ブラームス/交響曲第3番(ピアノ編曲版)、2台ピアノのためのソナタ

レコ芸で紹介されていたブラームス作品の新譜は、『ブラームス・イン・エフ~交響曲第3番(4手連弾版)、2台ピアノのためのソナタ』。演奏は、ピアノデュオ ドゥオール(藤井隆史&白水芳枝)。

数年前に書いた記事「ブラームスの自作編曲版 ~ 4手連弾と2台のピアノのための作品集」に書いていたとおり、「作曲家のなかで、自作の大規模な管弦楽曲や室内楽のピアノ編曲をこれほど多く残した人は、他にいないのではないかと思うくらい、豪華なラインナップ」。

Brahms in F/ブラームス・イン・エフ~交響曲第3番(4手連弾版)、2台ピアノのためのソナタBrahms in F/ブラームス・イン・エフ~交響曲第3番(4手連弾版)、2台ピアノのためのソナタ
(2015年05月18日)
ピアノデュオ ドゥオール(藤井隆史&白水芳枝)

試聴ファイルなし



《交響曲第3番(4手連弾、2台のピアノ版)》

Youtubeの音源を探すと、いろんなピアノバージョンがあって面白い。

 ピアノ連弾版(Keller編曲)
Brahms: Symphony No. 3 - III. Poco Allegretto (arr. by Brahms & Keller)


交響曲第3番は、ピアノソロやピアノ連弾よりもオケで聴いた方が重厚感と迫力あり。
弦の響きの流麗感はオケでしか味わえないので、やっぱり原曲の方で聴きたい。

 2台のピアノによる8手連弾版(Keller編曲)
これはとっても珍しいけど、演奏は結構難しいかも。
4手が8手に増えているので、音の厚みがある一方、8本の手が縦の線でピシっと揃わないと、ごちゃごちゃした響きに聴こえてしまう。

Brahms - Symphony No. 3 3rd Mov, 8 hands piano(Arranged by Robert Keller for 2 pianos 8 hands)


ピアノソロ版(ビレット編曲)
Brahms-Biret: Symphony No. 3 - Allegro con brio - piano transcription by Idil Biret(Youtubeへリンク)


<楽譜>
<IMSLP (International Music Score Library Project)>では、クラシック作品の楽譜が無料でダウンロードできる。
高価で手に入れるまで時間がかかる輸入楽譜を買わずとも、スコアからパート譜、編曲版、カデンツァまで、原曲の作曲者と編曲者が書いた膨大な数の楽譜(Public Domain)が載っているので、とても重宝なサイト。

”Symphony No.3, Op.90 (Brahms, Johannes)”のページにある”Arrangements and Transcriptions”のタブに、ブラームス(と他の作曲家)が書いた「4手連弾版」と「2台ピアノ版」の2種類の楽譜が載っている。

For 2 Pianos 4 hands (Brahms)
For Piano 4 hands (Brahms)

ブラームスと同時代の音楽編集者Robert Kellerが、2台のピアノによる8手連弾と4手連弾版を編曲している。
Kellerはドヴォルザーク作品も編曲したという。



《2台ピアノのためのソナタ》

ピアノ五重奏曲の原曲にである《2台ピアノのためのソナタ》の方は、冒頭からほとんどピアノ五重奏曲を聴いている気分。
ピアノだけの演奏でも、私には全然違和感がなくて、それにとってもパワフル。
五重奏に近い音の重層感があるし、弦楽器が弾いている(はずの)旋律がずっと明瞭に聴こえてくる。こんな旋律があったっけ?と思うことも多くて、新しい発見があって面白い。
ずっと聴いていると、五重奏に比べて音色のバリエーションが少ないせいか、時々少し単調な感じがしないでも...。
やはり、弦楽とピアノの組み合わせの方が、音の質感と色彩感が多彩。
逆に、フォルテの和音が続くところ(第3楽章とか)では、打楽器的な力強さのあるピアノの方が力感が強くて、迫力がある。
この《2台ピアノのためのソナタ》がとっても気に入ったので、CDで聴きたくなってきた。

Brahms. Sonata in F minor for two Pianos - I. Martha Argerich & Lilya Zilberstein



この音源は、ルガーノ・フェスティヴァルのライブ録音。
カップリングされているメンデルスゾーンの《ピアノ三重奏曲大1番》もとても好きな曲。でも、アルゲリッチの演奏は私の好みとは違っているので、CDを買うかどうかちょっと悩ましい。

ブラームス:2台のピアノのためのソナタ、メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第1ブラームス:2台のピアノのためのソナタ、メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第1
(2015/2/11)
アルゲリッチ、ジルベルシュテイン、ルノー・カピュソン、ゴーティエ・カピュソン

試聴ファイル



<楽譜>
”Sonata for 2 Pianos, Op.34b (Brahms, Johannes)”のページに数種類。
ダウンロードする楽譜を選ぶときは、なるべく解像度が高くて、容量の小さいファイルを選ぶようにしている。

Complete Score(Leipzig: Edition Peters, n.d. Plate 10175.)


<参考資料>「ブラームス作曲「ピアノ五重奏曲ヘ短調作品34」についての一考察 ―「2台のピアノのためのソナタ作品34bis」との比較を視点として―」(村澤由利子、鳴門教育大学研究紀要第21巻2006)

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Author:yoshimi
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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
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