*All archives*



パナソニック製ホームベーカリー SD-BH106
タイガーのIH式ホームベーカリー(KBH-V100)を購入したところ、高加水パンが上手く焼けない。
やむなく、新品を2台も買うなんてバカバカしいと思いつつ、パナソニック製ホームベーカリーSD-BH106も購入。
SD-BH106は、今の最新型よりも一つ前の機種で、うどん・パスタ・餅コースもないので、7000円台とセール中だった。
手づくりうどんとパスタはほとんど食べなくなったし、お正月だけ食べるお餅はタイガーで作れば良いので、一番機能がシンプルな機種で十分。
何よりも、買うととっても高い高加水パンが、(お店と同じ出来にはならなくても)機械におまかせで簡単に美味しく作れるのがとても良いところ。

Panasonic ホームベーカリー 1斤タイプ ピンクホワイト SD-BH106-PWPanasonic ホームベーカリー 1斤タイプ ピンクホワイト SD-BH106-PW
(2013/09/10)
パナソニック(Panasonic)

商品詳細を見る

付属品として、分厚く長めのミトンが一対。左右がわかるように色を変えた目印がついているのが親切。
計量カップも天然酵母の生種用と普通の水用と2つあり、色を変えているので間違えようがない。
こういう細かいところまで、使い勝手が良いように行き届いているのは、さすがにpanasonic製品。
(タイガーは、ミトンなし。2つの計量カップが同じもので、○○用とカップに目印もないので間違いやすい)

<高加水パンの焼き方>
私が焼いた高加水パンは、主に2種類。
1つは、加水率80%の「ロデブ風食パン」
今まで使っていたSD-BM101では、何十回も焼いていて失敗したことがない。
SD-BH106でも、ドライイースト少量で天然酵母コースで焼くと、前機種同様、上手く焼けたので、ひと安心。

もう1つの高加水パンは、今回初めて焼いた加水率88%の「チャバタ風食パン」
配合は、『有名パン職人のホームベーカリーレシピ』に載っていた志賀勝栄シェフのレシピ。
今回は、指定されている銘柄の材料が揃わなかったので、他の銘柄品で代用して作ってみた。
これくらい加水率が高いチャバタを焼くには、硬水を使わないと、生地がだれてドロドロのまま、発酵不足で生焼け状態になる。
志賀シェフのレシピでは、コントレックスを冷水に少量混ぜて硬度300mg/l弱の中硬水にしている。
ためしに、コントレックスではなく、硬度300mg/lくらいのエヴィアンを水分として全量使ってみたところ、これも問題なく焼ける。

硬水を使う理由は、ミネラル含有量が多いため、生地の引き締め効果があるから。(これは、主にマグネシウムの作用らしい)
市販の硬水を使わずに、「にがり」を冷水に混ぜても硬水化できる。
硬水も「にがり」もストックしていないので、ミネラル(特にマグネシウム)含有量の多い塩を使えば、硬水を使ったときと同じ効果が得られるのではないかと思って、実験してみた。

硬水使用と、硬水不使用の2種類のレシピでそれぞれ数回焼いてみたところ、硬水使用の場合は全て成功。
硬水不使用の場合は、1回成功、3回失敗。
使った材料は、オーベルジュ(フランスパン専用準強力粉)またはリスドォル、ドライイースト、モルトパウダー、塩(「赤穂の天塩」)、硬水&軟水、または、軟水のみ。
塩は、ミネラル分の多い「赤穂の天塩」使用。マグネシウム含有量が500mg/100gと多いので、塩を水で溶かすと、この場合の計算上の硬度は、500mg/l強。
ただし、硬水を使った方が塩のミネラル分も加わって、計算上硬度が500mg/lよりもずっと高くなるので、生地が早くまとまるし、生地のグルテンが多少しっかりしている感じがする。

失敗したのは、硬水不使用のレシピで、オーベルジュを使って、塩を冷水に溶かさずに、粉と一緒に入れた時。ミネラルが生地全体に行き渡らなかったのか、生地がまとまらずドロドロだった。塩を冷水に溶かしたら、成功。
リスドォルを使うと、塩だけでは生地がだれやすく、発酵不足気味で、クラムの下半分は、水分が多くてベタ~と糊みたいに粘っている。モチモチしているので、お餅っぽい味。食べられないことはないけれど、美味しいというわけでもなく。
オーベルジュの方が、硬水を入れなくても、グルテンがわりとしっかりできるので、生地がだれにくい。
そう度々チャバタを焼くこともないし、粉はだいたいリスドォルをストックしているので、失敗せずに作るならエヴィアン(またはにがり水)を使った方が良い。

面白いのは、パナソニックで焼いたいつものパンとは違って、クラストが薄くてパリっと焼きあがるところ。
食パンコースで焼くレシピなので、焼成時間が40分。
タイガーでは焼成時間30分なのでクラストが薄いのに比べて、パナソニックで焼いたパンは、いつも皮が分厚くてバリバリでお煎餅かクッキーみたいに焼きあがる。
ところが、加水率80%の「ロデブ風食パン」も少し薄めのクラストだったけれど、このチャバタでは、タイガー並みに皮が薄くてパリっと食べやすい。
水分が多いと、パナソニックで焼いても、薄皮になるというのが面白い。
パナソニックの上位機種についている「パン・ド・ミ」コースでは、加水率80%と高加水なので、それと似たようなパンになるのかも。

