ホームベーカリーで高加水パン

ホームベーカリーに全ておまかせで焼ける高加水パンのレシピはいくつかある。
いつも焼いているのは、高橋雅子さんの少ないイーストで天然酵母コースを使った「ロデブ」。(成形していないので「ロデブ風」食パンだけど)
レシピが載っているのは、この本。私が持っているホームベーカリーレシピブックのなかで、最も重宝したなかの一冊。

少しのイーストで ホームベーカリー 天然酵母コースでゆっくり発酵 (少しのイーストでゆっくり発酵パン)少しのイーストで ホームベーカリー 天然酵母コースでゆっくり発酵 (少しのイーストでゆっくり発酵パン)
(2010/07/07)
高橋雅子

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関連記事:ホームベーカリーで焼く”ロデブ”



高加水パンレシピなら、シニフィアンシニフィエの志賀勝栄シェフのレシピが有名。
志賀シェフのレシピ本はいくつか出ているけれど、読んだことがあるのは『ホームベーカリーでつくるシニフィアン シニフィエの高加水パン&ドイツパン』
硬水のコントレックスを使ったり、一般家庭ではあまり使わない粉を数種類ブレンドしたり、材料の配合も1g単位と細かく、配合比率もパンによってそれぞれ違う。
料理研究家などパン職人ではない人が書いたホームベーカリーレシピとは違って、これがパン作りのプロのレシピだとわかる。
実際にパンを作らなくても、レシピや作り方を読んでいるだけでも面白い。

ホームベーカリーでつくるシニフィアン シニフィエの高加水パン&ドイツパンホームベーカリーでつくるシニフィアン シニフィエの高加水パン&ドイツパン
(2010/11/23)
志賀 勝栄

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関連記事:志賀 勝栄『ホームベーカリーでつくるシニフィアン シニフィエの高加水パン&ドイツパン』


『有名パン職人のホームベーカリーレシピ』にも志賀さんのレシピが載っている。
5人の有名なベーカリー(ブランジェリ)のパン職人が全自動パン3種、成形パン3種のレシピを紹介。

有名パン職人のホームベーカリーレシピ有名パン職人のホームベーカリーレシピ
(2009/4/17)
ベーカリー倶楽部

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ホームベーカリークッキング![みんなのプロジェクト]---本書に載っているパンを実際に作った感想集。

志賀シェフののレシピは、チャバタ、パンドミ、パン・ペイザン。
こちらのレシピも家庭用ではあまりメジャーではない粉と硬水(コントレックス)、モルト(エキス)を使用。砂糖・乳製品・油脂はゼロ。
チャバタは、「シニフィアン シニフィエの高加水パン&ドイツパン」で使っていたキタノカオリではなく、フランスパン用準強力粉(F)を使用。
「材料が0.1g違っても僕のパンはうまくできません。もちろん、粉の種類が違うのもだめです。必要な水分量が変わりますから」と書いてある。
確かにその通りだとは思うけれど、パン用の小麦粉のストックがたくさん残っているし、これから気温が上がるので新しく粉を買うタイミングではなく、指定の粉を買うのは、たぶん10月以降。
それに、コントレックスは少量しか使わないので、近くのお店で売っている1.5リットルボトルを買っても使いきれない。
とりあえず、準強力粉は手持ちの「オーベルジュ」、水分は中硬水のエヴィアンを全量使用。モルトエキスの代わりに、モルトパウダー(使用量はエキスの1/10)で試してみた。

水分量が粉量の90%近くと、今までホームベーカリーで作ったパンのなかでは一番多い。
冷水(水道水を沸騰させたもの)を使ったロデブでは、加水率80%でもパンケースの底にある生地はドロドロになる。
90%近い水分を入れて、ちゃんと生地になるんだろうか?と思いながら、パンケースの中をじ~っと観察。
15分くらい捏ねていると、生地がちゃんとまとまった。さすがに硬水を使っただけのことはある。
4時間後に焼き上がると、水分が異常に多いうえにドライイースト少量で砂糖・油脂ゼロの配合なのに、発酵不足でも過発酵でもなく、形良くふっくら焼けている。硬水とモルトパウダーの威力は凄い。

使ったホームベーカリーは、高加水パンが苦手のタイガー(IH式/KBH-V100)ではなく、パナソニック(SD-BH106)を使用。こういうとき、違うメーカーのHBを持っていると便利。
パナソニック製のHBなら、硬水を使わずとも加水率80%では問題なく焼けているし、レシピブック掲載前に上手く焼けるかどうか試作・確認するときは、たいていシェアトップのパナソニック機が使われている。
パナソニック製HBで焼くと、普通はクラストが分厚くバリバリ硬いのに、このチャバタは水分が非常に多いせいか、クラストが薄くてパリパリ。
焼き色もちょっと白っぽくて薄め。でも、焼き足りないことはなく、クラムまでしっかり焼けている。
成形していないのに、クラムには大小の気泡がたくさん入っていて、チャバタ風。(手捏ね&オーブンで焼いたチャバタに比べると、目が詰まっているけど)
クラムは焼き上がってから6時間後に食べた方が、水分が落ち着いて、しっとり&もちもち。焼きたてよりも、粉の味がしっかりして、もちもち度も増して、美味しい。
パンは水分が多い方がと美味しいというけれど、ほんとに、ロデブもチャバタも高加水パンは美味しい。

