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ブリテン/ピアノ協奏曲、ディヴァージョンズ(左手のピアノと管弦楽のための主題と変奏)
新年最初に聴きたくなったのは、なぜかブリテンのピアノ協奏曲。
2013年にブリテンの生誕100周年のメモリアルイヤーを迎えたときは、さほど盛り上がらなかったようだけど、私の最も好きな現代の作曲家の一人。
オペラや戦争レクイエムが有名なブリテンが書いたピアノ作品は、2つのピアノ協奏曲にアルバム1枚分ほどの独奏曲・合奏曲。
作品数は少ないけれど、才気煥発なブリテンらしい個性的で現代的なセンスを感じさせるものばかり。

2つのピアノ協奏曲は、両手と左手だけのコンチェルトが1曲づつ。
それぞれブリテンが指揮した録音がある。両手の《ピアノ協奏曲》はリヒテル、《左手のピアノと管弦楽のための主題と変奏(略称は「ディヴァージョンズ」》はカッチェンがソリスト。
この2曲を一緒にした収録した国内盤CDは廃盤。今のところすぐに入手できる音源は、BOXセットの『ブリテン・コンダクツ・ブリテン Vol.4』。

みその料理帳<br />みその料理帳
(2013/3)
瀬尾 幸子



《ピアノ協奏曲ニ長調 Op.13》は組曲風で、躍動的なToccata、密やかなワルツ、瞑想的なImpromptu、力強く華麗なMarchの4楽章構成。

《ディヴァージョンズ Op 21》は、ラヴェルの《左手のピアノ協奏曲》のように厳かな雰囲気のThemeを元に、Recitative,Romance,March,Arabesque,Chant,Nocturne,Badinerie,Burlesque,Toccata,ToccataII,Cadenza,Adagio,Finaleと、形式と曲想が多彩な変奏が次々と展開する。
歌うように華麗なピアノソロのRecitative、ファンタスティックで繊細で流麗な旋律が美しいArabesqueとNocturne、祝典曲のように華やかなToccataなど、標題に応じた曲想の変奏はどれを聴いても魅力的。
ピアノは左手一本でシンプルな旋律を弾いているのに、旋律の表情も響きも多彩に変化していくところに、ブリテンの才気が煌いている。
私の好みとしては、《ピアノ協奏曲》よりも《ディヴァージョンズ》の方がずっと面白く聴ける。
2つの協奏曲はどちらも、クールな高揚感と爽やかな開放感に品の良い華やかさを感じるせいか、新年最初に聴くのに思いのほか似合っていた。


Sviatoslav Richter - Britten - Piano Concerto No 1 - Svetlanov

ブリテン指揮のスタジオ録音がなかったので、これは1967年のライブ音源。



Britten, Diversions for piano and orchestra, op 21, Julius Katchen, piano

1954年のモノラル録音なので、音質が古めかしいのがちょっと残念。



2曲とも音質(と演奏)の良い録音で聴くなら、スティーヴン・オズボーンのブリテン作品集(hyperion盤)。

Britten:Piano Concerto Op.13, Diversions Op.21, Young ApolloBritten:Piano Concerto Op.13, Diversions Op.21, Young Apollo
(2008/9/9)
Steven Osborne

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<過去記事>
リヒテル&ブリテン指揮イギリス室内管 ~ ブリテン/ピアノ協奏曲"
《The Art of Julius Katchen》より ~ ブリテン/ディヴァージョンズ <左手のピアノと管弦楽のための主題と変奏>

tag : ブリテン カッチェン リヒテル

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(非公開コメント受付中)

こんにちは。

ブリテンは私も好きな作曲家です。一般的には「青少年のための管弦楽入門」が一番有名かと思いますが、ピアノ協奏曲やヴァイオリン協奏曲も面白いですし、戦争レクイエムは20世紀のあらゆる音楽の中でも最高傑作ではないか?と思っています。自作自演の録音も素晴らしい。後世に語り継がれるべき遺産だと思います。

左手~はまだ聴いてないのですが、これも面白そうな曲ですね。ピアノ曲はメジャーな演奏家の録音が少ないようですが、ハフの「5 Classics Albums」に入っているようですね。Hyperionから出ているハフのCDはお値段が高くてなかなか手が出ないのですが、これはワーナーからの発売で価格もお手頃だし、買ってしまおうかな?
ただ、ブラームスの2番はイマイチなのですね。ブラームスとハフ両方がお好きなyoshimiさんの評ですので、信頼できますね。うーむ。

あと、私はブリテン本人のピアノが好きなんです。テクニック的にはそこまで強さは感じないのですが、非常に音楽的というか、歌のセンスを感じます。連弾や伴奏の録音は残っていますが、ソロの録音は無いんでしょうかね?今後、発掘されることに期待しています。
 
かかど様、こんにちは。

ブリテンがお好き...という方のコメントは珍しいですね。
私が聴くのは、管弦楽曲、ピアノ曲・協奏曲、歌曲ですが、ヴァイオリン協奏曲は、ツィンマーマンのCDを持っていたはずですので、聴いてみようと思います。
「戦争レクイエム」は冒頭少しだけ聴いたことがあります。
録音にまつわる経緯がカルショーの著書『レコードはまっすぐに』に載っていましたが、ロシア人のソリストを加えることではかなり苦労したようですね。

ハフのソロ録音は分売盤で持っていますが、「5 Classics Albums」にも入っていますね。
現代的なセンスが光る洒落たアルバムです。
最初はハフが弾いているとは知らずに聴いていたのですが、どうやらハフとは元々縁があったようです。

