*All archives*



”お墓”にまつわるピアノ曲
お盆の恒例行事は、近くにある菩提寺の盂蘭盆会と墓参りに行くこと。
数年前までは飯森霊園にお墓参りに行っていたけど、「墓じまい」したので、今はお墓参りも菩提寺で。
盂蘭盆会に行く楽しみと言えば、食堂でふるまわれる黒蜜がけの「ところてん」。昨年はコロナ対策のため飲食中止になり、粗供養として鼓月の「千寿せんべい」(8枚入り)をいただいた(3月のお彼岸の時も同じだった)。「千寿せんべい」なら家の仏壇にお供えできるし、とても美味しくて大好きなので、「ところてん」より嬉しい。今年はなぜか佐賀の伝統菓子で、村岡総本舗の「丸ぼうろ」(13個入り)。お盆なので親族で分け合えるように、数が多いお菓子にしたのかもしれない。

”お墓”にまつわるピアノ曲といえば、すぐに思い浮かぶのがラヴェル《クープランの墓》
この曲自体はあまり知らなくて、小曽根真&ゲイリー・バートンのデュオアルバムでジャズ風にアレンジされた「前奏曲」がとても素敵で好きになった曲。特にバートンが弾くヴィブラフォンの煌く音色と残響が夢想(ファンタジー)のように綺麗。「前奏曲」に限っていえば、ピアノソロよりも好きだと思う。

Gary Burton & Makoto Ozone - 5. Le tombeau de Couperin (Live @ Montreux 2002)


Maurice Ravel: Le Tombeau de Couperin (Piano: Louis Lortie)



作曲家への追悼曲なら数多くあるけれど、その墓や墓碑銘をテーマにした曲はずっと少ない。

ファリャ《クロード・ドビュッシーの墓碑銘のための讃歌》
ドビュッシー風のリズムと旋律和声がちょっとたどたどしげでユーモラス。

Manuel de Falla - Homenaje "Pour Le tombeau de Claude Debussy" (piano)


リスト《リヒャルト・ワーグナーの墓に》
Cyprien Katsaris live in Shanghai, 2005 - Liszt: Am Grabe Richard Wagners, S. 135


なぜか「ポール・デュカス」の墓をテーマにした曲がいくつもある。
 ファリャ《ポール・デュカースの墓碑銘のための賛歌》
 フロランシュミット《壊れた鎖 第1曲 ポール・デュカスの墓碑銘 Op.87》
 メシアン《ポール・デュカスの墓前への小品》

タカーチ《4つの墓碑 Op.79》は、「パウル・ヒンデミットのためのプレリュード」,「クロード・ドビュッシーのためのエレジー」,「アルバン・ベルクのための断片」,「ベラ・バルトークのためのノクターン」の4曲。録音は少ない。


次は、特定の作曲家の墓以外をテーマにしたピアノ曲。

ドヴォルザーク《詩的な音画》「英雄の墓にて」
リストの《巡礼の年》に出てくるような旋律が美しくドラマティック。他の曲を聴いても、《詩的な音画》という曲集名どおり、詩情豊かな曲ばかり。ブラームスが「ドヴォルザークがゴミ箱に捨てたメロディをかき集めれば、私は交響曲を1曲書ける」とか言ったというエピソードは有名。

Poetic Tone Pictures, Op. 85: No.12, At the Hero's Grave: Grave, tempo di marcia



ムソルグスキー《:組曲「展覧会の絵」 ~「カタコンブ-ローマ時代の墓」
ポゴレリチが弾くと、死者に満たされた「カタコンブ」の外界から隔絶された静寂さと静止した時間を強く感じる。
Mussorgsky: Pictures At An Exhibition - For Piano - The Catacombs (Sepulchrum Romanum) .Largo -...


