デュシャーブル ~ サン=サーンス/ピアノ作品集(6つの練習曲Op.52,Op.111、他) 

2015, 09. 07 (Mon) 18:00

デュシャーブルの録音は、ショパン、リスト、ベートーヴェン、ブラームスなど、有名な技巧的な難曲を中心にかなり多い。
特に、珍しい録音が、サン=サーンス2つの《6つの練習曲》&独奏曲、デュカスのピアノ・ソナタ&独奏曲、リストがピアノ独奏用に編曲したベルリオーズの《幻想交響曲》、ベートーヴェンの《ピアノ協奏曲ニ長調》(ヴァイオリン協奏曲の編曲版)。

今でも販売中のサン=サーンスのピアノ作品集は、amazonとHMVのカスタマーレビューがかなり良い。
サン=サーンスのピアノ作品で有名なのは、《動物の謝肉祭》とピアノ協奏曲集。それ以外のピアノ曲は聴いたことがない。
とても興味を魅かれたので、早速試聴してみると、評判どおりこれはとっても面白い。
特に、リストとショパンを足して2で割ったような(?)超絶技巧の2つの練習曲集が凄い。


サン=サーンス:6つの練習曲作品52&作品111サン=サーンス:6つの練習曲作品52&作品111
(1998/9/23)
デュシャーブル(フランソワ=ルネ)

試聴ファイル


ショパンのエチュードと比べると、リスト的な華やかさとべたつきのない叙情感があり、私にはサン=サーンスのエチュードの方がずっと馴染みやすい。

速いテンポの同音連打や重音のトレモロとか重音のアルペジオとか、弾きにくい音型が多い。
いかにも超絶技巧の練習曲風なのだけど、メカニカル一辺倒というような風ではなく、旋律自体が美しく華やかで、曲の展開もダイナミック。



《6つのエチュード Op.52》(ピティナの作品解説)
1.前奏曲 Pérlude

2.指の独立のために Pour l'indépendance des doigts
タイトルに似合わず、映画音楽みたいな美しい叙情流れる曲。

3.前奏曲とフーガ Prélude et fugue
プレリュードはスピーディな重音の同音連打も、バタつくことなく、一音一音きっちり打鍵している。(技巧的にかなり難しそうな気がする)

4.リズムの練習曲 Étude de rythme
耳で聴いていると、そんなにリズムが難しそうには感じられない。そんなことはないだろうからクロスリズムの練習曲?と思って楽譜を見ると、やっぱりそうだった。

5.前奏曲とフーガ Prélude et Fugue
前奏曲のトレモロを聴いていると、リストの《小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ》のように穏やかで可愛いらしい。
3番と同様に5番のフーガも、旋律が晴れやかで情感も細やか。

Camille Saint-Saëns :Six Etudes Op.52 - No.5 Prelude and Fuge



6.ワルツ形式の練習曲 Étude en forme de valse
リズムが普通のワルツ的でもなく、曲想も(ショパンのワルツとかをイメージしていると)一風変わっているように聴こえる。
解説を読むと、ワルツのテーマに4連符(1小節拍のなかに4つの音符)が含まれてという書いていた。
そのせいでワルツっぽくなくて、逆にワルツ苦手な私にはとっても面白い。

《6つのエチュード Op.111》(ピティナの作品解説)
 1.長3度と短3度 Tierces majeures et mineures
いかにも難しそうなトレモロをすらすら柔らかいタッチで弾いている。
(このトレモロを聴いていると、ショパンのエチュードを思いだした)

 2.半音階奏法 Traits chromatiques
 3.前奏曲とフーガ Prélude et Fugue

Camille Saint-Saëns :Six Etudes Op.111 - No.3 Prelude and Fuge



 4.ラ・パルマの鐘 Les cloches de Las Palmas
 5.半音階的長3度 Tierces majeures chromatiques
 6.第5協奏曲のフィナーレによるトッカータ Toccata d'àpres le final du cinquième concerto

練習曲集の最後は、サン=サーンス自身の編曲による《ピアノ協奏曲第5番》第3楽章のピアノ独奏曲版。
この楽章はかなり好きなので、これがピアノソロで聴けるのは嬉しい。
ピアノソロとはいえ、協奏曲の演奏がオーバーラップしてくるくらいに、華やかでダイナミック。

Saint-Saens' "Etude Op. 111 No. 6" (audio + sheet music)
(Performance by: Francois-Rene Duchable)


練習曲集以外に収録されているのは4曲。
《かわいいワルツ Op.104》
《愉快なワルツ Op.139》
サン=サーンスの5曲のワルツのなかでは、最後に書かれた一番の傑作と言われる曲。
曲目どおり、楽しげでユーモラス。ワルツにしては、音型も曲想もコロコロと変化していくので、ワルツ苦手の私でも、全然飽きない。

《アレグロ アパッショナート Op.70》
《マズルカ第3番ロ短調 Op.66》

このサン=サーンスのピアノ曲集は思いがけないヒット。
なかでも、3つの《前奏曲とフーガ》(特にフーガ)、《愉快なワルツ》、《第5協奏曲のフィナーレによるトッカータ》がとっても気に入って、元々結構好きだったサン=サーンスの音楽がもっと好きになってしまった。

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