”鳥”をモチーフにしたピアノ曲 

2016, 07. 19 (Tue) 12:00

この暑い最中に聴いていたも、わりと涼しげに感じるのは、鳥をモチーフにしたピアノ曲。
私の持っている録音のなかには、鳥がらみの曲で有名なのがいくつかある。

シューマン《森の情景》の「予言の鳥/Vogel Als Prophet」は、
《子供の情景》や《幻想小曲集》と違って、《森の情景》は印象に残る曲がほとんどない。
唯一好きなのは、他の曲とは全然曲想が違って、神秘的な雰囲気が漂う「予言の鳥」。この曲だけ録音しているピアニストも多い。
初めて聴いたのはカッチェンのライブ録音。静けさと神秘性が漂う弱音の響きがとても気に入ったのだった。

Schumann Waldszenen, Op 82 7 Vogel Als Prophet




ラヴェル《鏡》の「悲しげな鳥たち/Oiseaux tristes」
硬質で冷たい響きと静けさに、シューマンの「予言の鳥」とは一味違った幻想性が漂う。

Ravel: Oiseaux tristes [Miroirs, II] (Louis Lortie)




リストの《伝説》なら、ケンプが1950年代に録音した第2曲「波の上を渡るパオラの聖フランシスコ」ばかり聴いていた。
第1曲の「小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ/St.Françios d'Assise, la prédication aux oiseaux」の方は、曲名のような情景が浮かんでくるような曲。
フェルツマンの色彩感がカラフルな美しいピアノの響きが、小鳥のさえずりみたいに良く映える。

Franz Liszt, Saint François d'Assise- La Prédication aux oiseaux, Giotto et d'autres




グリーグ《抒情小品集》の「小さな鳥/Little Bird」
Grieg Lyric Pieces Book III, Op.43 - 4. Little bird (Håkon Austbø)
《抒情小品集》には、おとぎ話や童話の世界の情景が浮かんでくる曲が多い。
「小さな鳥」はちょっとユーモラス。





ヤナーチェク《草陰の小径にて》第一集の「ふくろうは飛び去らなかった/The Barn Owl Has Not Flown Away!」
鳥をモチーフにした曲は、鳴き声を模したものが多いけれど、この曲にはそういうところはない。
チェコではフクロウは“災害”の象徴だという。
冒頭の漠然とした不安感を感じさせるフレーズが、穏やかな旋律を断ち切るかのように突然現われるところが、「ふくろう(=災厄)は飛び去らなかった」という曲名を表現しているように思える。

Leos Janacek, X. The Barn Owl Has Not Flown Away!




サン=サーンス《動物の謝肉祭》で全曲聴いたのは、カッチェン&グラフマンが2台のピアノを弾いている管弦楽曲版のみ。
ピアノ独奏版ならゴドフスキー編曲「白鳥」が有名。(スティーヴン・ハフが『The Piano Album』に録音している)

Saint-Saëns-Godowsky: Le Cygne [The Swan] (for Piano only)




ピアニストのアール・ワイルドがピアノ独奏用に編曲したチャイコフスキー《白鳥の湖》の”四羽の白鳥たちの踊り”
管弦楽版とは全然雰囲気が違うけれど、可愛らしい4羽の白鳥が遊んでいるような、キラキラと輝くような響きのパッセージが鮮やか。

Tchaikovsky/Wild - Dance of the Four Swans




メシアンは「鳥」をモチーフにしたピアノ曲をたくさん書いている。似たような旋律の曲が多くて、どれがどの曲がわからなくなってくる。
《鳥のカタログ》の中では、一番長大で有名な「ニワムシクイ/ La Fauvette des Jardis」

Messiaen: La Fauvette des Jardis



<参考情報>
五線譜に舞い降りた鳥たち ~ ピアノ・フルート・歌の演奏会 ~[楽譜の風景]


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