2016_09
23
(Fri)18:00

デュシャーブル ~ シューマン/幻想小曲集、トッカータ 

シューマンの《幻想小曲集》でしっかり覚えているのは、子供のころに練習したことがある「飛翔」だけ。
他の曲は聴いた覚えはあるけれど、曲名くらいは覚えていても、旋律も曲想も全然記憶に残っていない。
それ以前に、《子供の情景》とかチェロ&ピアノ盤の《幻想小曲集》と混同してたりする。

《幻想小曲集》を全曲録音したCDを持っているか探したら、アラウの録音だけ見つかった。(たぶん聴いていないはず)
ちょうどデュシャーブルの録音がYoutubeにあるのを見つけたので、しっかり聴いてみた。

Schumann - François-René Duchâble (1990) Fantasiestücke op 12


<幻想小曲集 / Phantasiestuke op.12>(ピティナの作品解説)
1.夕べに / Des Abends
2.飛翔 / Aufschwung
3.なぜ / Warum
4.気まぐれ / Grillen
5.夜に / In der Nacht
6.寓話 / Fabel
7.夢のもつれ / Traumes Wirren
8.歌の終わり / Ende vom Lied

曲想的に(弾くのも聴くのも)好きなのは、速いテンポでパッショネイトな「飛翔」。
弾き映えのする曲なので、抜粋して録音されていることも多い。

「寓話」の曲想は、冒頭の夢想的→ちょっとユーモラスで躍動的→情熱的に変化してから、折り返すみたいに逆進していくのが面白い。
「気まぐれ」 は、かっちりした構成と真面目さのある旋律が、全然”気まぐれ”みたいに聴こえない。
16音符が連なるパッセージが目まぐるしく揺れ動く「夜に」は、混沌とした錯綜感があって、結構ドラマティックで、曲想的には好みのタイプ。
「歌の終わり」にしては、堂々としたシンフォニックな和音で華やかなフィナーレ。

デュシャーブルのシューマン作品集は、《交響的練習曲》《幻想小曲集》《トッカータ》というカップリング。
この選曲だと、私が一番好きなのは、「飛翔」と《トッカータ》。
国内盤・輸入盤とも廃盤になっているので、これも再発売して欲しい。

Robert Schumann - Toccata Op. 7


デュシャーブルの《トッカータ》の演奏時間は7分少々。
演奏時間だけ見るとそれほど速くはないのだけど(6分台で弾く人も多いので)、冒頭を聴くと、アルゲリッチほど速くはなくとも、キーシンやポゴレリチよりはかなり速い。
デュシャーブルの演奏は、16音符が連続する速くて細かいパッセージでも、軽やかで柔らかなタッチなので、音色がパステル風?みたいに淡くて綺麗。
テンポと起伏が細やかに変化して、表情も柔らかいので、メカニックな練習曲みたいな一本調子なところは全然ない。
どちらかというと、速いテンポで指回りの鮮やかさを強調する演奏が多いと思うけど、デュシャーブルの演奏はそれとは方向が逆。こういう弾き方もあるんだなあとちょっと面白い発見。

難所らしき22小節と24小節の後半(2拍目)の和音移動のパッセージは、ほんの少しテンポを落として、和音を明瞭に響かせている。
ここでテンポ落とさず弾いている演奏だと、和音の音が一部抜けているというか、きちっとした和音に聴こえないことが多い。

デュシャーブルは別として、今まで聴いた演奏で一番面白かったのは、ポゴレリチの《トッカータ》。
ノンレガート気味でアクセントがよく効いて、一音一音明瞭で歯切れ良い克明なリズムが気持ちよい。

Ivo Pogorelich plays Schumann Toccata Op. 7

タグ:シューマン デュシャーブル

※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。

0 Comments

Leave a comment