ジム&ジェイミー・ダッチャー『オオカミたちの隠された生活』
2022.06.03 18:00| ・・ 野生動物|
オオカミの関するノンフィクションを読みたくて探してみたところ、野生オオカミの群れの観察記録はそれほど多くはない。
ジム・ブランデンバーグの2冊『白いオオカミ-北極の伝説に生きる』と『ブラザー・ウルフ』、ショーン・エリス『狼の群れと暮らした男』(野生以外に保護施設のオオカミたちとも暮らしている)、ギュンター・ブロッホ『30年にわたる観察で明らかにされたオオカミたちの本当の生活 パイプストーン一家の興亡』くらいしか見つからなかった。
ニック・ジャンズ『ロミオと呼ばれたオオカミ』は、野生のオオカミだけど、群れから離れたはぐれ?オオカミの話。北極圏のオオカミ一家のノンフィクションとして発表されたファーリー・モウェット『狼が語る ネバー・クライ・ウルフ』は実は創作したフィクション。
非(半)野生オオカミの観察記録としては、エリック・ツィーメン『オオカミ その行動・生態・神話』、ヴェルナー・フロイント『オオカミと生きる』(”超アルファ”として文字通りオオカミたちと一緒に暮らしている)、ジム&ジェイミー・ダッチャー『オオカミたちの隠された生活』では、オオカミを乳児期から人間が育てるか、保護施設や動物園からもらい受けて、野外の囲い地に放している。
このなかでは『オオカミたちの隠された生活』の観察方法が、一番人間の介入が少なく、オオカミの囲い地も10haと広大で、野生に近い環境でオオカミたちの生活を観察していると思う。乳児期の数週間は人間が育てているとはいえ、それ以降のオオカミたちの生活に人間が介入することはできる限り控え、オオカミたちが群れとして自由に暮らしている。ただし、柵に囲まれた囲い地なので狩猟対象(エルクやウシなど)の野生動物がほとんどおらず、近くのハイウェイで交通事故死したエルクなどの死体を人間が囲い地に置き、オオカミたちがそれを見つけて食べている。
ソートゥース・パックは、著者で野生生物映画監督のジム・ダッチャーがオオカミたちの生態をより詳しく観察する目的で、州政府の許可を得て、アイダホ州ソートゥース国有森林内にオオカミたちを放つ野営地を設置し、周囲を柵で囲った囲い地で生活していたオオカミの群れ(オオカミの群れは「パック」、ライオンなら「プライド」)。
同種の囲い地のなかでは、面積が10haと広大で最大(ツィーメンのバイエルン森国立公園の囲い地は6ha、フロイントが作った囲い地は最大で2haくらい)で、広大な自然のなかで自由に暮らすオオカミたちの行動は野生のオオカミに近いと思う。
野生のオオカミとの最大の相違点は、1)著者たちがを哺乳瓶で育てたことで人間に(少なくとも著者夫妻には)慣れている、2)親オオカミから教育されていない(カモッツとラコタは実の親ではない雄のアカイと雌のマクイと一緒に短期間生活していた)、3)餌の調達方法が主に野生動物の狩りではなく、著者たちが敷地に置いた(交通事故で死んだ)エルクの屍肉をスカベンジする。(scavenge:死んだ動物やその残骸の肉をあさって食べること)。
写真がどれも鮮明で綺麗で、撮影場面や構図がバラエティに富んでいるので、オオカミたちの生活や「オオカミ関係」(特にアルファのカモッツ、オメガのラコタ、ベータのマッツィに関して)が写真と説明でよくわかる。
本書に出てくる子オオカミは全て著者たちが産まれてすぐに育てているので、オオカミたちは著者2人は”仲間”と見なしているらしい。著者たちの顔の真ん前で撮影した写真もあるくらい2人を警戒していないし、ジェイミーが木の根元でカメラで撮影しているところに寄ってきて、オオカミと顔をじっと見つめ合ったりしている(この写真が一番好き)。彼らの親しさは犬と人間の関係と同じに見えてきて、犬の先祖がオオカミだったのを思い出させる。
