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ギレリス ~ ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第31番
来年2016年は、エミール・ギレリスの生誕100年にあたるメモリアルイヤー。
いつも作曲家ばかりチェックしているので、ピアニストの方はすっかり忘れていた。

ギレリスの録音で聴くのは、ほとんどベートーヴェンのピアノ・ソナタ。
定評のあるブラームスのピアノ協奏曲は、2曲とも私の好みとは違っていたので、ほとんど聴かない。
ベートーヴェンのソナタは、標題付きの6大ソナタと後期ピアノ曲の分売盤を先に数枚買ってしまったので、BOXセットは買いそびれてしまった。
でも、第31番ソナタを聴けば、それ以外の曲を聴かないても良いと思えるくらいに、このソナタの演奏は神がかり的なくらいに凄い。
静謐な美しさに満たされて、明鏡止水の境地というのか、「祈り」を捧げるような演奏は、この時のギレリスにしかできなかったのだと思う。

GILELS, Beethoven Piano Sonata No.31 in A flat Op.110


ギレリスは、最後のソナタ第32番を録音せずに69歳の誕生日を迎える直前に急逝。
公式には心臓発作が原因とされている。しかし、リヒテルの伝記を読むと、本当の原因は医療過誤だった。
当時のモスクワの医療制度は社会主義体制下にあったため、縁故で医者になったりすることもあり、その能力や技術はあてになるものではなかったという。
ギレリスは、演奏旅行に出かける前に病院へ健康チェックを受けに行った。
そこで予防か何かのために注射をされたところ、誤って間違った薬を注射されてしまったため、2分と経たないうちにギレリスは命を失ってしまった。
そしてベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集は未完の全集となった。
この31番の演奏を聴いていると、まるでギレリスの「白鳥の歌」のようにも聴こえてくる。
もしかして、ギレリス自身、漠然とした予感のような何かを感じていたのだろうか?

<過去記事>
ギレリス ~ ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第31番

tag : ベートーヴェン ギレリス

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(非公開コメント受付中)

こんばんは。
ギレリスの31は、いいようもなく素晴らしいですね。
 
芳野様、こんばんは。

ギレリスのベートーヴェンソナタのうち、30番と31番が別世界になっていますね。
特に31番はアリオーソとフーガがそれぞれ2回入っているので、透き通るような叙情と祈りのような深みを感じます。
こんなベートーヴェンを弾く(弾ける)人は、この時のギレリス以外に誰もいないように思います。
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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
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