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海洋冒険小説
中学時代から大学時代にかけて、特にはまった小説のジャンルは、歴史小説、冒険小説、スパイ小説。
歴史小説は、元から歴史が好きだったので、その延長線上。
冒険小説はストイックなヒーロー像が好きだったから。
スパイ小説は、ミステリーとハードボイルドが両方楽しめるから。

冒険小説は、有名どころはかなり読んだが、アリステア・マクリーンが特に好きだった。
これは小学生の頃に見た映画化作品の「黄金のランデブー」がとても面白くて、それ以来新しい小説が出る度に買っていた。
冒険小説にもいろいろあって、海洋冒険小説というのはひとつのジャンルとして確立されている。
海洋冒険小説で面白かったものは、たくさんあるが、そのうち何度も読み直したのは数冊。

アリステア・マクリーンの代表作「女王陛下のユリシーズ号」
この小説は、第二次大戦中、対ドイツ戦の囮として使われたユリシーズ号が撃沈されるまでの話。
ヒーローとしての主人公は誰もいない。ひたすら任務のために絶望的で無意味な航海を続けるユリシーズ号と乗組員の様子が淡々と書かれている。
マクリーンは、海洋小説が一番面白くて、「北極基地/潜航作戦」「黄金のランデブー」も良い。
同じ小説を何度も読むのはバカらしいと思う人があるだろうが、結末がわかっていても、久しぶりにまた読むと、これが面白いのだ。
マクリーンは、超有名な「ナバロンの要塞」「荒鷲の要塞」の原作者でもある。

女王陛下のユリシーズ号 女王陛下のユリシーズ号
アリステア・マクリーン、村上 博基 他 (1972/01)
早川書房

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帆船もので有名なのは、セシル・スコット・フォレスターの「ホーンブロワーシリーズ」、その後継者とも言われたアレグザンダー・ケントの「ボライソーシリーズ
いずれも英国人作家。さすがジョンブルの国は海洋モノには強い。
ホーンブロワーシリーズは、18世紀末~19世紀初頭、ナポレオン戦争時代前後の英国海軍で17歳で士官候補生となった主人公ホレイショ・ホーンブロワーの物語。
イギリスではドラマ化されている。
士官学校出たての将校が、いくつもの航海と海戦をくぐり抜けて、提督にまで登るつめるという、一種のビルドウングスロマン(成長小説)である。
ホーンブロワーの方は、すでに完結していたシリーズだったので、ほとんど読んだ。
しかし、ボライソーの方は話が延々続いて、そのうちに海洋冒険小説熱も冷めてしまった。
今25巻まで出ているそうだが、私は初めの5~6巻ぐらいでとまってしまった。

勇者の帰還 勇者の帰還
セシル・スコット・フォレスター (1975/08)
早川書房

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若き獅子の凱歌―海の勇士/ボライソー・シリーズ〈28〉 若き獅子の凱歌―海の勇士/ボライソー・シリーズ〈28〉
アレグザンダー ケント (2006/01)
早川書房

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このホーンブロワーシリーズのストーリーは、青池保子の「エルアルコン-鷹」というマンガのネタにも使われている。
両方読んだ人でないと気がつかないだろうけど。
「エルアルコン-鷹」とその原型となった「七つの海七つの空」は少女漫画のジャンルとしては、かなり異色。
マンガといっても、歴史物と海洋冒険ものをミックスしているから、絵柄の美しさはもちろん、ストーリー作りの才能は必要。
エル・アルコン-鷹- エル・アルコン-鷹-
青池 保子 (2000/03)
秋田書店

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それ以外に面白かった読みきりの海洋冒険小説は2冊。
C・S・フォレスターの「駆逐艦キーリング」は、ドイツ潜水艦から輸送船団を守る駆逐艦艦長の1日をドキュメント風に追ったもの。
任務中や戦闘中の合間に出てくるコーヒーやサンドイッチがなぜか美味しそうに思えてしまった。
対ドイツUボート戦の様子や、駆逐艦とUボートの駆け引きが淡々と書かれているが、なんとなく全般的にユーモラスな感じがしてくる。
多分、艦長の判断のプロセスと内面の状態を一人称で書いているので、艦長という孤独な立場にある生身の人間の面白さが伝わってきたからだろう。

ダグラス・リーマン「太平洋、謎の艦艇」は、第二次世界大戦での対ドイツ戦を戦うアメリカ人艦長が主人公。
タイトルだけみたら、本当に戦争ものと言う感じだが、主人公は、出世の遅れた海軍士官の艦長と、臨時に戦争に狩り出された商船乗組員と、オンボロの客船を仕立てた護衛艦、という変わった組み合わせ。
これも、輸送船団を護送する任務を通して、艦長が自分を取り戻す成長物語。

海洋小説に共通しているのは、主人公や乗組員の船に対する思い入れ。
そういえば、スタートレックのエンタープライズ号や宇宙戦艦ヤマトは、艦自体が主人公の一人。
船乗りというのは、自分の乗る船は、家や家族や恋人みたいなものなんだろうか。
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Author:yoshimi
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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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