レーゼル ~ ブラームス/ピアノ独奏曲全集Ⅰ&Ⅲ(UHQCD)

2017.05.13 18:00| ♪ ペーター・レーゼル
レーゼルのUHQCD盤『ブラームス:ピアノ独奏曲全集』は、第Ⅴ巻&第Ⅳ巻に続いて第Ⅲ巻を購入。
第Ⅲ巻は変奏曲集。《自作の主題による変奏曲》と有名な《ヘンデル変奏曲》と《パガニーニ変奏曲》を収録。

ブラームス:ピアノ独奏曲全集IIIブラームス:ピアノ独奏曲全集III
(2016/11/2)
ペーター・レーゼル

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試聴した印象どおり、この第Ⅲ巻の音質も、BerlinClassics盤よりはるかに良くなっている。
打鍵のアタック感が強すぎて耳が痛かったヘンデルとパガニーニの変奏曲では、かなり響きがまろかになっている。

特にルカ教会の柔らかい残響が特に良く映えていたのが、《自作の主題による変奏曲 作品21-1》。
ヘンデルやパガニーニの変奏曲に比べると、(難所が少ないせいか)強奏時の打鍵もそれほどきつくなくて、響きも柔らかで聴きやすい。
ブラームス独特の子守歌風の旋律と和声を聴いていると、楽しい夢を見ているような心地良さ。憧憬とか幸福感とかポジティブで包み込むような優しさが溢れている。

Brahms - Variations on an original theme op.21/1 - Rösel (これは普通のCD盤)



次の《ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ 作品24》は、全体的にテンポは速め。第1変奏、第4変奏、第21変奏とかは少し速すぎて、せわしない感じがする。
主題と緩徐系の変奏は、柔らかいタッチと響きが綺麗。
急速系でフォルテが続く変奏の方は、かなり速いテンポと強く正確な打鍵で、重厚な和音が続くパッセージをバリバリと直線的に一気に弾いて行くので、メカニックの切れ味の鋭さが前面に出て、ちょっと窮屈で息苦しい時がある。(特に第3変奏)
表現もほとんどルバートをかけていないので直線的で潤いがない感じがする。好みの問題としては、力業のいる変奏でもう少し起伏がついた歌い回しで聴きたい。
緩徐系の変奏は柔らかなタッチと響きが良く映えて、急速系の剛腕な演奏の後で聴くと、ほっとする。


最近は叙情豊かに弾く人も多いような気がする《パガニーニの主題による変奏曲》。
レーゼルは、速すぎない程度の軽快なテンポに、力強いタッチと精密なメカニックで、カチッとした練習曲風。
BerlinClassics盤よりも打鍵のアタック感が柔らかく、音の尖りが少ないし、音の輪郭に丸みがあり響きも少し軽やか。


「ドイツ・シャルプラッテン」のUHQCDシリーズ(キングレコード)をどれでも3枚買えば、期間限定特典で1枚プレゼントしてくれる。
そこで、好きな《ピアノ・ソナタ第1番》と《スケルツォ》が入っている第Ⅰ巻の方を申し込んだら、2週間くらいで到着。
音の良さはもちろん、もともと好きな第1番とスケルツォに苦手の第2番の演奏も期待通り良かった。
第1番は、切れの良い打鍵と快適なテンポで力強く溌剌として、若々しい躍動感が爽快。
感情が奔流して圧迫感を感じることの多い第2番も、ストレートに力強くて、聴きやすい。
やや遅めのテンポの《スケルツォ》も、冒頭から力強い打鍵で正確にリズムを刻み、柔らかい歌い回しの緩徐部と対照的。
この3曲は、BerlinClassics盤では打鍵のアタック感が強すぎてほとんど聴いていない。UHQCD盤では音質が随分向上したので、聴きやすさも演奏の印象も良くなっている。


ブラームス:ピアノ独奏曲全集Iブラームス:ピアノ独奏曲全集I
(2016/11/2)
ペーター・レーゼル

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Johannes Brahms - Piano Sonata No. 1 (これは普通のCD盤)


タグ:ブラームス レーゼル

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コメント

こんばんは。
SACDとか、あまり馴染みがないのですが、UHQCDは音質がよさそうですね。それほどいいのならば、演奏全体の印象が変わるかもしれませんね。
響きがまろやかになっていますか。普通にBerlinClassicsでいいと思っていたので、ちょっと驚きです。機会があれば聴いてみたいです。

 

芳野様、こんばんは。

SACDハイブリットなら20枚くらい持っているのですが、私のプレーヤーがSACDに対応していないので、残念ながら音の良さがよくわかりません。

UHQCDの長所は、普通のプレーヤーで聴けることですね。
試聴ファイルを聴いても良い音だと思いますが、ステレオ&AKGのヘッドフォンで聴くと音の良さがはっきりわかりました。

BerlinClassicsは音がクリアですし、リマスタリング特有の金属的な響きもしなくて音質は良いと思います。これだけ聴いている時は、アタック感が強いこと以外は、特に不満を感じたことはなかったですね。
UHQCDは、残響(余韻)に微妙なニュアンスがあり、す~っと自然に減衰していくような感じです。
微妙な違いなのかもしれませんが、私の音の好みとしてはUHQCDの方が好きなので、今はこちらで聴いています。
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yoshimi

Author:yoshimi
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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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