ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番

毎年同じことを書いている気がするけれど、年末になると聴きたくなるベートーヴェンの《ピアノ協奏曲第4番》。
今年も、もう何十回となく聴いているアラウとカッチェンのピアノで。

とっても珍しいアラウとバーンスタインという顔合わせのアムネスティコンサート。
後年(1984年)のコリン・デイヴィスとのスタジオ録音では本当にテンポが遅いけれど、こちらはまだ73歳頃の演奏のせいか、それよりテンポが速く、指回りもしっかり安定している。
アラウが弾くと、穏やかながらも威厳と気品のある”女王様”のコンチェルトのよう。

Arrau Bernstein Beethoven Piano Concerto No. 4
"The Amnesty International Concert"(Orchestra: Bavarian Broadcast Symphony Orchestra),Munich, 17/10/1976




カッチェンが亡くなる1年前くらいの”プラハの春”音楽祭の演奏会。
伴奏は若い頃の細身のノイマン指揮プラハ響。
カッチェンにしては珍しく(?)、ライブなのに、速いテンポながらも(スタジオ録音のように)テンポが前のめりになることなく(多少加速しているところはあるけど)、かなりコントロールされている。
第1楽章の映像しかYoutubeにないのが残念。調べてみると(海賊盤の)DVDが出ているらしい。放送局の音質の良い音源があれば、DVDかCDにしてくれれば嬉しいんだけど。

Katchen-Beethoven I


Katchen-Beethoven II

Julius Katchen playing Beethoven's 4th concerto, first movement. Prague 1968



<過去記事>
アラウ&バーンスタイン指揮バイエルン放送響 ~ ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番
カッチェン  ~ ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番



年末は大掃除(というか中掃除くらい)とおせち作りで忙しく、これが今年最後の記事になります。
ブログをご覧下さった方、コメント下さった方、どうもありがとうございました。
どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。


タグ:ベートーヴェン カッチェン アラウ

※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。

コメント

こんにちは。
カッチェン、観ました。粒立ちがよく勢いがあるピアノですね。そして上体がほとんど動かない弾き方は美しい。ノイマン/プラハの組み合わせは珍しいと思います。ご紹介、ありがとうございます。

今年もいろいろお世話になりました。
よいお年をお迎えください!

  

芳野様、こんばんは。

カッチェンは、プラハの春音楽祭で何度か演奏していたようです。
硬質の粒立ちの良いタッチで、指がくるくると良く回ってますね。
ブラームスみたいに音が多くないベートーヴェンになると、指が回りすぎてついつい加速してしまうところが、カッチェンらしくて面白いです。
演奏姿勢は余計な力を入れずにわりと淡々としてますが、CDのライナーノートに載っていたインタビューで、腕は脱力して弾くのが大事だとか言ってました。

プラハ音楽祭なのでチェコフィルかと思ったのですが、調べてみるとプラハ響でした。
それに、この頃のノイマンはとてもスリムなので、最初は誰だかわかりませんでした。

こちらこそいろいろ教えていただいてありがとうございました。
来年も良いお年になりますように!

ジュリアス カッチェンー 無名時代 イン ジャパン

yoshimiさま こんにちは。

ごきげんいかがですか?大晦日を前に色々とお忙しいかと思います。話題は結局のところ、ジュリアス カッチェンになるのですが(笑)…。
先日、「クラシックは死なない」松本大輔著をネット通販で手に入れ読みました。その中でのカッチェンに対する評価の高さに改めて満足しています。これを機にカッチェンの演奏録音を聴いてみたいと思う音楽ファンは増えるでしょう。カッチェンに関してこれほど詳しく記した書物は後にも先にも現れないのではないかと思いました。

そこでカッチェンの過去における日本での受け止め方について書いてみたいと思います。
カッチェンは今でこそ知られるようになりましたが、初来日の1954年から再来日までの日本のクラシック音楽界ではピアニストとしての評価が非常に低く、ヨーロッパにおけるカッチェンの活躍ぶりとはあまりにもギャップが大きかったようです。私はこの点に興味を持ち、1963年頃 色々と調べたことがあります。書籍、音楽誌、記録、新聞などの資料から情報を集め、自分なりの結論を得ました。

日本でのカッチェンに対する論評は、テクニックを高く評価する向きもありましたが、大方の見方は酷評がほとんどでした。中には、とんでもない不適切な表現の批評もあったりで苦笑したものです。日本の音楽ファンには、ケンプやバックハウス、ギーゼキングといった往年の名ピアニストしか頭になかったのかもしれません。カッチェンの奏法は、どちらかと云うと、内省的な叙情性を求める日本人の感性に合わなかったと考えざるを得ません。

1959年にカッチェンが録音したチャイコフスキーのP協奏曲1番を聴くと 確かに落ち着きを欠いた部分がありますが、一方 同年録音のベートーヴェンP協奏曲3番はどうでしょう。テクニックにまかせて、バリバリ弾く印象は全く感じられません。さすがに、重厚なドイツ音楽を得意とするカッチェンだけあって、見事な演奏です。
カッチェンといえば、ブラームスが定番ですが、その他の作曲家の録音も数々残しています。聴く価値は十分にあると思います。
また時の合間にアンコール集( 英デッカSPA110 )を聴いてみてください。バッハ、リスト、ショパン、メンデルスゾーン、ファリャ等の小作品11曲が収められています。

