『ヴィルヘルム・バックハウス・エディション』(2) ショパン/練習曲集Op.10,Op.25(1928年録音)

    『ヴィルヘルム・バックハウス・エディション』  Disc3:ショパン/練習曲集(1928年録音)
    ヴィルヘルム・バックハウス・エディション(10CD)ヴィルヘルム・バックハウス・エディション(10CD)
    (2021年06月10日)
    バックハウス、ベーム、ウィーン・フィル、シューリヒト、グイド・カンテッリ、ニューヨーク・フィル、フェレンツ・フリッチャイ、スイス・ロマンド管、上田仁東京交響楽団



    多数のマイナーレーベルから出ているバックハウスの《ショパン:練習曲集》復刻版のなかで、このProfil盤は音が籠り気味で、特に低音がモコモコして、残響が重なった時に細部が聴き取りにくい。音自体はざらつきもなくまろやかで、輪郭の尖りもなく、とても聴きやすい。
    体感テンポは今の基準でも速い。タッチが軽やかで、細かいパッセージでも音の粒が揃って滑らか。どの曲も技巧的には余裕があるように聴こえる。精密なメカニックでさらさら弾いているわりに、メカニカルな印象はなく、逆に端正さを感じるくらい。
    籠った音質はともかく、今のヴィルトゥオーゾたちの演奏と引けを取らないくらいに、バックハウスは若い頃からに技巧レベルが高かったのがわかる。

    この練習曲集の評では、「ヴィルヘルム・バックハウス(Profil/Jan.1928)<世界初・全曲録音>」(分売盤の方)が演奏の特徴が分かりやすい。「特筆すべき点としては、全編を通して、左手の歌い方が抜群にう まいこと」というのは、確かにその通り。それに「別れの曲」のコメントが面白い。ほんとに「別れの曲」だけ(ちょっとぎこちない)ルバートをたっぷりかけてけ妙に情感籠ってロマンティック。

    Etudes, Op. 10: No. 3 in E Major, Op. 10, No. 3(分売盤の音源)


    右手は楽々弾いているような軽やかなレガートが綺麗。拍子(縦の線)もピタっと揃ってリズム感良いのが気持ちいい。
    12 Etudes, Op. 10: No. 1 in C Major, B. 59 "Waterfall"


    12 Etudes, Op. 10: No. 2 in A Minor, B. 59 "Chromatique"


    練習曲集の中では一番好きな曲。実演映像で見ると細かく素早い指の動きの鮮やかさが良くわかる曲。
    12 Etudes, Op. 10: No. 4 in C-Sharp Minor, B. 75 "Torrent"


    右手は蝶が舞うように軽やか、左手の旋律がリズミカルでくっきり聴こえる。冒頭の左手のリズムがちょっと洒落た感じ。
    12 Etudes, Op. 10: No. 5 in G-Flat Major, B. 57 "Black Keys"


    12 Etudes, Op. 10: No. 12 in C Minor, B. 67 "Revolutionary"


    12 Etudes, Op. 25: No.11 in A Minor, B. 83 "Winter Wind"


    12 Etudes, Op. 25: No. 12 in C Minor, B. 99 "Ocean"



    ↓の音源の方が籠り感がちょっとだけ少ないかもしれない。(ほとんど変わらない?)
    Chopin: Études Op. 10, Backhaus (1928) ショパン 12の練習曲作品10 バックハウス


    Chopin: Études Op. 25, Backhaus (1928) ショパン 12の練習曲作品25 バックハウス



    <参考情報>
    第23回 ショパン《練習曲集》の名盤を探る[An die Musik 開設11周年記念 「名盤を探る」]
    <バックハウスの旧名盤>について、「演奏時間が現在でも史上最短である曲が多いのですが、そのような猛スピードであるという実感はあまり感じません」。
    やっぱりテンポが速いのは間違いなかった。確かに”もの凄く速い”という感じはしなかったけど、それはタッチが軽やかでスラスラ弾いているので、”いかにも速いという勢い”を感じなかったせいかと思った。

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