狩猟場面の写真がほとんどないのは、もともと狩猟する機会が少なかったせいに違いない。囲い地は完全に柵で覆われているので、外部からシカなどの獲物が入ってくることはないし(ピューマは侵入できた)、囲い地内で狩りができるとしてもウサギとかリスなどの小型動物だろう。囲い地外でオオカミを飼育することは行政から許可されておらず、囲い地外に出ることができたとしてもハンターに狙われたり、家畜を襲えば必ず射殺されるから、人間がオオカミたちの食糧を調達する必要があった。
3頭の子オオカミの出産前後の様子。母親のが巣穴を掘っているのを観て、他のオオカミも穴を掘ったり、出産直後にはかわるがわる穴をのぞき込んだり、興奮して騒いだり「お祭り騒ぎ」。
オオカミたちがお喋りする様子は、まるでチューバッカが話しているような口調。
(ソートゥースパックとは関係ないが)オオカミが家畜を殺した場合に支給される補償金の仕組みが逆効果。オオカミでなければ補償金が出ないので、酪農家にとってはオオカミが殺したことにした方が都合が良い。たとえ”犯人”がオオカミでなくても、調査官がオオカミだと認定しているケースも少なからずあり、オオカミが家畜を襲うという”事実”により、オオカミたちの狩猟が正当化されていくことになる。
プロジェクト終了後のソートゥースパックの終の棲家として、ネズ・パース族が居住地内に8頭のオオカミたちを引き取ってくれた。
8頭が去った後、ソートゥースの囲い地があった場所に野生のオオカミの群れが住みついたが、家畜を襲った疑いで管理官によって全て駆除されてしまった。
ソートゥースパックのドキュメンタリーは数種類製作されている。
<Jim & Jamie Dutcher: The Hidden Life of Wolves | Nat Geo Live>
本書の紹介映像。
<Living With Wolves>
ソートゥースパックのドキュメンタリー映像。
Living With Wolves Documentary
ソートゥースパックの誕生からネズ・パース族の居留地に移転してプロジェクトが終了し、その数年後にソートゥースを再訪したダッチャー夫妻が新しいオオカミたちの足跡と姿を目撃した頃まで。
Living With Wolves part 1:プロローグ
Living With Wolves part 2:プロローグ- チェムクの出産した子犬たちの姿、過去に撮影したビーバーとピューマのドキュメンタリー。
Living With Wolves part 3:ソートゥース囲い地の設営。雄のアカイとメスのマクイをキャンプへ移送。
Living With Wolves part 4:生後間もないのカモッツ、ラコタ、モトキをジム・ダッチャーが数週間育て、養親となるアカイとマクイと合流される。
Living With Wolves part 5:子オオカミを恐れて群れから孤立するマクイ。パックを支配するのは雄のアカイではなく、子オオカミのカモッツ。
Living With Wolves part 6:白内障手術を受けるマクイ。マクイは手術後も群れに馴染まず、人間に警戒心を持ち続けるアカイとマクイを保護施設へ移す。
Living With Wolves part 7:ピューマに殺されたモタキを発見。その後、新しい子オオカミ3頭(マツィ、黒い毛色のモトモ、アマニ)をパックに加える。
Living With Wolves part 8:ジャイミーが新しくプロジェクトに加わり、ワシントンDCからソートゥースの囲い地へやってくる。
Living With Wolves part 9:オオカミたちの生活、コミュニケーション
Living With Wolves part10:オオカミたちの生活、コミュニケーション
Living With Wolves part11:カモッツとチェムクがつがいになる。
Living With Wolves part 12:ネズ・パース族の女性が囲い地を訪れパックを見学。ネズ・パーズ族と合意し、居留地へパックが引っ越し
Living With Wolves part 13:パックが新しい環境に慣れた頃に、ダッチャー夫妻がネズ・パース族居留地を訪れパックと再会
