2021.09/14 [Tue]
ジョナタン・フルネル ~ エリザベート王妃国際コンクール・ライブ
新譜情報で知ったピアニスト、ジョナタン・フルネルは2021年エリザベート王妃国際コンクールの優勝者。コンクール情報は全くチェックしていないので、誰か優勝したのか知るのは、日本人ならウェブニュースを読んで、日本人以外なら新譜情報を見て。
新譜はブラームスの《ピアノ・ソナタ第3番》と《ヘンデルの主題による変奏曲》の2曲。ブラームス好きな私は興味を惹かれて、試聴ファイルが見つからなかったので、コンクールのライブ演奏を聴いてみた。
ブラームスの《ピアノ協奏曲第2番》と《ヘンデルの主題による変奏曲』は直感的にピタっと来るものがなく(スタジオ録音のCDを聴けば印象が違うかも)、ショパンの《夜想曲》と《黒鍵のエチュード》がとても良かった。
ヘンデルヴァリエーションは、指回りは結構良いけど、ミスタッチが散見される。色彩感とソノリティは多彩でも、急速部のタッチがちょっと粗い(丁寧でない)感じがする。
まず冒頭のアリアを聴いて、主題にしては表現がちょっと素っ気ない。高速で重音移動する変奏では、力感・量感豊かに弾くのは力技とはいえ、タッチがちょっと荒っぽくバタついて、低音の重音が濁っていたりする。(特に第4変奏の演奏で目立つ)
Brahms Variations & Fugue on a Theme by Haendel | Jonathan Fournel Queen Elisabeth Competition 2021
《ピアノ協奏曲第2番》が、コンクールの演奏なので仕方がないけど、第1楽章は細かいところでミスタッチが結構ある。音の線がやや細めでシャープなので、重音でも音の分離が良い。大小の起伏が細やかにあり、表情豊かで叙情的。線が細いので量感と力感は少し弱いかも。第2楽章の難所はスムーズ。
Brahms Concerto n. 2 in B flat major op. 83 | Jonathan Fournel - Queen Elisabeth Competition 2021
演奏としては、ブラームスではなくて、ショパンの《夜想曲Op.62-1》が好き。ちょっと粘りのあって抑揚豊かなフレージングに大きく揺れるテンポに力強いトリルとか、アーティキュレーションが面白いし、濃密な情感は「夜想曲」というよりは「バラード」みたい。
Chopin Nocturne n. 17 in B major op. 62/1 | Jonathan Fournel - Queen Elisabeth Competition 2021
いつもは単調さを感じる《黒鍵のエチュード》も、滑らかなフージングに歌うように細やかな起伏があり、タッチの変化でソノリティも多彩。表情豊かで聴いていてとても楽しくて、フルネルのショパンアルバムなら、CD買って聴いてみたいと思うくらい。
Chopin Etude in G flat major op. 10/5 | Jonathan Fournel - Queen Elisabeth Competition 2021
![]() | ブラームス: ピアノ・ソナタ 第3番 ほか (2021年10月22日) ジョナタン・フルネル |
新譜はブラームスの《ピアノ・ソナタ第3番》と《ヘンデルの主題による変奏曲》の2曲。ブラームス好きな私は興味を惹かれて、試聴ファイルが見つからなかったので、コンクールのライブ演奏を聴いてみた。
ブラームスの《ピアノ協奏曲第2番》と《ヘンデルの主題による変奏曲』は直感的にピタっと来るものがなく(スタジオ録音のCDを聴けば印象が違うかも)、ショパンの《夜想曲》と《黒鍵のエチュード》がとても良かった。
ヘンデルヴァリエーションは、指回りは結構良いけど、ミスタッチが散見される。色彩感とソノリティは多彩でも、急速部のタッチがちょっと粗い(丁寧でない)感じがする。
まず冒頭のアリアを聴いて、主題にしては表現がちょっと素っ気ない。高速で重音移動する変奏では、力感・量感豊かに弾くのは力技とはいえ、タッチがちょっと荒っぽくバタついて、低音の重音が濁っていたりする。(特に第4変奏の演奏で目立つ)
Brahms Variations & Fugue on a Theme by Haendel | Jonathan Fournel Queen Elisabeth Competition 2021
《ピアノ協奏曲第2番》が、コンクールの演奏なので仕方がないけど、第1楽章は細かいところでミスタッチが結構ある。音の線がやや細めでシャープなので、重音でも音の分離が良い。大小の起伏が細やかにあり、表情豊かで叙情的。線が細いので量感と力感は少し弱いかも。第2楽章の難所はスムーズ。
Brahms Concerto n. 2 in B flat major op. 83 | Jonathan Fournel - Queen Elisabeth Competition 2021
演奏としては、ブラームスではなくて、ショパンの《夜想曲Op.62-1》が好き。ちょっと粘りのあって抑揚豊かなフレージングに大きく揺れるテンポに力強いトリルとか、アーティキュレーションが面白いし、濃密な情感は「夜想曲」というよりは「バラード」みたい。
Chopin Nocturne n. 17 in B major op. 62/1 | Jonathan Fournel - Queen Elisabeth Competition 2021
いつもは単調さを感じる《黒鍵のエチュード》も、滑らかなフージングに歌うように細やかな起伏があり、タッチの変化でソノリティも多彩。表情豊かで聴いていてとても楽しくて、フルネルのショパンアルバムなら、CD買って聴いてみたいと思うくらい。
Chopin Etude in G flat major op. 10/5 | Jonathan Fournel - Queen Elisabeth Competition 2021
- at 12:00
- [【音楽日記】: ♪ピアニスト(現代音楽以外)]
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夜想曲 素敵ですね
あの時は失礼しました。
で 私 相変わらず音楽聴いてます。
ショパンの《夜想曲Op.62-1》素敵ですね。
もともと夜想曲では「人生悟って回顧してるのかショパン OP62・・・」
つまりこの曲とお隣の62-2が 最も好きですが
仰る通りバラードみたいでとても印象に残る演奏。
私も彼のショパンCDなら買いたいなぁと思います!