”水”をモチーフにしたピアノ曲 

2016, 08. 12 (Fri) 12:00

”鳥”に続いて、夏によく似合う”水”をモチーフにしたピアノ曲。
すぐに思い浮かぶのは、有名な印象主義のドビュッシー《水の反映》とラヴェル《水の戯れ》。

個人的な好みとしては、水の動きを写実的に表現したように感じる《水の反映/Reflets dans l'eau》よりも、物語的なストーリー性を感じる《水の戯れ/Jeux d'eau》の方がダイナミックで面白い。
それに、時々東洋風な響きがする《水の戯れ》は、かなり好きなドビュッシーの「雨の庭」(《版画》第3曲)に、音の動きや和声がちょっと似ているところがあったりする。

Arturo Michelangeli - Debussy Reflets dans l'eau


ラヴェル/水の戯れ (ミッシェル・ベロフ)




ラヴェルもドビュッシーも”Ondine”’(水の精)という同名の曲を書いている。
ラヴェルの「オンディーヌ」は《夜のガスパール》第1曲で、アルペジオが水の流れのように絶えることなく、水と一体化したような無生物的でファンタスティックな妖精の美しさ。
ドビュッシーの「オンディーヌ」は、《前奏曲集第2巻》第8曲。ラヴェルに比べると、こちらはパックみたいに、実体のある妖精風というか、ラヴェルよりは感情的なものを帯びているように感じる。

Pogorelich plays Ravel: Gaspard de la nuit (Ondine - Le Gibet - Scarbo)


Jean-Rodolphe Kars plays Debussy Ondine



印象主義を先取りしたようなリストの「エステ荘の噴水」(《巡礼の年 第3年(S.163)》。
ドビュッシーとラヴェルよりも、水の動きのなかにロマンティックな情感がこもっている。
硬質でシャープで線の細めのなハフの音色は、クリアでくっきりとした造形感があり、高音のきらめくような高音がとても綺麗。

Stephen Hough plays Liszt's Les jeux d'eau à la Villa d'Este



”水”にまつわる曲で最も好きなのは、リストの《伝説》の第1曲「波の上を渡るパオラの聖フランシスコ」
この曲なら、1950年代にケンプのモノラル録音した演奏が崇高で神々しく、劇的な高揚感に満ちて感動的。

Kempff plays Liszt - Deux légendes, S. 175; No. 2; St. François de Paule marchant sur les flots



リストが編曲したシューベルトの歌曲《水の上で歌う》

Evgeny Kissin Schubert Liszt Auf dem wasser zu singen




《水の戯れ》とちょっと似ているような気がするドビュッシー《版画》の第3曲「雨の庭」
庭園に降り注ぐ雨の様子の変化がダイナミックで物語的。

Paul Jacobs plays Debussy Jardins sous la pluie




ショパンなら、前奏曲《雨だれ》が有名だろうけど(この曲は全然好きではなくて)、《練習曲集Op.25》第12番 「大洋」は、広大な海を想像させるダイナミックな迫力とスケール感が壮快。

Sokolov - Chopin Etudes Op.25 #12

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