リスト「ラ・カンパネラ」をめぐる3曲
有名なリストの「ラ・カンパネラ」(パガニーニによる大練習曲第3番「鐘」S.141)の元になった曲は2曲。
一番最初に作曲された《パガニーニの「鐘」による華麗な大幻想曲 S.420》は、技巧的にあまりにも難しすぎて、リスト自身弾くのに難渋するほどだったらしい。
これを弾くやすくしたのが、《パガニーニによる超絶技巧練習曲第3番「鐘」 S.140》。これでもかなりの難曲だったらしく、最終稿が「ラ・カンパネラ」で知られている《パガニーニによる大練習曲第3番「鐘」 S.141》。

碇山典子 インタビュー[いずみホール/Jupiter Online]
《パガニーニの鐘による大幻想曲》は、「ほとんど演奏不可能で、リスト本人しか弾けない、本人でも休み休みしか弾けない」。

《ラ・カンパネラ》リスト作曲[学研おんがく通信 名曲誕生物語 6月]


《パガニーニの「鐘」による華麗な大幻想曲 S.420》(1831~32年)
この曲を最初に録音したのが、若い頃(1962年)のフィオレンティーノだと、原盤(Apr)のレビューに書かれていた。
パガニーニの「鐘」(《ヴァイオリン協奏曲第2番》第3楽章「鐘のロンド」)をモチーフにして、次々と変奏が展開していくので、曲想の違った曲がいくつも聴ける面白さがある。
↓の録音では、大きく分けると導入部(長くて4分近い)、ショパンのコンチェルトに出てくるような下行スケールのユニゾンに続いて登場する主題、5分半ばあたりから始まる変奏、最後のフィナーレ。
最初の変奏が有名な《ラ・カンパネラ》の原型。7分すぎるとガラッと曲想が異なる変奏が2つほど続いて、12分あたりからフィナーレに入る。
導入部の妖艶さ漂う旋律とか、「水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ」を連想するよう低音のトレモロに、「小人の踊り」みたいな速く細やかなパッセージなど、リストらしい旋律がいくつも出てくる。

Sergio Fiorentino Plays Liszt's Fantasy on La Clochette by Paganini




《パガニーニによる超絶技巧練習曲第3番「鐘」 S.140》(1838年)
《パガニーニの「鐘」による華麗な大幻想曲》の最初の変奏部分を元に技巧を凝らして展開したような曲。後の《ラ・カンパネラ》とはかなり違う。

Franz Liszt: Études d'exécution transcendante d'après Paganini, S.140 No. 3 (Pf: Nikolai Petrov)




《パガニーニによる大練習曲第3番「鐘」 S.141》(1851年)
これがよく聴く《ラ・カンパネラ》。《パガニーニの「鐘」による華麗な大幻想曲》の冒頭変奏の原型に回帰して、さらに洗練され華やかになったような印象。

Liszt Paganini Etude n3 : La Campanella - Sergio Fiorentino (1958)


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