カッチェン ~ ドホナーニ/童謡の主題による変奏曲

カヴァコスの新譜にエルンスト・フォン・ドホナーニの曲(ジプシー・アンダンテ)が収録されていたので思い出したのが、ドホナーニのピアノ&管弦楽曲《童謡の主題による変奏曲》。
この曲はカッチェンの録音で一度聴いただけ。覚えているのは、”ドドソソララソ~、ファファミミレレド~”とすぐ浮かんでくる「きらきら星」の主題が使われていることくらい。
カッチェンは、この変奏曲を1954年(モノラル録音)、1959年(スタジオ録音)の2回録音している。指揮・オケは両方とも、ボールト指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 。

《童謡主題による変奏曲 ハ長調 Op.25》は、序奏、主題、第1変奏~第11変奏、フィナーレ(フガート)で構成。
改めて聴き直してみると、有名なモーツァルトの《きらきら星変奏曲》とはかなり違った面白さがある。
冒頭の暗雲垂れ込めるようなドラマティックな序奏は、マーラーの「巨人」か、スペクタクル映画か?という趣き。
この長~い序奏に続いて登場するのが、ピアノが奏でるとっても可愛い「きらきら星」の主題。
この壮大な序奏と愛らしい主題のアンバランスさに、ガクっと気が抜けてしまった。
始めの方の変奏では、”きらきら星”の主題が聴き取れるけれど、変奏が進むに連れて、主題との関連性がだんだんわからなくなる。
印象的なメロディアスな旋律とか盛り上がりがあまり多くないせいか、曲が長く感じないでもない。
でも、個々の変奏はそれぞれ面白いし、変奏ごとに変化するピアノの表情とソノリティの多彩さ、パッセージワークの鮮やかさで、繰り返し聴いても結構楽しめる。

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番、パガニーニの主題による狂詩曲ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番、パガニーニの主題による狂詩曲
(2013/5/15))
カッチェン(ジュリアス), ショルティ(サー・ゲオルグ), ボールト(サー・エイドリアン)、ロンドン交響楽団, ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

試聴ファイル
スタイリッシュなジャケットデザインが素敵。
ラフマノニフの有名な2曲とのカップリングとして、なぜ《童謡の主題による変奏曲》を録音したのだろう?
調べてみると、この曲は意外に録音が多くて、アール・ワイルド、シェリー、コチシュなど10種類くらい。

よく知らない上に演奏時間の長い変奏曲を聴くときは、楽譜を見ながら一度聴くと、変奏の構成が視覚的にわかるせいか、曲のつかみどころのなさが消える。
IMSLPにある楽譜は、スコアと2台のピアノ版(Hodula編曲)。(クリックするとPDFのダウンロードが始まります)

2台のピアノ版の楽譜を見ると、変奏がアタッカでつながっていたり、後ろの方の変奏がやけに長い。
耳で聴いているだけだと、快速テンポでスラスラ滑らかに弾いていてそんなに難しそうには聴こえないのだけど、楽譜を見るとトレモロなどの重音のスケールだったりする。
こんなに速く滑らかに弾けるのは、右手と左手に振り分けて弾いているから?

Dohnanyi Variations on a Nursery Song 1.wmv


0:00 序奏
3:48 主題 ピアノが弾く「きらきら星」の主題。
4:50 第1変奏 鍵盤の上を弾むように転がっていくように軽快なピアノ。終盤のグリッサンドが綺麗。
5:23 第2変奏 オケ伴奏は行進曲風?。対照的に軽快なピアノは第1変奏に似ている。
5:58 第3変奏 優雅なアルペジオがとてもムーディなワルツ風。
7:36 第4変奏 どこか間が抜けたように、ちょっとユーモラス。


Dohnany Variations on a Nursery Song 2.wmv


0:00 第5変奏 鐘の音をバックに、3度和音のトレモロが続くピアノはオルゴールみたいな響き。ちょこまかと楽しそうでとても可愛い。
1:04 第6変奏 ”Ancora Piu mosso”なので、さらにスピードアップ。3度和音と単音が交互に並んたスケールやトレモロで高速移動。指がこんがらがりそう。
1:46 第7変奏/Walzer 第3変奏に似た優雅で華やかなワルツ。
4:00 第8変奏/Alla marcia 行進曲風。それほど勇壮でも厳しくもなく。
5:34 第9変奏 これも行進曲風。オケとピアノの飛び跳ねるようなパッセージが交錯して、ちょっとサーカス風?で面白い。
7:22 第10変奏/Passacaglia 今までの変奏とかなり曲想が変わり、映画音楽みたいにドラマティックで、悲愴感と哀感漂う叙情的な変奏。
11:19 第11変奏/ Choral  「きらきら星」の主題を回想する荘重なオケと、星がキラキラと瞬くような響きのピアノ。
12:51 フィナーレ/Finale fugato オケとピアノが追いかけっこをしているように軽快。鍵盤上を駆け回るピアノが鮮やか。

タグ:ドホナーニ カッチェン

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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
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