2016_09
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(Mon)18:00

ペトロネル・マラン 『Transfigured Brahms』  

たまたま見つけたペトロネル・マランの 『Transfigured Brahms』。
副題は、"Brahms transcriptions by Dohnányi・Liebermann・Schütt・Bauer・Friedman・Stark"。
ブラームス作品をもとに編曲・パラフレーズしたピアノ独奏曲を集めたちょっと珍しい選曲。
原曲は知っている曲が多いので、原曲との違いがわかって面白い。

ブラームス/リーバーマン/シュット:ピアノ作品集(トランスフィギュアド・ブラームス)(マラン) ブラームス/リーバーマン/シュット:ピアノ作品集(トランスフィギュアド・ブラームス)(マラン)
(2014/11/18)
ペトロネル・マラン

試聴ファイル
<収録曲>
1. エルンスト・フォン・ドホナーニ編:ワルツ集 Op.39
2. ローウェル・リーバーマン編:『マゲローネのロマンス』~別れるべきなのか
3. リーバーマン編:ハープは鳴り響く Op.17-1
4. リーバーマン編:すみれに寄す Op.49-2
5. リーバーマン編:すばらしい夜 Op.59-6
6. エドゥアルド・シュット:ブラームスの子守歌によるパラフレーズ
7. シュット:ブラームスの『甲斐なきセレナード』によるパラフレーズ
8. バウアー編:コラール前奏曲『わが心の切なる喜び』 Op.112-4
9. バウアー編:コラール前奏曲『一輪のばらは咲きて』 Op.112-8
10. バウアー編:コラール前奏曲『わが心の切なる願い』 Op.112-10
11. ルートヴィヒ・シュタルク編:ハイドンの主題による変奏曲 Op.56a
12 イグナーツ・フリードマン編:ワルツ Op.39-15 and 2


原曲は知っていても、編曲版は聴いたことがないものが多い。
ドホナーニ編曲のワルツは、煌びやかなフレーズが挿入されて、素朴な趣きのある原曲よりは、ずいぶん華やかな。
でも、マランの演奏だと、(この曲に限らず)跳躍するときにツンツンとしたスタッカート気味になって、線が細くて量感がないので、舞曲といっても優美なワルツには、もう少し柔らかさと滑らかさが欲しい。

意外なことに、現代音楽の作曲家リーバーマンがブラームスの歌曲をピアノソロに編曲している。
歌曲を題材にしているせいか、アルペジオとかメカニカルなパッセージは入っているけれど、どの曲も”練習曲”風には聴こえない流麗な旋律が綺麗。

シュットの「ブラームスの子守歌によるパラフレーズ」は、素朴な原曲とは違って、込み入った展開とアルペジオを多用した華やかさが、ムード音楽みたいにロマンティック。

J. Brahms-E. Schutt Wiegenlied (Lullaby)



「コラール前奏曲集」はブゾーニ編曲版が有名で、バウアー編曲版があるのは知らなかった。
原曲自体が名曲なので、どちらの編曲でも心響くものがある。
特に好きな『わが心の切なる願い/Herzlich thut mich verlangen』 (Op.112-10)は、バウアー編曲版の演奏だと、全体的に弱音で弾いている部分が多くて、音量上げないと聴き取り難いし、メリハリが弱くてぼわ~とした感じ。
これは、マランの弱音のタッチが柔らかくて音も小さいし、テンポが遅くて引き摺ずり気味なので、好みを言うなら、もう少し滑らかな流れとリズム感がある方がいい。
『わが心の切なる願い』の編曲版なら、ポール・ジェイコブスの弾くブゾーニ編曲版の方が主旋律が明瞭で力強さがあり、切々とした心情がにじみ出ている。

Brahms / Busoni / Paul Jacobs, 1979: Herzlich thut mich verlangen (2nd version)



「ハイドンの主題による変奏曲 Op.56a」は、ブラームス自身が書いたOp.56bが2台のピアノ版のレパートリーとして有名。
シュタルクのピアノソロ編曲があるのは知らなかった。
原曲自体は何度かくらいのものでよく覚えていないけど、ピアノソロで聴くと、ところどころ思い出した。
マランのシャープでスタッカート気味のタッチだと、ピアノ1台で弾いているにしては、音がクリアに分離して立体感があり、結構シンフォニック。(でも、もう少し量感と重みのある方がいいけど)

シュタルク編曲版の音源がなかったので、ブラームス自身の2台のピアノ版のライブ映像。
Brahms, Variations on a theme by Haydn for two pianos, op. 56b



最後は《16のワルツ第15番》。”ブラームスのワルツ”といえば、この曲が一番有名。
こちらも音をいろいろ足しているようだけど、原曲の優美な雰囲気を壊さない素敵な編曲。
アルバムの選曲センスは良い思うけれど、マランの演奏(特にタッチ)だと好みと合わない曲がいくつかあるので、CDを買うかどうか思案中。
「ハイドンの主題による変奏曲」とワルツ・子守歌は、編曲自体かなり気に入っているので、結局CD買うかも...。

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