越して、まるでハイドンを聴いているみたい。
《ソナタ ハ短調 H.514, Wq.78》はバッハ風。仄かな哀感漂う第1楽章の主題が綺麗。第3楽章のプレストは吹き抜けるような疾走感で颯爽としている。
《ソナタ ト短調 H.545》の方は、大バッハのヴァイオリンソナタだと言われても、全然違和感がない。
この曲は、元々大バッハが作曲した《フルートソナタBWV.1031》とされていたので、そう聴こえるのも当然かも。


『C.P.E.バッハ:フォルテピアノとヴァイオリンのためのソナタ集』(2006年)(haenssler CLASSIC)
アルブレヒト・ブロイニンガー(ヴァイオリン)、ピート・クイケン(フォルテピアノ)

93312 CPE Bach Violin Sonatas



C.P.E.バッハ (1714~1788) : フォルテピアノとヴァイオリンのためのソナタ集 (Carl Philipp Emanuel Bach : Werke fur Violine und Hammerflugel / Albrechet Breuninger (Violine) , Piet Kuijken (Hammerflugel)) [輸入盤]C.P.E.バッハ (1714~1788) : フォルテピアノとヴァイオリンのためのソナタ集 (Carl Philipp Emanuel Bach : Werke fur Violine und Hammerflugel)
(2014/01/10)
アルブレヒト・ブロイニンガー、ピート・クイケン

試聴ファイル

<収録曲>
 ソナタ ハ短調 Wq78 (H514)
 ソナタ 変ロ長調 Wq77 (H513)
 アリオーソと変奏曲 イ長調 Wq79 (H535)
 ソナタ ロ短調 Wq76 (H512)

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