試しに、フランスパンコースでHB付属レシピの普通の「フランスパン風食パン」(加水率76%)を焼いてみたところ、焼成時間が50分なのでやっぱり皮が厚くてバリバリ。クラムも、ふんわりしているけれど、水分がとんで、粉の味わいがない。
高加水パン以外のパンを焼くなら、タイガーの方がずっと美味しい。
ただし、タイガーが使いにくい点は、HB付属レシピの配合をいろいろ変えて作ると、失敗することが多い。
油脂・砂糖を減らす、米粉を入れる、水分を増やしたりすると、増減量によっては失敗する。
配合を変えても上手く焼ける増減量の幅が、パナソニックに比べてかなり狭いので、付属レシピで作った方が無難。

逆に、パナソニックなら、レシピの配合をかなり変えたり、オリジナルレシピで作っても、大きく失敗することが少ない。
油脂や砂糖を減らしても、膨らみは悪くなるけれど、クラムまでしっかり焼けるし、加水量を80%まで増やしても、水っぽいとか発酵不足になることがない。


(参考情報)
志賀勝栄『パンの世界 基本から最前線まで』
<第5章 水と塩の役割>

- 私が作るパンは、世界的にみても加水率が圧倒的に多い。パン・ペイザン103%、チャバタ95%以下になることはなく、100」%を超えるときもある。パン・ド・ブランのような食パンでも90%はある。大半のパンは加水率75%を超えている。
- パゲットの加水量が10%増えるとリュスティック、さらに10%増えるとパン・ド・ロデブに変わる。水の量を変えるだけで、全く違うパンになる。
- 普通は標準から10%も水を増やすことはない。たった0.5%増やすだけでも生地の状態がてきめんに変わってくるから。コントロールできなくなるので、そんな冒険をする人はほとんどいない。
- 同じ名前で売られているパンと比べ、私のパンは5~10%加水が多い。これだけ加水が多いと、まったく違うパンといっていい。本来なら別の名前をつけるべきもの。
- 水分が多いと酵素や酵母が生地全体に万遍なくゆき渡るぶん、発酵が進みやすい。長時間発酵させたりすれば、もうドロドロと手から流れ落ちるほど軟化する。だから、パンの形はシンプルなものばかり。丸い形か、ナマコ形か、棒形しかない。加水を増やすことを選んで、美しいフォルムを捨てた。
- どのパンの断面を見てもツヤツヤしているようなパン屋は、シニフィアン・シニフィエ以外にあまりないと思う。加水が少ないと、気泡を包む膜に光沢はできない。デンプンは加熱すると水を吸って膨らみ、糊状になる、これを糊化という。加水が多いと糊化がスムーズに進むので、断面がピカピカしてくる。
- 食感も全く変わってくる。非常にモッチリしている、。パンであって、パンでない。むしろ餅や求肥に近い食感がある。
- 粉の選び方でも変わってくるが、加水が多いと発酵も進みやすいので、旨味は強くなる。これまでにない味が作る出せる。フォルムを捨てても、十分に得るものがある。


<大豆粉&きな粉のソイスコーン>
もう一つ、パナソニックのホームベーカリーを買って正解だったと思ったのは、「ソイスコーン」がとても美味しかったこと。
付属レシピの材料と配合をかなり変えて作ったところ、スコーンというよりは、バターの少ないパウンドケーキ風。
大豆粉&きな粉を粉量の半分以上を使うので、糖質が60%オフと糖質をそれほど気にせず食べられる。
常備していない豆乳は入れず、クリープとココナッツミルクパウダーを溶かしたお湯で代用。
ザクザクした食感とナッツみたいな素朴な味と自然な甘みがとても美味しくて、私の好みにぴったり。
ただし、大豆粉ときな粉を使っているので、カロリーは小麦粉100%よりも高い。
食物繊維とたんぱく質がたっぷり入っているので、お腹がかなり膨れる。
糖質が少ないので安心してパクパクと半分以上食べていたら、摂取カロリーがバカにならないことに気がついた。(1個丸ごと食べたら800kcal以上)
糖質が少なくても、トータルのカロリー摂取量が消費カロリーを上回れば、太るのは間違いない。

いろいろ作ってみたところ、パナソニックの一番の長所は、どんなレシピでも安定して焼き上がること。
結局、高加水パンとソイスコーン、それに、オリジナルレシピのパンを焼くなら、パナソニックのホームベーカリー。
それ以外の普通の食パン、フランスパン、ライ麦パン、天然酵母パンなどは、食感と味の良いタイガーで主にHB付属レシピを使って焼いている。
今は高加水パンとソイスコーンをよく食べるので、パナソニックの方がタイガーよりも使用頻度が多い。
ホームベーカリーを2台買うのは無駄のような気もしたけれど、使い分けできることがわかったので、結果的には良い選択だった。

tag : ホームベーカリー

※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。
Secret
(非公開コメント受付中)

カレンダー
06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
ブログ内検索
最近の記事
最近のコメント
カテゴリー
タグリスト
マウスホイールでスクロールします

月別アーカイブ

MONTHLY

記事 Title List

全ての記事を表示する

リンク (☆:相互リンク)
FC2カウンター
プロフィール

yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

お知らせ
ブログ記事はリンクフリーです。ただし、無断コピー・転載はお断りいたします。/ブログ記事を引用される場合は、出典(ブログ名・記事URL)を記載していただきますようお願い致します。(事前・事後にご連絡いただく必要はありません)/スパム投稿や記事内容と関連性の薄い長文のコメント、挙動不審と思われるアクセス行為については、管理人の判断で削除・拒否いたします。/スパム対策のため一部ドメインからのコメント投稿ができません。あしからずご了承ください。