太陽系旅行ガイドブック
2020.05.04 00:00| ・・ SF,宇宙探検|
もともと旅行には全く興味がない私は、(自粛しようがしまいが)ゴールデンウイークでもいつもの生活と変わらず、本と音楽相手に過ごしている。
でも、もし数百年後に生まれていて宇宙旅行が一般的になっていたら、宇宙船に乗ってあちこち旅行しているかも。
その時代でも太陽系内くらいしかまだ旅行できない気はするし、現時点で系内探査衛星から送られてきた惑星・衛星の写真やデータを見れば、地球みたいに北から南まで景色の美しい場所に恵まれている惑星や衛星はない。火星とかをテラフォーミング(地球化)したら、観光地になるとかいうのは、(少なくとも今のところは)SFの世界のお話。
amazonや近くの本屋さんで見つけたのは、『太陽系観光読本』と『太陽系旅行ガイド』。実際に太陽系旅行に行けなくても、本を読めば多少なりとも旅行気分に浸れる。
『太陽系観光読本』は、厚めでツルツルの紙質が良く、カラーイラストがたくさん載っているわりに価格は安い。
カラーイラストは、ポスターみたいな惑星ごとの扉絵、”観光名所”の位置がわかる地図、架空の宿泊施設図、宇宙船の航行ルートなど、遊び心があって楽しい。内容も、科学的な説明は詳しくないけど、基本的なポイントは抑えていて、コンパクトで分かりやすい。
その名の通り観光ガイドブック風の構成で、”観光名所”ごとに項目を立てて、特徴を紹介しているので、旅行ガイドブックを見ているような気分で楽しい。
『太陽系旅行ガイド』に比べて、科学的・理論的な説明は簡略化されているので、スラスラ読めるし、太陽系内の惑星ガイドブックのなかでは、惑星・衛星の個別スポットに関する説明が一番多いと思う。
ただし、創作部分も多いので事実と創作の境界に気をつける必要があるし、観光気分を出すための余計な文章もいろいろ挿入されているのが邪魔ではある。それでも、太陽系旅行のイメージを膨らませるのにぴったりで、楽しく読めるのが◎。
『太陽系旅行ガイド』は、体裁・内容が学術書風。惑星・衛星の組成・気候・地質などの特徴の説明主体で、『太陽系観光読本』と違って、惑星内の地理的説明は少ない。宇宙船による航中方法に関する部分が結構詳しく、宇宙船の構造、航法(スイングバイなど)の説明が多い。
ほとんど文章だけで、図表は数点載っているだけのみ。特に太陽系の航路がイメージしにくい。『太陽系観光旅行読本』に載っている航路図を見ると、本書の記述している内容が多少は理解しやすくなる。
創作部分は少ないし、その部分は「現実棚上げ装置」を導入..と明記しているので、事実と混同することはない。
なぜか一番印象に残ったのが、「クマムシ」の話。太陽系内の惑星の苛酷な環境に適応できる可能性があるという。
遺伝子が明かす、最強生物クマムシの強さと進化の道筋
「最強生物」クマムシ、衝撃のDNA構成が判明 外来DNAが17.5%、乾燥、低温、放射線など驚異のストレス耐性を強化?低温から高温、高線量の放射線や紫外線、地球上の自然にはありえない高圧にも……。
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この2冊と『惑星・太陽の大発見』があれば、太陽系内の惑星・衛星に関してかなりわかるし、『宇宙図鑑』には大き目のカラー写真がたくさん載っているから、これだけ情報が集まったら当分本を読んで楽しめる時間がたっぷりある。
おまけで面白かったのが『Google Earthで行く火星旅行』。図書館で見つけたので読んでみた。
Google Earthで見ることができる火星の画像が載っている。ガイドと旅行者の対話形式で火星旅行するストーリー。ガイドのセリフのなかで各スポット(クレーター、砂漠、峡谷)や砂嵐などについて説明されている。
読みやすくわかりやすいので、素人の私にはかなり理解しやすい。でも、旅行中の会話になるので、無駄な文章も多いし、価格のわりの頁数が少ないと思う。
火星の写真のなかで、3D画像で見ることができるものがかなり載っている。モノクロ写真の上に赤と青のラインが印刷されているので、付属している赤青メガネで見ると、3Dの立体画像になる。(でも、メガネなしで写真を見ると、赤青ラインが邪魔して地形が不明瞭になる。)