Living With Wolves Part 14-Final:数年後にソートゥースの囲い地を訪れたダッチャー夫妻が新しいオオカミたちの足跡と姿を見つける
<Living With Wolves Part 1>
<Wolf: Return of a Legend>
同じくダッチャープロダクションが製作したソートゥースパックの初期のドキュメンタリー。
アカイとマクイ、最初に加わった子オオカミ4頭(カモッツ、ラコタ、モトキ、名まえ不明の1頭)、そのモトキがピューマに殺された後、新しい子オオカミ3頭(マツィ、黒い毛色のモトモ、アマニ)パックに加わり、まだジェイミーが加わっていない。
ジム・ダッチャーは、オオカミたちのドキュメンタリーを製作するために、異なるレスキューセンターから大人のオスとメスのオオカミを各1頭借りた。2頭がアルファペアになって、後で加える予定の子オオカミたちを育て、新しいパックをつくることを期待していた。
2頭とも施設で育ったので人間には慣れていた。アカイとマクイはすぐにお互いに慣れたが、その後に子オオカミたちがパックに加わると、マクイはなぜか子オオカミを恐れて、群れから離れていく。アカイはアルファオスとして、子オオカミたちを引き連れてテリトリーを案内する。
マクイはパックには近づいかずに孤立している。空腹であっても屍肉を食べている群れに加わらないないし、パックのオオカミたちもマクイが一緒に肉を食べるのを許さないだろうから、ダッチャーがひとりでいるマクイの元に肉を持っていく。
ある日、マクイがカメラを嫌がるので、ダッチャーは白内障で片目がよく見えない状態なのを発見した。目が見えれるようになれば孤立した状況が変わると考えたダッチャーは白内障手術を手配する。手術が成功して目が見えるようになっても、状況は変わらなかったので、結局マクイを元の保護施設に戻した。
両方のドキュメンタリー映像では、最初に加えられた子オオカミが4頭いる。一方で、写真集と、その後で出版された『オオカミの知恵と愛 ソートゥース・パックと暮らしたかけがえのない日々』には、子オオカミは3頭しか出てこない。名前もわからない4頭目はどうなったんだろう?
ジム・ブランデンバーグの2冊『白いオオカミ-北極の伝説に生きる』と『ブラザー・ウルフ』、ショーン・エリス『狼の群れと暮らした男』(野生以外に保護施設のオオカミたちとも暮らしている)、ギュンター・ブロッホ『30年にわたる観察で明らかにされたオオカミたちの本当の生活 パイプストーン一家の興亡』くらいしか見つからなかった。
ニック・ジャンズ『ロミオと呼ばれたオオカミ』は、野生のオオカミだけど、群れから離れたはぐれ?オオカミの話。北極圏のオオカミ一家のノンフィクションとして発表されたファーリー・モウェット『狼が語る ネバー・クライ・ウルフ』は実は創作したフィクション。
非(半)野生オオカミの観察記録としては、エリック・ツィーメン『オオカミ その行動・生態・神話』、ヴェルナー・フロイント『オオカミと生きる』(”超アルファ”として文字通りオオカミたちと一緒に暮らしている)、ジム&ジェイミー・ダッチャー『オオカミたちの隠された生活』では、オオカミを乳児期から人間が育てるか、保護施設や動物園からもらい受けて、野外の囲い地に放している。
このなかでは『オオカミたちの隠された生活』の観察方法が、一番人間の介入が少なく、オオカミの囲い地も10haと広大で、野生に近い環境でオオカミたちの生活を観察していると思う。乳児期の数週間は人間が育てているとはいえ、それ以降のオオカミたちの生活に人間が介入することはできる限り控え、オオカミたちが群れとして自由に暮らしている。ただし、柵に囲まれた囲い地なので狩猟対象(エルクやウシなど)の野生動物がほとんどおらず、近くのハイウェイで交通事故死したエルクなどの死体を人間が囲い地に置き、オオカミたちがそれを見つけて食べている。
![]() | オオカミたちの隠された生活 (2014/5/2) ジム&ジェイミー・ダッチャー (著) |
