カヴァコス&パーチェ 『ヴィルトゥオーソ~ヴァイオリン小品集』 

2016, 04. 15 (Fri) 12:00

早速届いたカヴァコスの新譜『ヴィルトゥオーソ~ヴァイオリン小品集』。

 Virtuoso Virtuoso
(2016/4/8)
Leonidas Kavakos 、 Enrico Pace

試聴ファイル
 
<収録曲>
1. 「ペトルーシュカ」~ロシアの踊り(ストラヴィンスキー)
2.  ロシアの歌(ストラヴィンスキー)
3. バスク奇想曲(サラサーテ)
4. アンダルシアのロマンス(サラサーテ)
5. アルハンブラの思い出(タレガ)
6. 「三角帽子」~粉屋の踊り(ファリャ)
7. 「うつろな心」による序奏と変奏曲(パガニーニ)
8. カプリッチョ・ワルツ(ヴィエニャフスキ)
9. 「ばらの騎士」~ワルツ(R.シュトラウス)
10. 「ハンガリー牧歌」~ジプシー・アンダンテ(ドホナーニ)
11. Reveille(ブリテン)
12. 気紛れな女(エルガー)
13. 「6つの小品」~感傷的なワルツ(チャイコフスキー)
14. 「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」による変奏曲(パガニーニ)
15. ユモレスク(ドヴォルザーク)
16. 伝説(ヴィエニャフスキ)(ダウンロード版のみ収録)

amazonやitunestoreのダウンロード版には、16曲目”Wieniawski: Légende, Op.17”が追加されている。
Youtubeにあるオイストラフの演奏を聴いてみるとかなり好きな曲だったので、amazonでダウンロードしたけれど、CDの方が価格は高いのだから、CDにもこの曲を入れておいて欲しかった。
でも、演奏時間が7分以上あるのでCD1枚分に入りきらないだろうから、物理的に無理なら仕方ない。

                         

ヴァイオリン曲はポピュラーな超有名曲くらいしか知らないので、このアルバムは初めて聴く曲がほとんど。どんな曲なのだろう?と聴く楽しみが多い。
収録曲には、ロシア、アンダルシア、バスク、アルハンブラ、ハンガリー、イギリスと、いろんな国・地方の曲が入って、バラエティ豊か。
元々ロシア&ラテン音楽と舞曲とは、あまり相性が良くないので、前半の選曲は好みと違う曲が並んでいる。それでも、何度か聴くと耳が慣れたせいか、どの曲も結構楽しめる。
冒頭のストラヴィンスキー《ペトルーシュカ》は、(ピアノ独奏版でも)好きというわけではないとしても、曲自体は面白い。
サラサーテの《バスク奇想曲》《アンダルシアのロマンス》とファリャの《粉屋の踊り》はわりと好きかも。
特に《粉屋の踊り》(原曲はギター)は、ピアノの響きがファンタスティック。

ヴィエニャフスキの《カプリッチョ・ワルツ》以降は、好きなタイプの曲が多い。
《カプリッチョ・ワルツ》は、ウェーバーの《舞踏への勧誘》の冒頭のように、踊りに誘うような優美な旋律で始まる。
ドホナーニの作品は、ピアノ&オーケストラ版の《童謡の主題による変奏曲》を一度聴いたことがあるのみ。《ジプシー・アンダンテ》は波がさざめくようなトレモロとアルペジオのピアノ伴奏がとっても綺麗。

このアルバムの中で異色なのが、現代的な作風のブリテン《Reveille》
劇伴音楽の編曲版かと思っていたら、ブリテンが23歳の時に書いた”concert study for violin with piano accompaniment”という曲だった。
ゆったりとしたテンポと消え入るような弱音で鬱々と暗い。
蚊の羽音みたいにキリキリしたヴァイオリンとポロンポロンと和音がまばらに散るピアノは、ピアニッシモよりもさらに弱く、今にも消えそうに囁く。なぜか最後だけ(落語のオチみたいに)長調に転調して賑やか。

苦手のチャイコフスキーの《感傷的なワルツ》は、ゆったりと物憂げ。カヴァコスの演奏はベタベタと情念過剰なところがないので、こういうチャイコフスキーなら好き。
パガニーニの《「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」による変奏曲》は、ベートーヴェンの同名の変奏曲と同じく、気分が高揚するようなヴァイタリティ溢れる曲。
ラストの《ユモレスク》は、弾むような躍動感のあるスークの演奏と比べると、ゆったりまったり。
”おつかれさま”とか”おやすみなさい”と語りかけているみたい。アルバムのエンディングによく似合う。
ヴィエニャフスキの《伝説》は、短いソナタ風の構成で、少し靄がかかったような暗い響きのピアノの序奏は”伝説”の幕開けみたい。中間部はリズミカルなピアノの伴奏にバックにしたヴァイオリンの旋律が爽やか。

結局、特に気に入ったのは、《カプリッチョ・ワルツ》、《Reveille》、《感傷的なワルツ》、《「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」による変奏曲》、《ユモレスク》、《伝説》。このなかでは、《伝説》が一番好きかも。
《バスク奇想曲》、《アンダルシアのロマンス》や《ジプシー・アンダンテ》も結構好きだし、これだけ気に入った曲と演奏があれば、このアルバムを買って◎。


Kavakos - Virtuoso  (caprice basque, op.24)

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2 Comments

芳野達司  

カヴァコス。

まだ聴いたことはありませんが、髪型がいいですね。

2016/04/16 (Sat) 14:18 | EDIT | REPLY |   

yoshimi  

アルチザン風

芳野様、こんにちは。

カヴァコスのヘアスタイルは、デビュー時のおじさん風→青年風→芸術家風と変化してます。
ショートカットの青年風も好きですが、今の長髪もかっこいいですね。

2016/04/16 (Sat) 18:55 | EDIT | REPLY |   

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