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お米の消費量
【1人当たり米供給数量】

夏井医師のホームページに掲載されていた「日本人の米離れ」の記事。
「米の生産量は3割減なのに、人口はほとんど増えていない。コンビニおにぎりも定食屋も流行っているし、パックご飯の生産量が20倍に増えている。実際は一人あたりの米消費量はそれほど減っておらず、統計の取り方に問題があるのでは?」とコメントされていた。

このレベルの統計が間違っている...と言うのは腑に落ちないので、統計を調べてみた。
結果的には、統計が正しく、日本人の人口は「ほとんど増えていない」ということはなく、昭和35年度から平成22年度までの過去50年間で、約1.37倍に増加している。
一方で、米生産量の方は約3割減っているため、一人当たり米供給量は、50年間で114.9kg/年→59.5kg/年に半減している。

kome2.jpg

(出典)「米をめぐる状況について」(農林水産省、平成28年6月)


<統計値>
                     米生産量
  年度       総人口  (うち国内消費向け純食料)  1人当たり米供給数量
----------------------------------------------------------------------------------------
昭和35年(1960年)  93,419千人 12,858(10,738)千トン  114.9kg/年
平成22年(2010年) 128,057千人  8,554(7,620)千トン   59.5kg/年

※1人当たり供給数量:純食料を総人口で除したもの。(日量は年量を365日で除して、自分で計算した)
※純食料(精米):粗食料(玄米)[国内消費仕向量-(飼料用+種子用+加工用+減耗量)]に歩留まりを乗じたもの。
(出典)平成26年度食料需給表(農林水産省)「(参考)総人口及び年度中の日数」「品目別累年表(3-1 穀類 米 )」

手軽で予想外に美味しいパックご飯 20年間で生産量が10倍増[NEWSポストセブン]
パックご飯の生産量:1994年 約1万1千トン→2012年 約11万7千トン。今後も増加基調。
パックご飯というのは、自炊または店舗で購入する白ごはんが置き変わったり、防災用ストックが多いと思う。
パックご飯の生産量は、炊く前の白米ベースに換算すると(重量比約1/2)、日本の米供給量の1%足らず。増加率が高いといっても絶対量が少ないため、米消費全体への影響は(ほとんど)ない。



【1人当たり米供給数量の増減率】

1人当たり米供給数量の対前年比増減率を計算してグラフ化してみると、昭和38年度からマイナスに転じて、昭和41年度に減少率が最大になり、以降も減少幅を縮小しつつも、減少が続く。
平成6年度に減少率が突出したのは、前年度に記録的冷夏による米不足が起こったため。当時、タイ米を緊急輸入したものの、インディカ米のタイ米は、日本人が食べているジャポニカ米とは食感・味わいが全然違うので、かなり不評だった。(タイ米はカレーやピラフにすると、とっても美味しいのに)
平成19年度以降は、増加・減少を繰り返している。
個人差はあるとしても、年齢が高い人ほど一人あたり米消費量の減少幅が大きいので、長期間の減少率は高くなる。
消費量を比較する期間が短くなる(過去10年間とか5年間とか)につれ、もともと消費量が少ない世代の人が増えるので、消費量の減少も緩やかになって、最近では低位安定という感じ。
高齢になると食べる量が減るため、これからも1人あたりの米消費量が大きく回復するとはあまり考えられない。
高齢者が和食回帰するかというと、すでにパン・麺類を常食する食習慣が定着していると、年をとったからといってご飯を食べる頻度・量が増えるとは限らない。
それでも、ご飯はやはり主食であり続けると思うので、そのうち一人あたり消費量の落ち込みは底打ちして、安定するだろうけど。
それに、小麦の国際価格がまた高騰する可能性は充分あり、パンや麺類が値上がりする一方、お米に割安感が出れば、ご飯を食べる人が増えるかも。

rice.png


【食事内容と食料消費量の変化】

具体的な食事内容のモデルを見ると、食生活の変化が視覚的にもよくわかる。
e_004_b.gif

(出典)農林水産省ホームページ

参考データ:世界「コメをたくさん食べる国ランキング」が発表! 日本は1位……ではなく50位!! 1位はバングラデシュで1日あたりおにぎり10個以上食べるらしい[ロケットニュース24]

(年齢・性別・食習慣による違いはあるとして)昔は1日茶碗5杯食べていたご飯が、今では茶碗3倍。それ以外の食品は、野菜以外は増えて、食生活全体としては栄養状態が良くなっている。
※1日当たり米供給量:昭和35年315g → 平成22年163g。
※茶わん1杯のご飯150g=精米約65g。精米315g=茶碗約4.8杯、精米163g=茶碗約2.5杯。

この図には、なぜかパン・麺類が載っていない。ご飯が減った分が、パン・麺類に置き換わっている?
それに、鶏肉、お菓子、アルコールも載っていないし...。
現在の食生活で、1日ご飯3杯食べる人は少なくないとしても、牛乳が週4本、植物油が年9本(13.5kg)というのは、ちょっと多いような気がする。
たぶん牛乳には学校給食の分が入っているだろうし、てんぷらやフライに使う油が多いとしても、揚げ油は使用後廃棄する部分もあるので、すべて摂取しているわけではない。(廃棄分もデータに含まれているかどうかは不明)
それに、外食・テイクアウト・市販品など家庭外で調理した食品(フライ・てんぷら・お菓子類など)の消費量も入れれば、油の摂取量もこれくらい多いのかもしれない。


個人的には、食生活は昔と大きく変わっている。
1日3食主に米食(各食茶碗1杯) → 朝食がパン → 1日2食になり、ご飯は週に3回くらいで、毎回茶碗半分。
計算してみたら、米消費量は半減どころか、2割になっていた。
たまに米粉パンやごはんパンを食べているので、それに含まれているお米を加えれば、ちょっとだけ増えるけれど、大した違いはない。
でも、小麦で作ったパンばかり食べていると、どうも体の調子がよくない気がするので、そのうちお米を入れたパンやご飯を食べる量が増えるかもしれない。
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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
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