旧盤(Virgin)の「ブラームスの2番」は、”素晴らしい”というレビューを見た覚えもありますので、好みは人それぞれですね。
amazonのレビューが1つありますが、この方のレビューは、このCDに限らず的確な批評だと思っていますので、よく参考にしています。
http://www.amazon.co.jp/dp/B000T90ZBG
それに、ハフの本拠地英国のamazonでは、hyperion盤のレビューの方がはるかに高いです。

作曲家のピアノ演奏というと、高橋悠治やレヴィナスなどの録音を聴いたことがありますが、独特の解釈が面白いですね。
ブリテンの自作自演の音源があれば、聴いてみたいものです。
専業ピアニストとはまた違った演奏が聴けそうな気がします。
2016年 新年を迎えて
yoshimiさま

あけましておめでとうございます。今年も良い年になりますように。
ところで 年明けにCDを聴かれたのですね。ベンジャミン・ブリテンのリヒテル、カッチェンの両ピアニストによる2作品ーずいぶん凝った選曲ですね。
リヒテルのピアノ協奏曲は全く知りませんでしたが、ディヴァージョンズの方は カッチェンとのつながりから、モノラルLPを聴きました。名演とされていることから これを機にじっくりと聴いてみたいと思います。
現代曲は メシアンもそうですが、全くといっていいほど馴染みがなく、とてもコメントできる域に達しておりません。どうしても 古典派からロマン派、フランス印象派の作品に目が向いてしまいます。
例えば最近では、カッチェンについていえば、彼が20代初めに録音したショパンの二曲(モノラル)を取り出して、最初の弾き方と比較しながら聴きました。
Chopin: piano sonata No.2 " Funeral March"
piano sonata No.3
( Decca LXT5093)

先ず、ソナタ2番を聴くと、何かとてつもなく重い感じで、どこかブラームス作品に通じるような、クラシックな弾き方をしているように思います。軽快なタッチで装飾音符を奏でる今風の奏法とは随分と違います。別な考え方をすると、この差が面白いのかもしれません。もともとカッチェンのメトードは打鍵に違いがあるのでしょうか?

ソナタ2番の終わり近くに同じテーマが繰り返される箇所があります。深遠な弱音が今にも消滅するかの如く、よくコントロールされ印象的です。そして一転して、ハイスピードで終結に向うのですが、カッチェンらしいメリハリの効いた演奏になっています。
 
youai様、新年おめでとうございます。

カッチェンは、現代の作曲家の録音も多いですね。
有名なバルトーク、プロコフィエフ、ラヴェル、ガーシュウィンだけでなく、友人のローレムのピアノ・ソナタを録音・ピアノ協奏曲を初演したり、ハチャトリアンのピアノ協奏曲もレパートリーにしていました。

ショパンは好きな作曲家ではなく、CDも滅多に聴きませんので、書けることはあまりないのですが、若い頃に限らず、後年のライブ録音を聴いても、カッチェンのショパンは粒立ち良い明瞭な打鍵に重たく線も太い音質で、ソナタに限らず、バラードに夜想曲でさえ(やや粘着的な)ブラームスのように聴こえます。

ブラームス風に弾いたショパンも変わっていて面白いとは思いますが、奏法としてはショパンとブラームスを同じようなタッチでは弾かないものです。
少なくとも、ショパン向きのタッチをもった人ではなかったように思います。

カッチェンの録音に関していろいろと分析されていらっしゃるようですので、ご自分のブログにも書かれると良いのではないでしょうか。
コメント欄では読む人も限られていますし、ブログならより多く人にカッチェンの録音のことを知ってもらうことができるように思います。
シューマンのピアノ協奏曲op.54 by J.Katchena
yoshimiさま こんにちは

先日は、ご返事いただきありがとうございました。カッチェンのショパン演奏、納得いたしました。昔のスタイルでは、あのように弾く人もいたと思えば理解できますし、かえって珍重盤として貴重かもしれません。

ところで、yoshimiさんご指摘の現代曲ですが、バルトーク プロコフィエフ ラヴェル ガーシュイン ローレム ブリテンあたりまでは存じております。しかしハチャトリアンがカッチェンのレパートリーに入っていたことは、今回初めて知りました。
さて、今回コメントをお送りした機会に是非お伺いしたいことがあります。それは、'" シューマン ピアノ協奏曲op54 カッチェン/IPO/ケルテス(英デッカSXL6028)1962"についてです。知りたい点は、カッチェンの演奏、ケルテス/IPOとのコンビネーション等トータル的に判断した評価です。この協奏曲の録音時はカッチェンは36歳ですし、円熟期に入ろうとする時期でした。ソリストの外面的な技巧だけを発揮するのではなく、形式、内容の点でファンタスティックな表現がなされているものと思います。

私自身、シューマンのピアノ協奏曲のレコードは時々聴くのですが、複雑な感じがして、ベートーヴェンやブラームスのピアノ協奏曲を聴き終わった時の爽快感とは少し違うようです。
  
youai様、こんにちは。

「形式、内容の点でファンタスティックな表現」という意味がよくわかりませんが、作品自体の形式・内容については一般的な作品解説をお読みください。
カッチェンの演奏に関しては、過去に記事を書いていますので、そちらの記事をご覧くださいますようお願い致します。

シューマンは、ブラームスやベートーヴェンとは作風が異なりますので、印象も違うはずです。
リパッティなどの名盤がいくつもありますし、独奏曲ならシューマンの作風もわかりやすいと思いますので、それらの録音もお聴きになられてみてはいかかでしょうか?

また、私はブログでプロの演奏家の録音を「評価」しているつもりは全くありません。
単に自分が受けた印象や感想を書いているだけですので、私の「評価」など気になさらずに、ご自身が感じられたままをお信じになられれば良いように存じます。
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Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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