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スティーヴン・ハフ 『English Album』
Hyperionが出しているスティーブン・ハフのコンセプトアルバムのなかで一番好きなのは、『French Album』と『EnglishAlbum』。
両方とも選曲がユニークで、聴いたことがなかった作曲家や曲が多く、ハフの切れ味良い技巧と透明感のある美しい叙情感がたっぷり味わえる。
『English Album』には、(日本では)あまり有名でないロマン派~現代の英国人作曲家の作品やハフの自作自演曲も収録されている。
収録曲は、現代曲も含めてどの曲も聴きやすくて、気に入った曲も多い。
特に好きなのは、ロースソーン『4つのバガテル』とレイノルズ『フォーレの思い出に捧げる2つの詩』の”Chanson d'Automne”。

English AlbumEnglish Album
(2002/4/9)
Stephen Hough

試聴ファイル

<収録曲>
1) ロースソーン(Alan Rawsthorne1905-1971) 4つのバガテル/Bagatelles 
2) レイノルズ(Stephen Reynolds 1947-) ディーリアスの思い出に捧げる2つの詩/Two poems in homage to Delius
3) ハフ エニグマのワルツ 第1番 第2番/ Valse Enigmatique
4) エルガー(Edward Elgar 1857-1934) スミルナにて/ In Smyrna
5) レイノルズ フォーレの思い出に捧げる2つの詩/Two poems in homage to Faure
6) バントック(Granville Bantock 1868-1946)/ハフ編 封印された歌/Song to the seals
7) ボーウェン(York Bowen 1884-1961) 愛の夢 op.20-2/Reverie d'Amour
8) ボーウェン シリアスな踊り op.51-2/ Serious Dance
9) ボーウェン ポルデンへの道 o.76/The way to Polden (an ambling tune)
10) ブリッジ(Frank Bridge 1879-1941) しずくの妖精/The dew fairy
11) ブリッジ 気楽な心/Heart's ease
12) レイトン(Kenneth Leighton 1929-1988) 6つの練習曲(練習用変奏曲)op.56/Six Studies (Study-Variations)

最初のロースソーンと最後のレイトンは、現代的でも調性感があり難解さはない。
ロースソーンの”Bagatelles”は、同一の主題を展開させた4曲構成。
最初の”Allegro”は現代曲らしい騒然としてマニッシュな曲想。
第2曲”Allegretto”は、”Allegro”の主題をモチーフに、密やかで少し妖艶な雰囲気。
第3曲”Presto Non Assai”は、ちょこまかと小ネズミが動きまわっているような旋律と焦燥感が漂い、最後の”Lento”は落ち着いた静けさで瞑想的。

Rawsthorne Bagatelles
(Sarah Beth Briggs. 2007 recording for Semaphore.)

(この音源の演奏は、ハフよりもテンポが遅くてタッチも切れが悪くて重たいけれど、曲の雰囲気はわかる)


ロースソーンとレイトン以外は、ソノリティの美しい叙情感のある曲がほとんど。(好みとしては、もう少し曲想にバラエティがある選曲だったらよかったけど...)

レイノルズの作品(全部で4曲)は、フォーレとディーリアスへのオマージュ。
流麗で煌くような旋律と響きに繊細な情感が篭っていて、とてもロマンティックな曲。
ディーリアスへのオマージュ”Rustic Idyll”は初期のドビュッシー風に聴こえる。少し東洋風なところも。
とりわけ素敵なのは、哀感を帯びた美しいフォーレへのオマージュ”Chanson d'Automne”

Stephen Reynolds - Two Poems in Homage to Delius - Stephen Hough



ハフの自作自演は、《エニグマのワルツ》第1番&第2番
第1番は古き良き時代のワルツ風。第2番はワルツのリズムがわかりにくくなり、少しミステリアス。

ボーウェンの3l曲は、どれも厚めのレトロな響きに包み込まれるような感覚がする。
《愛の夢》は厚い和声の響きと優しい雰囲気の旋律で温かみのある曲。
《シリアスな踊り》(第2番)は優雅で品の良いワルツでレトロな雰囲気いっぱい。
《ポルデンへの道》も似たような曲想だけど、これも素敵な曲。
ハフはボーウェン作品集のアルバムを録音していたはずなので、聴いてみたい気がしてきた。

3 Serious Dances Op.51-York Bowen(piano:Joop Celis)


ブリッジの”The Dew Fairy”は煌くように流れるアルペジオが美しく、本当に妖精みたい。
”Heart's ease”は高音のピアノの響きが綺麗で、静かに染み込んでくるような旋律。

Franck Bridge - The Dew Fairy



最後に収録されていたレイトンの《6つの練習曲(練習用変奏曲)》は、ロースソーンよりも音の動きがメカニカルなせいか、ずっとアグレッシプでマニッシュ。
内面の不安感が湧き立ってくるような曲で、焦燥感に駆り立てられるような雰囲気とか、さざめくように音が動くところとか、結構面白い。
第2変奏や第6変奏は、SF映画か何かの戦闘シーンとかの劇伴に使えそう。

Leighton - Six Studies (演奏者不明)


tag : スティーヴン・ハフ

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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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