2017_07
27
(Thu)18:00

ユーリ・エゴロフ ~ シューマン/色とりどりの小品 

《色とりどりの小品/Bunte Blätter Op.99》は、シューマンが1836年~49年にかけて作曲した小品をまとめて出版したアルバム。
エゴロフのBOXセットに収録されているのはわかっていたけれど、今までまともに聴いたことがなかった。これだけ夏が暑いと、重たくて長い曲を聴くのは余計に暑苦しく感じるので、短くて軽やかな曲が聴きたくなる。

《色とりどりの小品》は、シューマン作品のなかでは演奏されることがあまり多くはない。
収録曲は、「3つの小品(Drei Stucklein)」、「5つの音楽帳(Funf Albumblatter)」、「ノヴェレッテ」、「前奏曲」、「行進曲」、「夕べの音楽(Abendmusik)」、「スケルツォ」、「速い行進曲(Geschwindmarsch)」。
楽譜ダウンロード[PDF](IMSLP)

Youri Egorov plays Schumann's Bunte Blätter Op.99 in concert

「3つの小品」No.1(0:05)、No.2(2:01)、No.3(2:50)、「5つの音楽帳」No.1(3:46).No.2(5:59)、No.3(6:36)、No.4(8:55)、No.5(11:22)、「ノヴェレッテ」(12:50)、「前奏曲」(15:23)、「行進曲」(16:35)、「夕べの音楽」(20:14)、「スケルツォ」(28:53)、「速い行進曲」(32:53)。

『色とりどりの小品』には、シューマンの他のピアノ曲を連想するような旋律がいろいろ出てくる。
「3つの小品」の第1l曲は夢見るような憧れが籠ったような温かく優しい曲。第2曲は『謝肉祭』か何かで出てきた旋律と似ている。第3曲も他の曲(《暁の歌》かも?)で聴いたような堂々として輝くような力強さがある。

「5つの音楽帳」の第1曲は、ブラームスの《シューマンの主題による変奏曲》の主題に使われている。
第2曲は、『幻想小曲集』の第5曲「夜に/In der Nacht」の主題とそっくり。
第4曲は穏やかながらも悲愴感がじわじわと。終曲は儚い夢が消え去っていくような感じがする。

「ノヴェレッテ」はトリルが連続する舞曲風。中間部は波のように打ち寄せては引いて行くようなスケールが不安感を感じさせる。
「前奏曲」はざわざわと浮き立つアルペジオを背景に右手の旋律が和音で進行する。音の配列と曲想・旋律が、ショパンの「革命のエチュード」にちょっと似た感じがする。
「行進曲」はこの曲集中最も長い。主題はタイトルのイメージとは違って勇ましさは全くは、むしろ葬送行進曲とか鎮魂歌風。中間部のトリオは速いテンポの3連符が足取り軽やかで、過去の楽しい思い出を回想しているようなイメージ。

「夕べの音楽」は、よく働いた一日が終えた時の満足感や安心感を感じる。
「スケルツォ」は、跳びはねるようなリズム感が力強く華やか(似たような旋律が続くので結構長く感じる)。
「スケルツォ」と曲想が似ている「速い行進曲(Geschwindmarsch)」は、重音の装飾音の響きに曲芸みたいな不安定感があって面白い。
バガテル風の小品集ながら、多彩な曲想と色鮮やかに移り変わる旋律で、曲名通り"色とりどり"の曲が詰め込まれた宝石箱みたい。


この曲集が収録されているのはEMIのBOXセット『The Master Pianist / Yuri Egorov』。
The Master Pianist / Yuri EgorovThe Master Pianist / Yuri Egorov
(2008/03/04)
Youri Egorov

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