来年もyoshimiさんのブログを楽しみにしています。どうぞ良い年をお迎えください。

yoshimiさん、おひさしぶりです。

おはようございます。一言だけですがお礼が言いたくてコメントさせていただきます。

いまだクラッシック初心者の私ですので
いいなあ!心に響くなあ!波長が合うよ!このCD買いたいわ!程度なのでコメントも書けませんでした。

きょうはアラウとカッチェンのベートーヴェンの《ピアノ協奏曲第4番》ですね。今聴かせていただいております。
人間への愛が込められているようで希望を感じます。

カッチェンは視聴しているクラシカジャパンで「20世紀の巨匠たち」シリーズで録画しておりよく聴いております。
先日、掲載されていたハンガリアン舞曲は映像が同じものだったので、あらっ~と
うれしかったです。

それから、先日お書きになられていた読書記事より
吉村昭「プリズンの満月」、アンネッテ・ヴァインケ「ニュルンベルグ裁判」、それから「ヒトラー」最期の12日間も手許に置いています。
積読にならぬようにと思っています。
10数年前訪れたことのあるベルリンの街は”重い””沈んだ”空気が立ち込めているようでロンドンやパリの街では感じることのない”何か”がありました。
その”何か”がこれらの本で解き明かされるかもしれませんね。

ましてや、現在の東京の街では、どうでしょう。
昨年訪日されたメルケル首相の言葉の正否はさておいて、現代史のなかで第二次大戦の戦後処理の問題を自分なりに考えてみたいと思います。

一言だけでなくたくさん書いてしまいました。
来年もよろしくお願いします。そして何よりもyoshimiさんにとって来年がhappyな年になりますように。
大阪の片隅より感謝の気持ちをこめて。   すず子より

 

youai様、こんにちは。

「クラシックは死なない」は、7年ほど前に読みました。
この本のおかげで、カッチェンのCDコレクターになったという思い出の本です。
著者の松本氏は思い入れが激しすぎるようで、カッチェンを(ウェブサイトで)「20世紀最大のピアニストはこの人ではないかと思うときさえある」とか、「20世紀最大の音楽家」(だったと思いますが、記憶が定かではありません)とか言っていますね。
これはさすがに言い過ぎで、贔屓の引き倒し?みたいに私は思いましたが。

1950年代初期のカッチェンのライブ録音でブラームスのコンチェルトを聴きましたが、これはまさに「テクニックにまかせて、バリバリ弾く」荒っぽい演奏でした。
年間100回以上演奏会をこなしていたので、演奏の出来にムラがあったという論評もありますし、実際にライブ録音をいろいろ聴いてみると、そういう論評があるのもわかります。
海外のレビューを読んでいると、若い頃はバリバリ弾いていることも多々あったようですから、カッチェン自身も徐々にピアニストとして成熟していき、評価も高まって行ったのでしょう。
日本でのカッチェンの評価については、”音楽院で正規の音楽教育を受けていないアメリカ人ピアニスト”という点も影響していたのではないかと思います。

ベートーヴェンのスタジオ録音では、ピアノ協奏曲第3番はとてもいいですね。
ずっと後に録音したピアノ協奏曲第4番とピアノソナタ第32番も好きなのですが、テンポが著しく前のめりになる部分が結構気にはなります。
これはライブ録音でもよくあることなので、カッチェンのクセなんでしょうね。

私はLPは聴きませんので、今でもアンコール集が入手できるか知りませんが、CDの方はすでに廃盤になっていますし、再発売されることはおそらくないでしょう。
私は他のCDとituneからアンコール集の音源を集めましたが、Youtubeでもいろいろ聴けるようなので、便利な時代になったものです。
特に好きなのは、「月の光」と「歌の翼に」ですが、「火祭りの踊り」は珍しくもロック関係のイベントでも弾いていて、DVDになっています。
ライブ録音のCDなら、シューマンの「予言の鳥」や、ベートーヴェンの「32の変奏曲」に「失くした小銭への怒り」など、LPには録音されていない(と思いますが)レパートリーが聴けますよ。

最近は多忙であまりブログを書けないのですが、来年もマイペースで書ければと思っています。
youai様も良いお年をお迎えくださいませ。

 

すず子さん、本当におひさしぶりです!
お元気そうで何よりです。

ベートーヴェンなら「皇帝」の方が有名ですが、第4番は「女帝」のコンチェルトではないかと個人的には思ってます。
年末には第9ではなくて、この曲とベートーヴェンの《合唱幻想曲》を聴くのが恒例になってます。

ハンガリアン舞曲のソロ演奏自体かなり珍しいのですが、カッチェンの演奏はこの曲独特の雰囲気が良くでていますし、オケとは違ってピアノ一台で弾く驚きと面白さが実感できますね。

「プリズンの満月」、「ニュルンベルグ裁判」、「ヒトラー最期の12日間」は、それぞれスタイルは違いますが、どれもとても勉強になる本でした。
今夏に「プリズンの満月」をたまたま読んでから、東京裁判とニュルンベルク裁判について突然興味が湧いてきたので、関連したテーマの本を今も読んでます。
読めば読むほど知らないことや驚くようなことが多々ありますので、やはり歴史を知るというのは奥が深くて、興味が尽きません。


今年は暖冬なので、もう一つ正月気分にならないのですが、おせち作りはやはり欠かせません。
すず子さんにとって、来年も良いお年になりますように!
それから、以前にパソコンがクラッシュした時に、メルアドも一緒に消えてしまいました。気が向いたときにでも、またメールくださいませ。
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◆プロフィール◆

yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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