2016_04
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(Sat)12:00

【新譜情報】マルクス・ベッカー 『レーガー/ピアノ作品全集』 

今年はマックス・レーガーの没後100年にあたるメモリアルイヤー。
長らく廃盤になっていたマルクス・ベッカーの『レーガー/ピアノ作品全集』が、廉価盤で再発売される。
原盤はThorofon。この廉価盤はNCAのライセンス盤で、12枚組が3000円~3500円くらいとお買い得盤なので、発売後に購入予定。
43歳の若さで早世したにしては、CD12枚分のピアノ独奏曲を残したのは、さすがに多作家のレーガー。
曲数が多い上に、似たような様式・曲想の曲がたくさんあるので、代表作や旋律が有名な曲を除けば、じっくり聴きこんでいかないと、どれがどの曲なのかわからなくなる。

レーガー:ピアノ作品全集(12CD)レーガー:ピアノ作品全集(12CD)
(2016年05月31日発売予定)
マルクス・ベッカー

試聴ファイル(amazon) 
(1995-2000年:デジタル録音)
amazonでも販売中

マルクス・ベッカーは、レーガー弾きとして有名なピアニスト。
hyperionにも『レーガー:バッハ編曲集』(J.S.Bach: Piano Transcriptions Vol.7)を録音している。
編曲作品は、↑の『ピアノ作品全集』(Thorofon盤)には未収録。
ブゾーニやリストなどの編曲版より、さらに和声が重厚なのがレーガーらしいところ。

Bach Piano TranscriptionsBach Piano Transcriptions
(2009/06/09)
Markus Becker

試聴する(Hyperionウェブサイト)



レーガーのピアノ曲で一番有名なのは、たぶん《J.S.バッハの主題による変奏曲とフーガ ロ短調 Op.81》。重厚・長大・難渋な曲の代名詞みたいな曲。
でも、その他のピアノ作品は、数曲の変奏曲を除けば、短い曲を集めた曲集が大半。
ブラームスを髣髴させる曲が多く、ブラームスよりさらに音の密度が高く、和声も重厚で、量感がずっしり。
(少なくともベッカーの演奏では)陰影や情感がブラームスよりは少し薄い感じはする。


ベッカー歌曲のなかでも有名な《マリアの子守歌/Mariä Wiegenlied》のピアノ独奏版。
この旋律はもともとはドイツの古いクリスマスソングなのだそう。
どこかで聴いたことがある旋律だと思ったら、ブラームスの《2つの歌曲/Zwei Gesänge Op.91》の2曲目「聖なる子守歌/Geistliches Wiegenlied」だった。

Mariä Wiegenlied, Nr 5, op 76




レーガー版「きよしこの夜」。
Izumi Watanabe Reger Weihnachtstraum レーガー クリスマスの夢 渡辺泉
Weihnachtstraum(Christmas Dream) Op.17 No.9




ブラームス風の重厚な《6つのインテルメッツォ Op.45》。
ブラームスでは聴けないようなレーガー独特の和声の響きが、情感に覆いかぶさっているような感覚。
和声に調和・安定感を感じるブラームスとは違って、レーガーの和声にはなぜか揺らぐような不安定感を感じる。
作品番号が若いOp.17とかOp.24では、和声はそれほど重厚ではなく、響きがすっきりとして、情感も爽やかで若々しさもある。
作曲年が後年になるにつれて、和声の厚みが増し、レーガー独特の響きが全面に現れて、重厚さが増してくる。

Max Reger - 6 Intermezzi Op. 45



モーツァルトの有名な《ピアノソナタ第11番「トルコ行進曲付き」》から第1楽章の主題に基づいた変奏曲《モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ》。
この変奏曲には、管弦楽曲版と、それを編曲した2台のピアノ版、連弾版の3種類ある。
モーツァルトの軽やかで可愛らしい主題も、重厚な和声と多彩な変奏に使われると、(バッハの変奏曲ほどではないとしても)重厚長大な変奏曲に変身。

Reger - Variations and Fugue on a Theme of Mozart, Op. 132a (2台のピアノ版)


<過去記事>
マルクス・ベッカー ~ バッハ=レーガー/ピアノ・トランスクリプション集
ベッカー ~ レーガー/ピアノ小品集

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