ロデブは、高橋雅子さんのレシピを使って、ドライイースト少量&天然酵母コースなので、7時間かかる。
このチャバタは、ロデブよりもドライイーストが多いので、4時間の食パンコースで焼ける。
不思議なのは、ドライイーストは普通の食パンを作るときの半分くらいの量で、さらに砂糖・油脂ゼロなのに、4時間コースでも、発酵不足にもならず、膨らみの良いパンが焼けること。これは硬水とモルトのおかげ。
ホームベーカリーに全ておまかせで、これだけ美味しいチャバタが食べられるのなら、充分すぎるくらい。

チャバタが美味しく焼けたので、パン・ペイザンも手持ちの粉を使って、エヴィアンとモルトパウダーで焼いてみた。
加水率がほぼ80%と、チャバタより水分が少ないので(それでも高加水だけど)、すぐに生地がまとまった。(これも硬水の効果)
全粒粉配合率30%で砂糖・油脂ゼロなのに、わりとふっくらこんがり焼けて、クラストは薄めでパリパリ、クラムはしっとりとして、粉の味が美味しい。


<参考情報:硬水と軟水>
硬度1~100mg/Lが軟水、100~300mg/Lが中硬水、300mg/L~が硬水。
硬度とは、水1000ml中に溶け ているカルシウムとマグネシウムなどのミネラル含有量(mg/L)を表わした数値。

パン焼きで使う冷水(普通の水道水の場合)は、東京都の水道水の硬度は60mg/L前後。
ミネラルウォータを使うとしても、日本国内で採取・販売されているミネラルウォーターは軟水が多い。
ただし、海洋深層水のミネラルウォーターは、硬度300mg/L前後が多く、なかには軟水や1000mg/Lレベルの硬水も販売されている。

ミネラルウォーターの硬度比較
海洋深層水の商品一覧
赤穂化成の海の深層水『天海(あまみ)の水』は、硬度10、250、1000の3種類。

どうしてハード系のパンに硬水を使うのか調べてみると、VIRONの牛尾さんの記事を読んで納得。

「VIRON(ヴィロン)」の牛尾シェフに学ぶハードブレッド (1)[今日の酵母くん]
- フランスの水が硬水であるのに対し、日本の水は軟水。
- フランスと同じ材料や作り方をしているのに、どうしても生地がベタつき、なぜか同じように焼けない⇒フランスの一般的に使われている水と同じような硬度の水を使うことで解決。
- 硬度は350前後。ここでは硬度350になるように、硬水にコントレックス、それに水道水(軟水)を混ぜて硬度を調整。
- 軟水を使うとグルテンが軟化し生地がベタつく。硬水を使うとグルテンが硬くしまった生地になる。

VIRONの牛尾則明さんに教わるパン/バゲット・トラディショナル[allabout]
- お店では超硬水のコントレックスと水道水を混ぜて使用していますが、家庭では原価を考えなくていいので100%エヴィアンやヴィッテルなどを使用することもできます。つまり硬度300~350mg/lくらいの水が必要なのです。

コントレックス(硬水)と冷水(軟水)を混ぜるのは、硬度300~350mg/Lくらいに調整するため。
ということは、硬度300mg/Lくらいのエヴィアン100%で代用してもOK。
コントレックスは1.5リットル(約200円)ボトルならすぐ買えるけど、軟水と混ぜるのでごく少量しか使わない。ミネラルウィーターは開栓してしまうと保存がきかない。(冷蔵庫保存で長くても数日)
750ml(約100円)サイズのエヴィアンの方がまだしも使いやすい。



<パナソニックHBの高加水パンレシピ>
パナソニック製HBの最上位機種SD-BMT1000で焼ける「もちもちパン・ド・ミ」は高加水パン。
レシピをみると、湯だねペースト(強力粉10g+水70g)と水で合計210g、強力粉240g。
ということは、強力粉250gに水分200gなので、加水率80%。
ドライイーストは食パンコースの半分の1.4g。それにバター・砂糖・スキムミルク・塩が必要。所要時間5時間。
少量ドライイースト&天然酵母コースでロデブを焼くときに、湯たねペーストを使ってみると、さらにもちもちするかも。

もちもちパン・ド・ミのお味は? [なでしこおばさんのまったりブログ]

タグ:志賀勝栄 高橋雅子 ホームベーカリー

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