ファン・ベーレ・トリオ ~ ベートーヴェン/ピアノ三重奏曲第1番&第3番
2020-02-06(Thu)
ファン・ベーレ・トリオのベートーヴェン《ピアノ三重奏曲》は、新年早々Vol.3を買ったのに続いて、第3番が収録されているVol.1も買ってしまった。
そのうち全集盤買うつもりだったけど、第3番は曲自体が好きだし、新年早々購入したスーク・シュタルケル・ブッフビンダーのライブ録音は音が籠っていて、やはりデジタル録音のクリアな音で聴きたくなったので。
第1番は、第1楽章と第3楽章がモーツァルトみたいでとても愛らしくて好き。でも第1楽章は演奏が10分近くあるのに、展開が単調で主題旋律が何度も繰り返し出てくるので、途中で飽きてしまう。第4楽章はハイドン風でちょっとお茶目。
Piano Trio No. 1 in E-Flat Major, Op. 1: I. Allegro
Piano Trio No. 1 in E-Flat Major, Op. 1: III. Scherzo. Allegro assai
ベートーヴェンが3曲の《ピアノ三重奏曲》を作品番号1のなかで、第1番(と第2番)はベートーヴェンにしては意外なくらい穏やかでも、最後の第3番はベートーヴェンらしい”暗雲垂れ込めて風雲急を告げる”風のハ短調。
スークたちのライブ録音をずっと聴いていたせいか、ファン・ベーレ・トリオの第3番はテンポが少し遅めで、旋律の歌い回しはしなやかだけどメリハリが弱くて、ベートーヴェンのハ短調らしい荒々しさがあまり感じられない。特に第4楽章のテンポがそれほど速くないことと、リズムの鋭さと力感がやや弱めなので、急迫感と疾走感がちょっと弱く感じる。
ピアノがかなり前面に出てくるので、ミンナールのピアノを聴くのが好きな私としては良いのだけど、ヴァイオリンの線が細くて音量・力感とも弱くて存在感がかすみがちに聴こえる。
Piano Trio No. 3 in C Minor, Op. 1: I. Allegro con brio
Piano Trio No. 3 in C Minor, Op. 1: IV. Finale. Prestissimo
<収録曲>
ベートーヴェン:
ピアノ三重奏曲第1番変ホ長調 Op.1-1
ピアノ三重奏曲第3番ハ短調 Op.1-3
ピアノ三重奏曲第4番変ロ長調 Op.11『街の歌』
ハンネス・ミンナール(ピアノ)、マリア・ミルシテイン(ヴァイオリン)、ギデオン・デン・ヘルデール(チェロ)
録音日:2017年6月1-4,8,9日/オランダ、ヒルフェルスム
ミンナールが弾いているピアノは、”Chris Maene Straight Strung Concert Grand Piano(クリス・マーネ・ストレート・ストラング・コンサートグランド・ピアノ)”。珍しい90鍵モデルらしく、特徴的なのは、現代のグランド・ピアノのような交差弦ではなく、フォルテピアノやチェンバロのように並行弦になっているところ。クリス・マーネは、歴史的楽器の修復家としても有名だそう。
メーカーのホームページで調べると、バレンボイムがドビュッシー録音に使ったピアノなので、「バレンボイム・メーン・スタインウェイ」と同モデルだと思う。
ミンナールが弾いた時の音色は、すっきりした線のまろやかな澄んだ音色で品が良い。
Chris Maene/THE STRAIGHT STRUNG GRAND PIANO
バレンボイム・メーン・スタインウェイ[ピティナ]
バレンボイムの新しいCDはもちろん、バレンボイムモデルの特別ピアノで[ねもねも舎]
<参考記事>
ベートーヴェン音楽夜話/ピアノ三重奏曲第三番[クラシック音楽夜話ページ]
そのうち全集盤買うつもりだったけど、第3番は曲自体が好きだし、新年早々購入したスーク・シュタルケル・ブッフビンダーのライブ録音は音が籠っていて、やはりデジタル録音のクリアな音で聴きたくなったので。
第1番は、第1楽章と第3楽章がモーツァルトみたいでとても愛らしくて好き。でも第1楽章は演奏が10分近くあるのに、展開が単調で主題旋律が何度も繰り返し出てくるので、途中で飽きてしまう。第4楽章はハイドン風でちょっとお茶目。
Piano Trio No. 1 in E-Flat Major, Op. 1: I. Allegro
Piano Trio No. 1 in E-Flat Major, Op. 1: III. Scherzo. Allegro assai
ベートーヴェンが3曲の《ピアノ三重奏曲》を作品番号1のなかで、第1番(と第2番)はベートーヴェンにしては意外なくらい穏やかでも、最後の第3番はベートーヴェンらしい”暗雲垂れ込めて風雲急を告げる”風のハ短調。
スークたちのライブ録音をずっと聴いていたせいか、ファン・ベーレ・トリオの第3番はテンポが少し遅めで、旋律の歌い回しはしなやかだけどメリハリが弱くて、ベートーヴェンのハ短調らしい荒々しさがあまり感じられない。特に第4楽章のテンポがそれほど速くないことと、リズムの鋭さと力感がやや弱めなので、急迫感と疾走感がちょっと弱く感じる。
ピアノがかなり前面に出てくるので、ミンナールのピアノを聴くのが好きな私としては良いのだけど、ヴァイオリンの線が細くて音量・力感とも弱くて存在感がかすみがちに聴こえる。
Piano Trio No. 3 in C Minor, Op. 1: I. Allegro con brio
Piano Trio No. 3 in C Minor, Op. 1: IV. Finale. Prestissimo
![]() | Beethoven: Complete Piano Trios Vol. 1 (2018/2/16) Van Baerle Trio 試聴ファイル |
<収録曲>
ベートーヴェン:
ピアノ三重奏曲第1番変ホ長調 Op.1-1
ピアノ三重奏曲第3番ハ短調 Op.1-3
ピアノ三重奏曲第4番変ロ長調 Op.11『街の歌』
ハンネス・ミンナール(ピアノ)、マリア・ミルシテイン(ヴァイオリン)、ギデオン・デン・ヘルデール(チェロ)
録音日:2017年6月1-4,8,9日/オランダ、ヒルフェルスム
ミンナールが弾いているピアノは、”Chris Maene Straight Strung Concert Grand Piano(クリス・マーネ・ストレート・ストラング・コンサートグランド・ピアノ)”。珍しい90鍵モデルらしく、特徴的なのは、現代のグランド・ピアノのような交差弦ではなく、フォルテピアノやチェンバロのように並行弦になっているところ。クリス・マーネは、歴史的楽器の修復家としても有名だそう。
メーカーのホームページで調べると、バレンボイムがドビュッシー録音に使ったピアノなので、「バレンボイム・メーン・スタインウェイ」と同モデルだと思う。
ミンナールが弾いた時の音色は、すっきりした線のまろやかな澄んだ音色で品が良い。



<参考記事>

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