ブラームス/ピアノ作品集(コジュヒン、ヴォロドス、プロウライト) 

2017, 09. 24 (Sun) 14:00

ブラームスのピアノ作品の新譜が出たら、カッチェンとレーゼルと同じくらい好きなブラームスが聴けたらいいなあと思って、必ず試聴することにしている。

今回はプロウライトとコジュヒン、ヴォロドス。ヴォロドスは発売時に試聴ずみ。プロウライトは最近のHMVニュース、コジュヒンは今月号のレコ芸で紹介されていた。
試聴した限りでは、コジュヒンが今まで聴いてきたブラームスとは一味違ったところがかなり気に入ってしまった。ヴォロドスはブラームスらしいとは思うけれど私には情感濃すぎて重たく、プロウライトは暗すぎて好みとは全く合わなかった。

コジュヒンはロシア人ピアニストなので、もっと表現意欲の強い演奏かと思っていたら、かなり落ち着いてアクの強さがない。
柔らかく潤いのある音色と豊んな響きとしなやかな歌い回しで、しっとりした叙情感。
フォルテも柔らかく強打しないので、若い頃の作品の激情的なところは少し薄く、優美でしなやか。
陰翳はあるけれど、鬱々とした重苦しい暗さはなく、どこか儚げで一抹の淋しさが漂うような感じなので、絵画で喩えれば、マリーローランサンみたい。
カッチェンともレーゼルとも違ったブラームスで、柔らかい響きとまろやかな情感になぜか波長が合うし、NMLで全曲聴いてもやっぱり好きなので、結局CD買ってしまった。

Brahms: Ballades & Fantasies Brahms: Ballades & Fantasies
(2017/3/31)
Denis Kozhukhin

試聴ファイル


Denis Kozhukhin Artist of the Season: Playing Brahms Fantasies No. 1 in D minor


このバッハ編曲もピアノの音としっとりした叙情感がとても綺麗。
Pianist Denis Kozhukhin: Prelude in b minor (Bach/Siloti)




ヴォロドスの録音はいくつか試聴したことはあっても、CDを買ったことはない。
技巧派のイメージが強いヴォロドスのブラームスは、陰翳のある音色と重量感のある低音で、弱音は繊細、強弱の細やかな変化、彫が深くドラマティックで表情豊で情感も濃く、とてもブラームスらしいブラームスという感じ。
ブラームスのピアノ曲は元々情感が濃いので、ヴォロドスの粘り気のあるタッチだと、情感もベタっとまとわりつくようなところがあって、私にはやや情念過剰気味で重たい。(これは単なる好みの問題)

ヴォロドス・プレイズ・ブラームス ヴォロドス・プレイズ・ブラームス
(2017/6/21)


試聴ファイル




HMVの新譜情報で知った初めてプロウライトのブラームス。BISやハイペリオンに録音しているピアニストなので、結構凄いかも...と期待しつつ聴いてみた。
ブラームスのピアノ独奏曲全集はBISレーベルで録音中。10月に第5巻がリリース予定。
第1集:ピアノ・ソナタ第3番、ヘンデルの主題による変奏曲
第2集:ピアノ・ソナタ第2番、創作主題による変奏曲、3つの間奏曲、スケルツォ変ホ短調
第3集:ハンガリーの歌の主題による変奏曲、8つの小品、ワルツ集、6つの小品
第4集:パガニーニの主題による変奏曲、バラード集、2つの狂詩曲、4つの小品

よく聴いている曲を中心に試聴してみると、若い頃でも晩年の作品でも、短調でも長調でも、暗い...。
長調の軽快で明るいワルツでもロマンティックなピアノ小品でも寂寥感が漂っているし、
急速系の曲は勢いがあるので、それほど暗さは気にならないけど、テンポが速くない曲になると、テンポが遅いし、音色も語り口も物寂しい。子守歌風の可愛らしいピアノソナタ第1番の第1楽章でさえ淋しそう。
打鍵に切れはあり、響きも重厚で重量感はあるけれど、時々ちょっと鉄や岩のような無機的な印象。
でも、パガ二ーニやヘンデルの変奏曲では、急速系の楽章がテンポが遅かったり、高速の和音移動が続くと打鍵が重たくて切れが悪く感じる。特にパガニーニは技巧的にかなり苦しく感じる。
程度の差はあれど全体的に寂寥感が漂って鬱々と暗く、私の好みとは全く違っていた。

Brahms: Works for PianoBrahms: Works for Piano
(2017/1/20)
Jonathan Plowright

試聴ファイル


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