カレーラス ~ トスティ/Malia(魅惑) 

2015, 11. 16 (Mon) 12:00

来年が没後100年にあたるフランチェスコ・パオロ・トスティ。
私が初めてトスティの歌曲を聴いたのは、カレーラスのカムバックコンサートのライブ録音。
昔、声楽のCDばかり聴いていた時期に、たまたま梅田のタワーレコードで見つけて、初めてカレーラスのCDを購入したのが、このライブ録音だった。
これがあまりにも良かったので、ライブ映像とドキュメンタリーが収録された『ホセ・カレーラス/オペラ界の不死鳥』というLDまで買ってしまったのだった。

このアルバムでは、トスティの”Malia”が2番目に収録されている。
”Malia”というタイトルで、明るく甘い曲なので、マリアという女性に対する恋歌だとずっと思っていたけれど、”Malia”は女性の名前ではなくて、「魅惑」という意味だと知ったのが数年前。
歌詞を読んでも、ある女性に魅惑された男性の切ない気持ちを歌ったので、恋歌なのは間違いなし。
メロディを聴いているだけで、優しく幸せな気持ちになれるとても素敵な曲。
1970年代にフィリップスに録音したときよりも、声の伸びや張り、きらめきは少し薄れているかもしれないけれど、もどかしく切ない気持ちはずっと強く伝わってくる。
もしかしたら、今まで聴いた男声・女声の歌曲のなかで、(他の歌手ではなく)カレーラスの歌うこの”Malia”が一番好きな曲かもしれない。

José Carreras. Malia. F. P. Tosti.
José Carreras, tenor. Lorenzo Bavaj, piano.、Barcelona. 21/7/1988


Live- Comback Concertos ImportLive- Comback Concertos Import
(2012/5/23)
Jose Carreras (Tenor)

試聴ファイル

発売当初(20年以上前)に購入したCDのジャケットは、ステージで祈るようなカレーラスの写真。






このアルバムは、白血病との闘病生活からカムバック後、1988年7~9月に行われたリサイタル(3公演)から抜粋して収録されたもの。
半数以上は、7月21日バルセロナのリサイタルのもの。
「魅惑」のほかに、気に入って何度も聴いた曲が、トーランドットの”Nessun dorma!/誰も寝てはならぬ”、情熱的なパブロ・ソロサーバルの”La tabernera del puerto/そんなことはありえない(サルスエラ「酒場の女」より)”、カタルーニャ地方の民謡”El cant del ocells./鳥の歌”。

José Carreras. Turandot. G. Puccini.



José Carreras. La tabernera del puerto. P. Sorozabal.



José Carreras. El cant del ocells.




1988年8月13日のカムバックコンサートのライブ映像。
ピアノ伴奏は、ヴィンチェンツォ・スカレーラ。

Jose Carreras, Recital from Peralada Castle 13-8-1988
Josep Carreras in Recital --- Peralada Castle, August 13, 1988




カレーラスのトスティ録音は数種類でている。
私は若い頃のPhilips盤と、ウィーンリサイタルのライブ録音(1996年)(↓)のCDも持っている。
リサイタルでは、ピアノ伴奏によるカレーラスの独唱だけではなく、ソプラノのフリットーリとのデュエット、ピアノ&弦楽四重奏の伴奏と趣向を凝らした楽しいもの。
とても残念なのは、一番好きな「魅惑」が弦楽四重奏曲の器楽演奏になっていて、カレーラスの歌では聴けないこと。

ホセ・カレーラス、トスティに捧ぐホセ・カレーラス、トスティに捧ぐ
(2004/1/21)
Jose Carreras (Tenor)

試聴ファイル

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2 Comments

芳野達司  

こんばんは。
カレーラス、いいですよね。三大テノールのなかでは一番好きだし、彼の主演するオペラはなるたけ観てみたいと思います。
あまり評判にならないのですが、マゼールの「トゥーランドット」で彼がカラフを歌っていて、それがいいんです。線が細いところが弱点にならない。
東京にはたびたび来ているようですが、チケットが高くていけません。。

2015/11/16 (Mon) 18:10 | EDIT | REPLY |   

yoshimi  

 

芳野様、こんばんは。

オペラに限らず、(映画を除いて)演劇が入っているものは苦手なので観ないのですが、アリア集は聴いてます。
私も同じく、三大テノールのなかでカレーラスが一番好きです。
それに、若い頃よりもカムバック後の方が、声の張りが少し減っても、表現に深みが出ていていいですね。
パヴァロッティのような煌びやかさと声量はないでしょうが、逆に線の細さが魅力的に思えます。

超メジャーな演奏家の来日公演は、チケット代が高止まりしているようですね。
ポリーニのリサイタルでは、チケット代が高すぎて空席がかなり目立っていたそうです。
招聘側はそれでも利益が十分出るのでしょうが、演奏家としては聴衆が多い方が嬉しいでしょう。

2015/11/16 (Mon) 19:23 | EDIT | REPLY |   

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