ステファン・ヘラー/ベートーヴェンの主題による33の変奏 Op.130 

2016, 09. 08 (Thu) 18:00

ベートーヴェンの《自作主題による32の変奏曲》の編曲版があるのかどうか調べてみたら、ベートーヴェンの弟子チェルニーに師事したこともあるハンガリーの作曲家ステファン・ヘラーが、《ベートーヴェンの主題による33の変奏 Op.130》という曲を書いていた。
当時、高く評価されていた作曲家だったヘラーは、有名な中級者向け練習曲以外にも多数の作品を書いている。
「熱情ソナタ」の第2楽章の主題をモチーフにした《ベートーヴェンの主題による21の変奏 Op.133》や、ベートーヴェン以外にも「魔弾の射手」による練習曲集とか、メンデルスゾーンやシューマンの作品をモチーフにした曲など。
現代ではヘラーの作品を弾く人はほとんどいないらしい。

ヘラー Heller, Stephen [ ハンガリー ] 1813 - 1888(ピティナの作曲家解説)


《ベートーヴェンの主題による33の変奏 Op.130》は、原曲のモチーフと嵐のように暗雲たれ込めるような雰囲気はある程度残っているけれど、変奏自体はロマン派風に凝って、メンデルスゾーン風だったり、時々硬派なショパン風(?)に聴こえる。
後半の変奏(↓の音源では2分くらいから)では、(同じハ短調の)交響曲第5番《運命》の主題旋律の一部が使われている。
全体的に旋律と和声は色彩豊かで華やかでパッショネイト。ロマンティシズム濃厚で原曲に劣らず素敵な編曲。

Heller - 33 variations for Piano - PUCHELT 1


Heller - 33 variations for Piano - PUCHELT 2



今ではほとんど演奏されることのない作曲家なので、この曲の録音はほとんどない。
すぐに見つけたのはペトロネル・マランのヘンスラー盤で、ベートーヴェンをモチーフにした編曲作品を集めている珍しい選曲。
マランは、バッハ・モーツァルト・ブラームスの作品を題材にした編曲集も録音している。
べートーヴェンの演奏では、シャープで力強いところは良いのだけど、速いパッセージで飛び跳ねるようなスタッカート気味のタッチがかなり気になる。好みの問題として、もう少し量感があった方がいい。

ベートーヴェン変容 (Transfigured Beethoven / Petronel Malan) ベートーヴェン変容 (Transfigured Beethoven / Petronel Malan)
(2014/11/18)
ペトロネル・マラン

試聴ファイル

<収録曲>
1. ヘラー:ベートーヴェンの主題による33の変奏曲 Op.130
2. ズガンバーティ:メヌエット(ベートーヴェンの弦楽三重奏曲 Op.3 に基づく)
3. カルクブレンナー:ベートーヴェンの名高いワルツによる幻想曲 Op.118
4. ザイス編曲:ドイツ舞曲集 WoO.8
5. ラフ編曲:ロマンス 第1番 ト長調 Op.40
6. タウジヒ編曲:弦楽四重奏曲 第7番「ラズモフスキー第1番」より アダージョ
7. 同編曲:同 第8番「ラズモフスキー 第2番」より スケルツォ
8. 同編曲:同 第9番「ラズモフスキー 第3番」より アンダンテ
9. 同編曲:同 第13番より カヴァティーナ
10. フリードマン編曲:エコセーズ WoO.83

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