気ままな生活

               ♪音楽と本に囲まれて暮らす日々の覚え書♪  

Entries

内藤晃『Paysage』

NMLで試聴してとても気に入ったピアノアルバム『Paysage』。ピアニストの内藤晃さんが設立・主宰するレーベルsonoritéから昨年リリースされていた。”paysage(ペイザージュ)”はフランス語で「風景」、「風景画」。風景画のようなカラフルな色彩感と多彩な響きのピアノにとても惹かれたのでCD購入。

PaysagePaysage
(2022/6/17)
内藤晃

<収録曲>
1. フランシス・プーランク/間奏曲 FP118
2. プーランク/愛の小径(編曲:内藤晃)
3. ガブリエル・フォーレ/言葉のないロマンス Op.17-3
4. フレデリック・ショパン/ワルツ Op.64-2
5. デオダ・ド・セヴラック/「セルダーニャ」~第2曲「祭〜ピュイセルダの思い出〜」
6. モーリス・ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ
7. フェデリコ・モンポウ/「風景」~第2曲「湖」
8. フォーレ/舟歌 第6番 op.70
9. フォーレ/ノクターン 第6番 Op.63
10. モンポウ/橋(ピアノ版) ※”El Pont de Montjuic”(モンジュイックの橋)と表記している録音もある。
11. セヴラック/「休暇の日々から」第1集~ 第7曲「ロマンティックなワルツ」
録音:2021年9月7-9日 小樽マリンホール、ピアノ:スタインウェイ

ブックレットは付いていない。デジパック(ツルツルした紙質で作りもしっかり)内側に書かれている文章を読むと、アルバムタイトルの由来は「心の奥にしまっていた大切な風景(Paysage)が浮かび上がるような」音楽。
ジャケットの絵はシンプルな構図とシックな色彩の絵がとても印象的。いろんなCDが画面に並んでいても浮き上がって見えるのでかなり目立つ。CD盤面にもこの絵が印刷されている。この惑星の縞模様みたいな絵は、「夜明け前の西の窓から、勿忘草色の地球影/Earth's shadowと、薄桃色や藤色のビーナスの帯/the Belt of Venusにであう」情景を描いたもの。

収録曲のなかで確実に覚えている曲はプーランク、ショパン、ラヴェル。フォーレは舟歌を聴いた記憶はあるけど、他の2曲は覚えていなかった。モンポウとセヴラックはたぶん初めて聴いた曲。最初に選曲を見た時は好きな曲がプーランクだけだったのに、最後まで聴くと、(苦手だったモンポウとフォーレも含めて)ほとんど好きな曲になっていて選曲が好みに合っていた。
ステレオで聴くと音響がとても良く、柔らかいピアノの響きがふんわり広がって耳に優しい。ピアノの音色はとても色彩感豊かで煌めきがあり、本当に綺麗。音色も響きも多彩で声部がくっきり明瞭で、立体感がとても鮮やか。時々1人じゃなくて2人で弾いているみたいに聴こえるくらい。音響もピアノの音も演奏もどれも素晴らしい。

大好きな作曲家プーランクの「間奏曲」と「愛の小径」は素敵な曲。カラフルな色彩感と立体感はまるで連弾しているみたいに聴こえる。特にピアノ編曲版の《愛の小径》はアルバムのなかで曲も演奏も一番好き。
Intermezzo No. 3 in A-Flat Major, FP 118


Léocadia: Les chemins de l'amour, FP 106 (Arr. A. Naito for Piano)


《愛の小径》の原曲歌曲。Devieilheの歌声があまりに綺麗だったので、このCDもつい買ってしまった。
Sabine Devieilhe, Alexandre Tharaud – Poulenc: "Les Chemins de l'amour"



《亡き王女のためのパヴァーヌ》はいろんな録音を聴いてきたけど、似たような響きと旋律が続くのでいつも飽きてしまう。
↓の演奏は冒頭6小節の右手の柔らかいスタッカートがくっきり明瞭に聴こえるので、よく聴く演奏とは響きが違っていてちょっと面白い。曲中も多彩な響きが織り込まれて立体感がとても豊か。この曲が初めて好きになれたくらい素敵なパヴァーヌ。
Pavane pour une infante défunte, M. 19