でも、もし数百年後に生まれていて宇宙旅行が一般的になっていたら、宇宙船に乗ってあちこち旅行しているかも。
その時代でも太陽系内くらいしかまだ旅行できない気はするし、現時点で系内探査衛星から送られてきた惑星・衛星の写真やデータを見れば、地球みたいに北から南まで景色の美しい場所に恵まれている惑星や衛星はない。火星とかをテラフォーミング(地球化)したら、観光地になるとかいうのは、(少なくとも今のところは)SFの世界のお話。
amazonや近くの本屋さんで見つけたのは、『太陽系観光読本』と『太陽系旅行ガイド』。実際に太陽系旅行に行けなくても、本を読めば多少なりとも旅行気分に浸れる。
『太陽系観光読本』は、厚めでツルツルの紙質が良く、カラーイラストがたくさん載っているわりに価格は安い。
カラーイラストは、ポスターみたいな惑星ごとの扉絵、”観光名所”の位置がわかる地図、架空の宿泊施設図、宇宙船の航行ルートなど、遊び心があって楽しい。内容も、科学的な説明は詳しくないけど、基本的なポイントは抑えていて、コンパクトで分かりやすい。
その名の通り観光ガイドブック風の構成で、”観光名所”ごとに項目を立てて、特徴を紹介しているので、旅行ガイドブックを見ているような気分で楽しい。
『太陽系旅行ガイド』に比べて、科学的・理論的な説明は簡略化されているので、スラスラ読めるし、太陽系内の惑星ガイドブックのなかでは、惑星・衛星の個別スポットに関する説明が一番多いと思う。
ただし、創作部分も多いので事実と創作の境界に気をつける必要があるし、観光気分を出すための余計な文章もいろいろ挿入されているのが邪魔ではある。それでも、太陽系旅行のイメージを膨らませるのにぴったりで、楽しく読めるのが◎。
![]() | 太陽系観光旅行読本:おすすめスポット&知っておきたいサイエンス (2018/2/27) オリヴィア・コスキー (著), ジェイナ・グルセヴィッチ (著), |
『太陽系旅行ガイド』は、体裁・内容が学術書風。惑星・衛星の組成・気候・地質などの特徴の説明主体で、『太陽系観光読本』と違って、惑星内の地理的説明は少ない。宇宙船による航中方法に関する部分が結構詳しく、宇宙船の構造、航法(スイングバイなど)の説明が多い。
ほとんど文章だけで、図表は数点載っているだけのみ。特に太陽系の航路がイメージしにくい。『太陽系観光旅行読本』に載っている航路図を見ると、本書の記述している内容が多少は理解しやすくなる。
創作部分は少ないし、その部分は「現実棚上げ装置」を導入..と明記しているので、事実と混同することはない。
なぜか一番印象に残ったのが、「クマムシ」の話。太陽系内の惑星の苛酷な環境に適応できる可能性があるという。



![]() | 太陽系旅行ガイド (2017/11/28) マーク トンプソン |
この2冊と『惑星・太陽の大発見』があれば、太陽系内の惑星・衛星に関してかなりわかるし、『宇宙図鑑』には大き目のカラー写真がたくさん載っているから、これだけ情報が集まったら当分本を読んで楽しめる時間がたっぷりある。
おまけで面白かったのが『Google Earthで行く火星旅行』。図書館で見つけたので読んでみた。
Google Earthで見ることができる火星の画像が載っている。ガイドと旅行者の対話形式で火星旅行するストーリー。ガイドのセリフのなかで各スポット(クレーター、砂漠、峡谷)や砂嵐などについて説明されている。
読みやすくわかりやすいので、素人の私にはかなり理解しやすい。でも、旅行中の会話になるので、無駄な文章も多いし、価格のわりの頁数が少ないと思う。
火星の写真のなかで、3D画像で見ることができるものがかなり載っている。モノクロ写真の上に赤と青のラインが印刷されているので、付属している赤青メガネで見ると、3Dの立体画像になる。(でも、メガネなしで写真を見ると、赤青ラインが邪魔して地形が不明瞭になる。)
![]() | Google Earthで行く火星旅行 (岩波科学ライブラリー) (2012/8/2) 後藤 和久 (著), 小松 吾郎 (著) |