レーゼル ~ ブラームス/ピアノ独奏曲全集Ⅳ&Ⅴ(UHQCD) 

2016, 11. 07 (Mon) 18:00

注文してから2日で届いたレーゼルの『ブラームス/ピアノ独奏曲全集』のⅣ巻とⅤ巻。
ステレオ&ヘッドフォンで聴くと、音質が既発盤(Berlin Classics)とはかなり違うのが、試聴時よりもさらに良くわかるし、演奏の印象もかなり変わる。(あくまで私の保有する再生装置と私の耳の感度&音質の好みによる感想なので、個人差あり。)

ブラームス:ピアノ独奏曲全集IVブラームス:ピアノ独奏曲全集IV
(2016/11/2)
ペーター・レーゼル

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既発盤の音が一本の太いケーブルのように単線的だとすれば、UHQCDの音は異なる色の糸を数本編み込んだように複線的。
既発盤は、音の線が少し太めで、音圧が高く、輪郭がしっかり。輝きのある伸びやかな音色で、残響が重なると音が重くなるけれど音抜けは良い。透明感が高く、ブラームスにしては若さと清々しさを感じる。
UHQCDでは、タッチと音の輪郭が少しまろやかで、響きも柔らかい。一つ一つの音に膨らみと複数の色が織り込まれたような色彩感があるので、音色が豊かでグラデーションがあり、重層的に感じる。
その分、音抜けの良さや透明感が減り、少し籠った感じがする。でも、残響がす~っと自然に消えているので、音が重なっても重たい響きにならず、柔らかく包み込まれるような感覚がある。
演奏の若々しさや清々しさといった印象もほんの少し薄くなり、逆に情感が細やかで濃密になっている。
ただし、”濃密”といっても、既存盤と比較した”濃さ”の度合いであって、ベッタリした情緒過剰なところは全くない。

Berlin Classicsの伸びやかで輝きのある抜けの良い音も演奏も好きだけど、音自体は残響が多くメリハリが明瞭で直截的というか単純というか、立体的・多層的ではなく、音質自体はUHQCDの方が(私の好みとしては)ずっと良い。
UHQCDの音を聴くと、アコースティック感があり音の微妙なニュアンスも聴きとれるので、演奏自体に奥行きと深みが増し、ブラームスらしい情感の濃さに合っていると思う。特に弱音の高音は残響がふんわりと柔らかく、ニュアンスも繊細に聴こえる。
ステレオのスピーカーの音ではその微妙な違いがはっきりとわからないところがあり、AKGのヘッドフォンで聴くと細部の違いも良くわかる。
「オリジナル・マスターテープからの完全リマスタリング」と説明文にあり、その時点ですでにBerlinClassic盤とは音質が違っているだろうから、UHQCDを使ったことに加えて、リマスタリングしたことが音質に影響しているのかも。

CDジャケットの写真は、録音場所であるドレスデン・ルカ教会の礼拝堂?
ルカ教会にしては、天井がかなり低いし、シャンデリアが釣り下がっているものなのかよくわからない。
場所はともかく、ほの暗いシャンデリアと木製の壁に覆われたレトロな室内装飾の重厚さが、この音と演奏に漂う濃密な叙情感に似合っている。

UHQCDの音質がとても気に入ったので、年末までに変奏曲集(第Ⅲ巻)を買って、残り2枚のうちのどちらか(たぶんピアノソナタ第1&第2番の第Ⅰ巻)を特典プレゼントで入手予定。
12月21日発売予定の『ベートーヴェン/ピアノ協奏曲全集』(こちらは今年4月に録音したスイスでのライブ)と合わせて、これは素敵なクリスマスプレゼント。

ブラームス:ピアノ独奏曲全集IIIブラームス:ピアノ独奏曲全集III
(2016/11/2)
ペーター・レーゼル

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<参考情報:ルカ教会について>
旧東ドイツに残されたクラシックの至宝「ドイツ・シャルプラッテン」レーベル [e-onkyo music]
5月ドイツ訪問記その5/ドレスデン・ルカ教会訪問[grunerwaldのブログ]
なぜ、シュターツカペレ・ドレスデンの音は良いのか、それは、聖ルカ教会で録音しているから、音が良いのか、ならば聖ルカ教会は、一体どんな音響特性なのだろうか、の巻。 [If you must die, die well みっちのブログ]

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