ソートゥース・パックは、著者で野生生物映画監督のジム・ダッチャーがオオカミたちの生態をより詳しく観察する目的で、州政府の許可を得て、アイダホ州ソートゥース国有森林内にオオカミたちを放つ野営地を設置し、周囲を柵で囲った囲い地で生活していたオオカミの群れ(オオカミの群れは「パック」、ライオンなら「プライド」)。
同種の囲い地のなかでは、面積が10haと広大で最大(ツィーメンのバイエルン森国立公園の囲い地は6ha、フロイントが作った囲い地は最大で2haくらい)で、広大な自然のなかで自由に暮らすオオカミたちの行動は野生のオオカミに近いと思う。
野生のオオカミとの最大の相違点は、1)著者たちがを哺乳瓶で育てたことで人間に(少なくとも著者夫妻には)慣れている、2)親オオカミから教育されていない(カモッツとラコタは実の親ではない雄のアカイと雌のマクイと一緒に短期間生活していた)、3)餌の調達方法が主に野生動物の狩りではなく、著者たちが敷地に置いた(交通事故で死んだ)エルクの屍肉をスカベンジする。(scavenge:死んだ動物やその残骸の肉をあさって食べること)。
写真がどれも鮮明で綺麗で、撮影場面や構図がバラエティに富んでいるので、オオカミたちの生活や「オオカミ関係」(特にアルファのカモッツ、オメガのラコタ、ベータのマッツィに関して)が写真と説明でよくわかる。
本書に出てくる子オオカミは全て著者たちが産まれてすぐに育てているので、オオカミたちは著者2人は”仲間”と見なしているらしい。著者たちの顔の真ん前で撮影した写真もあるくらい2人を警戒していないし、ジェイミーが木の根元でカメラで撮影しているところに寄ってきて、オオカミと顔をじっと見つめ合ったりしている(この写真が一番好き)。彼らの親しさは犬と人間の関係と同じに見えてきて、犬の先祖がオオカミだったのを思い出させる。
狩猟場面の写真がほとんどないのは、もともと狩猟する機会が少なかったせいに違いない。囲い地は完全に柵で覆われているので、外部からシカなどの獲物が入ってくることはないし(ピューマは侵入できた)、囲い地内で狩りができるとしてもウサギとかリスなどの小型動物だろう。囲い地外でオオカミを飼育することは行政から許可されておらず、囲い地外に出ることができたとしてもハンターに狙われたり、家畜を襲えば必ず射殺されるから、人間がオオカミたちの食糧を調達する必要があった。
3頭の子オオカミの出産前後の様子。母親のが巣穴を掘っているのを観て、他のオオカミも穴を掘ったり、出産直後にはかわるがわる穴をのぞき込んだり、興奮して騒いだり「お祭り騒ぎ」。
オオカミたちがお喋りする様子は、まるでチューバッカが話しているような口調。
(ソートゥースパックとは関係ないが)オオカミが家畜を殺した場合に支給される補償金の仕組みが逆効果。オオカミでなければ補償金が出ないので、酪農家にとってはオオカミが殺したことにした方が都合が良い。たとえ”犯人”がオオカミでなくても、調査官がオオカミだと認定しているケースも少なからずあり、オオカミが家畜を襲うという”事実”により、オオカミたちの狩猟が正当化されていくことになる。
プロジェクト終了後のソートゥースパックの終の棲家として、ネズ・パース族が居住地内に8頭のオオカミたちを引き取ってくれた。
8頭が去った後、ソートゥースの囲い地があった場所に野生のオオカミの群れが住みついたが、家畜を襲った疑いで管理官によって全て駆除されてしまった。
ソートゥースパックのドキュメンタリーは数種類製作されている。
<Jim & Jamie Dutcher: The Hidden Life of Wolves | Nat Geo Live>
本書の紹介映像。
<Living With Wolves>
ソートゥースパックのドキュメンタリー映像。

ソートゥースパックの誕生からネズ・パース族の居留地に移転してプロジェクトが終了し、その数年後にソートゥースを再訪したダッチャー夫妻が新しいオオカミたちの足跡と姿を目撃した頃まで。
Living With Wolves part 1:プロローグ