※《亡き王女のためのパヴァーヌ》の楽譜では、冒頭2小節は右手下側の音はスタッカート、3~6小節はスタッカート記号なし。NMLの登録音源の冒頭だけ聴いてみると、最初の2小節の弾き方がいろいろあり、ほぼスタッカートなし(のように聴こえる)だったり、スタッカートでも長さや強さがかなり違ってたりする。

昔から苦手なモンポウの2曲は、(モンポウにしては)音の数も動きも多くて、”El lago/湖”は静動が頻繁に交代するし、ピアノの響きがファンタスティックで聴きやすい。
Paisajes: No. 2, El lago


”El pont/橋”は情景描写ではなく、悲哀の独白のような悲痛感に満ちた曲。
El pont

作品解説;私の名曲喫茶(1)モンポウ:橋[内藤晃/note]

約30年後に作曲されたチェロ&ピアノ版”El pont”。
モンポウ: 橋(Mompou: El pont)



フォーレの《3つの無言歌第3番》。
3 Romances sans paroles, Op. 17: No. 3 in A-Flat Major, Andante moderato


フォーレの《舟歌第6番》。柔らかく音色と明るく煌めく響きが綺麗。波に揺れるようなふわふわした浮遊感が面白い。
Barcarolle No. 6 in E-Flat Major, Op. 70



セヴラックの”Les fêtes/祭”は、《絵画的練習曲》という曲集のタイトル通り、フェスタの風景が浮かんでくるようなイメージ喚起力のある曲。モチーフが次々と移り変わり、エキゾチックな旋律も混じり、アルベニスのピアノ曲にちょっと似た感じがする。
セヴラックが楽譜に書き込んだ情景は、“Charmante Rencontre/魅惑的な出会い”(1:42~)、“Carabineros (Claironnant)/騎兵隊(トランペット)”(2:34~、2:38~)、”Où lʼon trouve le cher Albeniz/ここで親愛なるアルベニスに出会う”(3:34~)。
トランペットは急に全く違った音とリズムが挿入されているのですぐわかる。アルベニスと出会うシーンの旋律は力強く情熱的。これがフラメンコみたいに聴こえたので、作品解説を読むと”ファンダンゴ”のリズムだった。(※ファンダンゴ[Wikipedia]:アンダルシア地方の民俗舞踊・舞曲。テンポの速い三拍子。特にフラメンコで男女ペアで踊るダンスが有名)

Cerdaña: No. 2, Les fêtes

作品解説;私の名曲喫茶(2)セヴラック:祭り(内藤 晃)[note]

「ロマンティックなワルツ」は快活でリズミカルでとても楽しい曲。休日の浮き浮きした気分になれそう。
En vacances, Book 1, Au château et dans le parc: No. 7, Valse romantique



<関連情報>
「sonorité」レーベルのピアノの音はなぜ美しいか? ── プロデューサー・内藤晃の美学と2つの新作[e-onkyo music]

*Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

左サイドMenu

カレンダー

02 | 2024/03 | 04
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

ブログ内検索

最近の記事

カテゴリー

タグリスト

マウスホイールでスクロールします

月別アーカイブ

MONTHLY

記事 Title List

プロフィール

Author:Yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、ミンナール、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;アリステア・マクリーン、エドモンド・ハミルトン、太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

お知らせ

ブログ記事はリンクフリーです。ただし、無断コピー・転載はお断りいたします。/ブログ記事を引用される場合は、出典(ブログ名・記事URL)を記載していただきますようお願い致します。(事前・事後にご連絡いただく必要はありません)/スパム投稿や記事内容と関連性の薄い長文のコメント、挙動不審と思われるアクセス行為については、管理人の判断で削除・拒否いたします。/スパム対策のため一部ドメインからのコメント投稿ができません。あしからずご了承ください。

右サイドメニュー