2018_02
04
(Sun)18:00

フィオレンティーノ 『ドイツ・ライブ録音集(1993年)』 

『Sergio Fiorentino in Germany, 1993 Live Recordings』は、フィオレンティーノの数少ないライブ録音集。
1993年にドイツのミュンスター、ドルトムント、ヴァルシュタイン、パーダーボルンで行われたリサイタルをドイツ人のErnst Lumpes氏が録音したもの。
録音エンジニアは、ピアニストでもある”Siegfried Schubert-Weber”という人。芸名?なのかもしれないけど、本名だったらなんて由緒ある名前なんだろう。

このライブ録音は、商業レーベルが製作するレベルとは異なる”Non-professional”録音。ピアノから約1.5mの距離に設置されたLumpes氏個人所有のマイクロフォンを通じて録音されている。
1960年頃のモノラルかステレオ録音をリマスタリングしたような音質で(雑音は入っていない)、かなりデッドな音。
ピアノの色彩感やソノリティの美しさが伝わりにくいので、1990年代のセッション録音があるか、または、音質の良いYoutubeのライブ音源があれば、そちらを聴いた方が良い。

フィオレンティーノのベルリン録音集(スタジオ録音)と曲目が重複しているのは、バッハ=ブゾーニ《前奏曲とフーガBWV. 532》とシューマン《幻想曲》、スクリャービンの《ピアノ・ソナタ第4番》。

ショパンの《ピアノ・ソナタ第2番》とワルツ2曲は、初期録音集BOX(”Early Recordings 1953-1966”)にも収録されている。1953年の録音なので音質が悪すぎて、この1993年のライブ録音の方が音が良い。

スタジオ録音が残っていないのは、ベートーヴェンの《ピアノ・ソナタ第31番》、リストのオペラパラフレーズ1曲、シュトラウスⅡ・ブラームス・チャイコフスキーの編曲版4曲。
そのなかで、リスト編曲のグノー《ファウストワルツ》、タウジヒ編曲のシュトラウスⅡ《ヴァルス・カプリス 第2番 「人はただ一度生きる」》、チャイコフスキーのワルツ(フィオレンティーノ編曲版)は、YoutubeにあるNewport音楽祭のライブ録音でも演奏しているので、そちらの方が音がはるかに良い。

チャイコフスキーとブラームスはアンコール用にフィオレンティーノが編曲。楽譜『Sergio FIORENTINO:Transcrizioni da Concerto』も出ている。
チャイコフスキーのワルツは初めて聴いた曲。ちょっとチャイコフスキーらしくない(?)ワルツなので、この曲も好き。
フィオレンティーノのライブ音源をいくつか聴いていると、ワルツ系の曲をリサイタルでよく弾いているので、彼の十八番みたい。

結局、このCDで聴けて良かったと思ったのは、ショパンのソナタとワルツ、リスト、チャイコフスキー。
ワルツ苦手の私には珍しくワルツが気に入ったのは、シャープなリズムと弾力のあるタッチなので、しなしなしていないワルツだから。
ベートーヴェンはもっと音が良ければ印象がかなり違ったと思う。


Sergio Fiorentino Live in GermanySergio Fiorentino Live in Germany
(2016/2/26)
Sergio Fiorentino

試聴ファイルなし

<収録曲>
Bach/Busoni: Prelude & Fugue In D, BWV. 532
Schumann: Fantasie
Beethoven: Piano Sonata No. 31 In A Flat, Op. 110:
Chopin: Piano Sonata No. 2
Scriabine: Piano Sonata No. 4 In F Sharp, Op. 30
Schumann: Fantasie In C, Op. 17
Liszt/Gounod: Valse de l'opera Faust, S. 407
J.Strauss II/Tausig: Man lebt nur einmal! (Caprice Waltz)
J.Strauss /Godowsky / Die Fledermaus (Symphonische Metamorphosen)
Chopin: Waltz No.1 E-Flat major Op.18
Tchaikovsky: Waltz in A-flat major Op.40-8
Chopin: Waltz No.7 in C-sharp minor Op.64-2
Brahms/Fiorentino: Leibesliederwalzer, Op.52


オペラは全く聴かない(見ない)けど、初めて聴いた《ファウストワルツ》は雄壮で華やかでドラマティックで大好き。
苦手のチャイコフスキーでも、このワルツもとても好き。《中級程度の12の小品Op.40》のシンプルな第8曲を、フィオレンティーノが編曲して舞踏会のような優雅で華やかな曲に変わっている。
このライブ録音集に収録されている曲の半分くらいは、↓1996年のNewport音楽祭でも弾いている。音質が素晴らしく良いせいか、ライブ独特の臨場感と瑞々しい音に量感と勢いも加わって、とても生気溢れる演奏。
力強くて華麗な《ファウストワルツ》(48:13~)も、フィオレンティーノ編曲のチャイコフスキーのワルツ(58:00~)も何度聴いても楽しい。

Sergio Fiorentino in recital (1996.07.08 Newport) Bach/Busoni, Schumann, Gounod, Tchaikovsky

※Youtubeの曲目リストが間違っている。正しくは、以下の通り。
(58:00)Tchaikovsky : Waltz in A-flat major Op.40-8
(1:01:04)Strauss/Singer/Fiorentino - Rosenkavalier
(1:07:29)Strauss/Tausig - Man lebt nur einmal


チャイコフスキーのワルツ原曲(Twelve Piano Pieces Op.40,No.8 Waltz)。12曲のなかで、この曲だけ明るく優美で、チャイコフスキーのイメージとは全然違っていた。

Tchaikovsky: Waltz, Op. 40 No. 8 (Sergey Rachmaninov, piano)



<参考情報>
Obituary: Sergio Fiorentino[31 August 1998,independent.co.uk]

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