Living With Wolves part 2:プロローグ- チェムクの出産した子犬たちの姿、過去に撮影したビーバーとピューマのドキュメンタリー。
Living With Wolves part 3:ソートゥース囲い地の設営。雄のアカイとメスのマクイをキャンプへ移送。
Living With Wolves part 4:生後間もないのカモッツ、ラコタ、モトキをジム・ダッチャーが数週間育て、養親となるアカイとマクイと合流される。
Living With Wolves part 5:子オオカミを恐れて群れから孤立するマクイ。パックを支配するのは雄のアカイではなく、子オオカミのカモッツ。
Living With Wolves part 6:白内障手術を受けるマクイ。マクイは手術後も群れに馴染まず、人間に警戒心を持ち続けるアカイとマクイを保護施設へ移す。
Living With Wolves part 7:ピューマに殺されたモタキを発見。その後、新しい子オオカミ3頭(マツィ、黒い毛色のモトモ、アマニ)をパックに加える。
Living With Wolves part 8:ジャイミーが新しくプロジェクトに加わり、ワシントンDCからソートゥースの囲い地へやってくる。
Living With Wolves part 9:オオカミたちの生活、コミュニケーション
Living With Wolves part10:オオカミたちの生活、コミュニケーション
Living With Wolves part11:カモッツとチェムクがつがいになる。
Living With Wolves part 12:ネズ・パース族の女性が囲い地を訪れパックを見学。ネズ・パーズ族と合意し、居留地へパックが引っ越し
Living With Wolves part 13:パックが新しい環境に慣れた頃に、ダッチャー夫妻がネズ・パース族居留地を訪れパックと再会
Living With Wolves Part 14-Final:数年後にソートゥースの囲い地を訪れたダッチャー夫妻が新しいオオカミたちの足跡と姿を見つける
<Living With Wolves Part 1>
<Wolf: Return of a Legend>
同じくダッチャープロダクションが製作したソートゥースパックの初期のドキュメンタリー。
アカイとマクイ、最初に加わった子オオカミ4頭(カモッツ、ラコタ、モトキ、名まえ不明の1頭)、そのモトキがピューマに殺された後、新しい子オオカミ3頭(マツィ、黒い毛色のモトモ、アマニ)パックに加わり、まだジェイミーが加わっていない。
ジム・ダッチャーは、オオカミたちのドキュメンタリーを製作するために、異なるレスキューセンターから大人のオスとメスのオオカミを各1頭借りた。2頭がアルファペアになって、後で加える予定の子オオカミたちを育て、新しいパックをつくることを期待していた。
2頭とも施設で育ったので人間には慣れていた。アカイとマクイはすぐにお互いに慣れたが、その後に子オオカミたちがパックに加わると、マクイはなぜか子オオカミを恐れて、群れから離れていく。アカイはアルファオスとして、子オオカミたちを引き連れてテリトリーを案内する。
マクイはパックには近づいかずに孤立している。空腹であっても屍肉を食べている群れに加わらないないし、パックのオオカミたちもマクイが一緒に肉を食べるのを許さないだろうから、ダッチャーがひとりでいるマクイの元に肉を持っていく。
ある日、マクイがカメラを嫌がるので、ダッチャーは白内障で片目がよく見えない状態なのを発見した。目が見えれるようになれば孤立した状況が変わると考えたダッチャーは白内障手術を手配する。手術が成功して目が見えるようになっても、状況は変わらなかったので、結局マクイを元の保護施設に戻した。
両方のドキュメンタリー映像では、最初に加えられた子オオカミが4頭いる。一方で、写真集と、その後で出版された『オオカミの知恵と愛 ソートゥース・パックと暮らしたかけがえのない日々』には、子オオカミは3頭しか出てこない。名前もわからない4頭目はどうなったんだろう?