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スコウラス ~ ベルント・アロイス・ツィンマーマン/ピアノ独奏曲全集

2020年はベルント・アロイス・ツィンマーマンの没後50年。すでに1918年が生誕100年のメモリアルイヤーだったけど、新譜はほとんど見かけなかったような気がする。
ツィンマーマンの音楽に少し興味はあったので、探してみたらアンドレアス・スコウラスのピアノ曲全集が出ていた。
CD1枚に1940~1950年代のソロ作品を5曲収録。組曲が多く、無調の《構成》(1956)以外は、調性感もかなり残っているので、現代音楽にしては、とても聴きやすいアルバム。1956年の《構成》を境に、《モノローグ》(1960)、《ペルスペクティーフェン》(1964)は、無調の前衛風になり、作風が一変している。

Zimmermann: Complete Works For Piano Solo by Andreas Skouras Zimmermann: Complete Works For Piano Solo by Andreas Skouras
(2016/1/22)

試聴ファイル


ツィンマーマンの管弦楽曲は全然好きにはなれなかったけど、ピアノ曲は聴きやすい曲が多い。和声は綺麗でそれなりにメロディアスな旋律で、引用らしき旋律も入っていたしていて、面白味はあるし、それほど聴きずらいことはない。

1950年代を境に作風が全く変わり、1960年以降はいかにも無調の前衛風。
ピアノ独奏曲と2台のピアノ曲とは作風がかなり違っていて、(「構成」を除いて)独奏曲の方は調性感もあるし、旋律もかなりメロディアス。2台のピアノ曲の方はかなり前衛的でも、シェーンベルクよりははるかに聴きやすいとは思う。

ピアノ独奏曲を聴いていると、時々、ヒンデミット、バルトーク、ショスタコーヴィチ、ベルクを連想するし、ショスタコーヴィチのピアノ曲が好きな人なら好みに合いそう。

《エクステンポラーレ/Extemporale》(1946)
バロック時代の形式と音の動きと現代風の不安定な調性感が融合。
No. 1. Sarabande
No. 2. Invention:バッハ・インベンション?
No. 3. Siciliano
No. 4. Bolero:ラヴェルのボレロ
No. 5. Finale
”Extemporale”は結構メロディアスでくぐもった叙情感がショスタコーヴィチやブリテンに似ている。

Extemporale: No. 1, Sarabande



《3つの初期のピアノ曲/3 Early Piano Pieces》(1940)
No. 1. Scherzettino
No. 2. Intermezzo
No. 3. Fugato

《カプリッチョ~民謡の主題による即興/Capriccio》(1946)
安定した調性感があり、旋律にも歌謡性があって、響きも色彩感豊かで美しい。いろんなモチーフがコラージュのように移り変わり、即興風でとりとめない。
聴いたことのある旋律がいくつか出てくるので、引用が多いと思う。6:03~右手は”カッコウ”の旋律、左手はちょっとメシアン風?。

Capriccio



《手引書 I/Enchiridion, Part 1》(1949)
”Enchiridion”とは、キリスト教の教本・手引書の意味。
劇伴音楽みたいに、何かの物語の場面を描写しているような気がしてくるようなストーリー性があって、面白い。
これもバロック時代の組曲形式。

I. Introduktion: Andante rappresentativo
II. Ekloge: Larghetto, con esporessione
III. Rondino: Allegro giocoso
IV. Bourrée: Allegro moderato
V. Meditation: Adagio molto
VI. Aria: Andante molto cantabile
VII. Estampida: Allegro
VIII. Toccata: Allegro feroce
Anhang: 3 Stücke aus dem Nachlass: Intermezzo

《手引書 Ⅱ/Enchiridion, Part 2》(1951)
I. Vigil: Larghetto molto
II. Hora: Moderato
III. Ostinato: Presto
IV. Matutin: Cantabile molto
V. Imagination: Sostenuto
Anhang: 3 Stücke aus dem Nachlass: L'après-midi d'un Puck
Anhang: 3 Stücke aus dem Nachlass: Hommage à Johann Strauß

Enchiridion, Pt. 1: I. Introduktion. Andante rappresentativo



《構成/Konfigurationen》(1956)
これはシェーンベルクの12音技法の曲みたいな曲で、聴いて楽しいと思える曲集ではない。(2台のピアノのための”Monologues”(1964)の方が、まだしもメロディアスで色彩感もカラフル)。
全部で8曲あるけれど、どの曲を聴いても似たように聴こえるので、トラックわからずに聴いていたら何番なのかわからなくなる。

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Author:Yoshimi
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クラシック音楽に本と絵に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、ミンナール、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;アリステア・マクリーン、エドモンド・ハミルトン、太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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