【新譜情報】ジョフロワ・クトー 『ブラームス/ピアノ独奏曲全集』 

2016, 06. 07 (Tue) 12:00

2005年ブラームス国際コンクールで優勝したジョフロワ・クトーの『ブラームス:ピアノ独奏作品全集』。
HMVの新譜情報に書かれていた”ブラームス国際コンクールで優勝”というところに興味を惹かれて、早速試聴。

カッチェンのブラームスを聴き慣れているせいか、クトーのブラームスは、線が細くて鋭さのある音で、軽めの音質なので、量感・力感が少し弱い気がする。
陰翳は薄めで、弱音の音色が柔らかいせいか、Op.118-2やOp.119-1の冒頭はちょっと弱々しい感じがするので、印象としては”ナイーブ”なブラームス。

「ハンガリー舞曲集」のピアノ独奏版(No.1~No.10)が収録されているのが珍しい。(No.11以降の連弾版はなし)
こちらも東欧的な民俗色やほの暗さが薄めで、叙情感はあっさり。
量感・力感と勢いがそれほど強くないせいか、私にはこの曲集を「ピアノソロで弾く凄さ」があまり感じられなかった。

好きな曲だけ試聴した限りでは、どちらかというと、陰翳の濃い後期の曲よりも、若い頃の作品(「スケルツォ」や「4つのバラード」など)、明るく軽快な「ヘンデルバリエーション」とかの方が、若々しいストレートで繊細な情感が似合っているような気がする。
新譜なので6枚組5000円くらいするし、試聴した感触からして、購入するには至らず。

Brahms: Complete Solo Piano WorksBrahms: Complete Solo Piano Works
2016/3/18
Geoffroy Couteau

試聴ファイル


<CDレビュー>
ジョフロワ・クトー(伊熊よし子のブログ、2016.09.03)

タグ:ブラームス クトー

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2 Comments

かかど  

こんにちは。

クトーというピアニストは知りませんでしたが、調べてみると1979年生まれということなのでかなりの若手ですね。ブラームス国際コンクールで優勝しているということですので、ブラームスの音楽に対する愛着が強いのかな?と思います。しかし、ハンガリー舞曲集も収録されているのですね。確かレーゼルとオピッツの全集には入っていなかった記憶があります。

ブラームスのピアノ曲は全般的にもっと円熟したピアニストの方が向いている気がしますが、全集となるとパガバリの録音が避けて通れませんので、それがネックなのかもしれませんね。この曲は体力がある若いピアニストの方が断然有利だと思います。ただ個人的な好みを言うと、後期のピアノ曲は若くて勢いがあるピアニストより、ベテランのピアニストの演奏の方が霊感?のようなものが感じられて好きです。アラウやブレンデルあたりの録音も聴いてみたかったですね。確認してみると、私のお気に入りのルプーは1970年代の録音のようですので、意外と若かったようですが。

ブラームスのピアノ曲は一般的にさほどポピュラーではありませんので、全集のラインナップが増えたのは喜ばしいことかな、とは思います。

2016/06/08 (Wed) 07:11 | REPLY |   

yoshimi  

 

かかど様、こんばんは。

ブラームス国際コンクールは、チェロ部門が定評があるようです。
ピアノ部門は2016年は開催されず、2015年ファイナルの課題は協奏曲ではなく独奏曲(組曲・ソナタから抜粋でもOK)なのが珍しいです。
それに、(ピアノ部門の)演奏時間が最長35分なので、ブラームスのコンチェルトを弾くのはムリですね。
でも、ヴァイオリンとチェロの課題曲は協奏曲(ブラームスまたは他の作曲家)なのに...。

ハンガリー舞曲集のソロバージョンが入った全集は、カッチェンとビレットだけだったと思います。(探せば他にもあるかも)
最近の若手なら、パガニーニ変奏曲でも技巧的にはさほど苦労せずに弾ける人も多いでしょう。
全集版でなくとも良い演奏はいくつもありますし、個人的には好きな曲ではないので、全集の演奏の出来は気になりません。
高齢のピアニストの演奏なら、ケンプのブラームスが渋くて枯れた味わいがありますね。

2016/06/08 (Wed) 23:28 | EDIT | REPLY |   

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