ムソルグスキー《組曲「展覧会の絵」》~「死せる言葉による死者への呼びかけ」
カタコンヴから続いて演奏される曲。低音には死の雰囲気が漂い、高音のトレモロは時に不気味さが漂っているけど、静謐で清々しく美しい。中音域の息の長い旋律は安らかな眠りのよう。
Mussorgsky: Pictures At An Exhibition - For Piano - Con mortuis in lingua mortua.Andante non...



ドビュッシー《6つの古代の墓碑銘~「無名の墓のために」(ピアノソロ版)》
古代ギリシャへの憧憬が込められた瀟洒な曲集の一曲。人の気配がしない静けさは、誰も訪れることのない墓の風景みたい。

Debussy Épigraphes Antiques



コダーイ《7つの小品》~「墓碑銘」》
旋律や和声がヤナーチェクに似ていて、こういう作風はかなり好き。昔書いた記事を調べたら、「コダーイ/ピアノ作品集」があって、やはり《7つの小品》が気に入ったと書いていた。(この曲も記事を書いたことも、すっかり忘れていたけど)

Hét zongoradarab Op. 11 4. Sírfelirat. Rubato



W. リーム《ピアノ小品第5番 「墓」》
現代音楽のなかでも、錯綜する旋律と和声に少し調性感があり、響き自体は綺麗なので、結構聴きやすい。でも、似たような旋律が9分近く続くので、途中で飽きてしまった。
Wolfgang Rihm - Klavierstück Nr. 5 Tombeau - Yulianna Avdeeva, piano


佐藤敏直《ピアノ淡彩画帖》「くすんだ緑と墓石の子守」は、4分足らずの小品。ミステリアスで少しオドロオドロしい雰囲気が漂っていて、現代的でも聴きやすくて美しい曲。



[追記]
「丸ぼうろ」は1個25g前後と軽いのに、原材料の大半が小麦粉と砂糖・はちみつ・みりんで、炭l水化物が約20gとやたらに多い。水分が少なくて軽いので、1個食べても全然食べた気がせず、もう1個食べたくなる。

「丸ぼうろ」のおいしい食べ方は、リベイクしてバターを塗る、アイスクリームをのせる、牛乳に浸す、など。
試した食べ方は、
1)冷凍する ⇒ 冷凍カステラは美味しいけど、冷凍丸ぼうろは水分が少ないので、さらにスカスカしただけだった。
2)クリープを溶かしたお湯に浸す ⇒ 味はまるでカステラ。甘くて美味しい。甘味料(砂糖、はちみつ等)を大量に使っているのがよくわかる。(食べ過ぎ注意)
3)ヨーグルトに浸して冷凍 ⇒ 砂糖入りの硬いフローズンヨーグルトになって、結構美味しい。ヨーグルトでかさ増し効果があるので、丸ぼうろ1/4個分(糖質5g)だけでも、ちょっとした口直しのデザートになる。
4)トースターで焼く ⇒ 焼き直しただけでも、皮がカリカリして美味しい。
食べ過ぎ防止には、少量でも満足感のあるフローズンヨーグルトがベスト。

Secret
(非公開コメント受付中)

カレンダー
08 | 2023/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
ブログ内検索
最近の記事
最近のコメント
カテゴリー
タグリスト
マウスホイールでスクロールします

月別アーカイブ

MONTHLY

記事 Title List

全ての記事を表示する

リンク (☆:相互リンク)
FC2カウンター
プロフィール

yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、ミンナール、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;アリステア・マクリーン、エドモンド・ハミルトン、太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

お知らせ
ブログ記事はリンクフリーです。ただし、無断コピー・転載はお断りいたします。/ブログ記事を引用される場合は、出典(ブログ名・記事URL)を記載していただきますようお願い致します。(事前・事後にご連絡いただく必要はありません)/スパム投稿や記事内容と関連性の薄い長文のコメント、挙動不審と思われるアクセス行為については、管理人の判断で削除・拒否いたします。/スパム対策のため一部ドメインからのコメント投稿ができません。あしからずご了承ください。