【新譜情報】ハンネス・ミンナール ~ ベートーヴェン/ピアノ協奏曲全集 

2017, 06. 01 (Thu) 18:00

オランダ人の若手ピアニスト、ハンネス・ミンナールの新譜は『ベートーヴェン/ピアノ協奏曲全集』(SACD Hybrid)。
伴奏は、ヤン・ヴィレム・デ・フリエンド指揮ネザーランド交響楽団。発売予定は6月末~7月上旬(ショップによって異なる)。
『Bach Inspirations』が素晴らしくて、それを聴いて以来、若手のなかでは特に好きなピアニスト。

この新譜のなかで、第3番のコンチェルト以外は、分売盤としてリリース済み。私は第4番の第1・2楽章だけituneでダウンロードして聴いたことがある。
そのうち全集盤が出るだろうと思って待っていたら、2年半も経っていた。
第2番と第5番はほとんど聴かないので、第1番と第3番、第4番第3楽章は聴きたい。
全集盤でダウンロードできる楽章は一部だけなので、(CDより高い)アルバムをダウンロードするくらいなら、CDを買うつもり。

第4番のデジタルファイルを聴き直すと、今回はヘッドフォンで聴いたせいか、音質が良いせいか、以前よりもはるかに印象が良い。残響があまり長くないので、響きはすっきり。
ピアノの音がわりと前面に出ていて、やや線が細めの硬質なタッチで音の輪郭が明瞭なので(量感は少し軽い)、粒立ちが良くアーティキュレーションの細部までくっきりと聴こえる。
テンポは速すぎず遅すぎず、私のテンポ感とぴったり合っている。
明るく透明感のある音色と柔らかい響きがとても綺麗で、清々しい叙情感と品の良さがあり、若々しくも清楚で端正なところがミンナールらしい演奏。
特に柔らかい響きの弱音がふわっと触れるような感じで、この弱音はとても好き。
アーティキュレーションが特に凝っているということはなくとも、変なクセがなくて至極まっとうな演奏。
第1楽章のカデンツァは、普通演奏される長い方ではなくて、(ポリーニやブレンデルと同じく)短いカデンツァを弾いている。
第2楽章は、深刻で重々しい演奏も多いけれど、ミンナールは柔らかく明るめの音色とやや軽やかなタッチなので、パステル画のような淡く透明感のある哀感。
試聴ファイルを聴いてみても、第1番第3楽章は速いテンポでもバタつくことない打鍵でタッチが綺麗。
どの曲も緩徐楽章の弱音の音色は明るくて柔らかくで、残響もまろやか。

ミンナールは、ヴィルトオーソ風の冴えた技巧や個性的な解釈で”ピアニスト”を聴く...というタイプではなく、美しい音色とクセのない演奏で、曲それ自体をじっくり味わえるピアノを弾く人だと思う。
第4番に限って言えば、私の好きな演奏のベスト5(か3)には確実に入る。
ミンナールのベートーヴェンなら『ヴァイオリンソナタ全集』も印象が良かったし(ヴァイオリンのクーレンより印象に残っている)、このピアノ協奏曲全集も購入予定。

Beethoven: The Complete Piano ConcertosBeethoven: The Complete Piano Concertos
(2017/7/7)
Hannes Minnaar, Jan Willem de Vriend & The Netherlands Symphony Orchestra

試聴ファイル


<過去記事>
ハンネス・ミンナール『Bach Inspirations』
ハンネス・ミンナール『Bach Inspirations』(2)

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