『アマデウス』と『仮面の中のアリア』 

2007, 03. 11 (Sun) 15:15

ピアノを弾くせいか、音楽映画はかなり好き。
今まで音楽映画はたくさん見てきた。イングリッド・バーグマンの「秋のソナタ」、「ベートーベン 不滅の恋人」「船の上のピアニスト」「戦場のピアニスト」.etc。
でも、何度も見直したのは2つだけ。

超有名な「アマデウス」は、何度見ても面白い。
主人公はヴォルフガング=アマデウス・モーツァルト。
奇矯な振る舞いをするモーツァルトだが(これは多分演出だろうが)、サリエリは優秀な音楽家であったので、モーツァルトの天才を一目で見抜く。
この映画の元ネタは、モーツァルト謀殺説をもとに書いた戯曲だそうだ。
アカデミー作品賞など8部門を受賞しただけあって、映画の面白さはもちろん、映像や衣装、音楽ともとても美しい。

アマデウス アマデウス
F・マーレイ・エイブラハム (2006/12/08)
ワーナー・ホーム・ビデオ

この商品の詳細を見る

モーツァルトは、小さい頃ピアノのレッスンでトルコ行進曲で苦しめられた記憶があって、あまり好きではない。
長調の曲が元から好きではないので、モーツァルトのようなロココ調(?)の甘く優しい感じのする曲は苦手。
アマデウスで流れたいた曲を調べると、オペラが多い。オペラは苦手なので曲としては印象に残っていない。
一度聴いて忘れられなかったのは、ピアノ協奏曲第20番。
後で調べると、この曲は数少ない短調の曲で、とても有名だそう。
特に、第1楽章、第3楽章に挟まれた第2楽章がとても可愛らしく美しい。
その後、短調に転調して急展開するのだが。
ミサ曲やレクイエムも使われていた。
”キリエ”という歌詞の曲や、荘厳な宗教曲らしき合唱曲なので、オペラ曲と違う程度はすぐわかる。

「アマデウスの音楽」というサイトでは、映画で使われた音楽のMIDIが掲載されている。

◇「アマデウス」で使われていた曲
 1.交響曲第25番 ト短調 K.183より 第1楽章
 2.アイネ・クライネ・ナハトムジーク K.525より 第1楽章
 3.ペルゴレージ作曲 『スターバト・マーテル』第12曲
 4.セレナード第10番「グラン・パルティータ」 K.361より 第3楽章
 5..『フィガロの結婚』 K.492より 「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」
 6. 『後宮からの誘拐』K.384より 第3幕フィナーレ「太守セリム、いつまでもばんざい」
 7. ミサ曲 ハ短調 K.427より 「キリエ」  
 8.フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299より 第2楽章
 9.『フィガロの結婚』 K.492より 第1幕第1場  
10.『フィガロの結婚』 K.492より 第3幕フィナーレ「ああ、花嫁の行列だ」 
11.『フィガロの結婚』 K.492より 第4幕フィナーレ「ああ、これで一同みな満足」 
12.『ドン・ジョバンニ』 K.527より 第2幕第15場 「おまえと晩餐をともにしよう」
13.ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466より 第1楽章
14.レクイエム K.626 「イントロイトゥス(入祭文)」
15.『魔笛』 K.620 序曲
16.レクイエム K.626 「ディエス・イレ(怒りの日)」
17.レクイエム K.626 「レックス・トレメンダエ(恐るべき威光の王よ)」
18.『魔笛』 K.620より 「夜の女王のアリア」
19.『魔笛』 K.620より 「恋人か女房か」
20.『魔笛』 K.620より 「パパゲーノとパパゲーナの二重唱」
21.レクイエム K.626 「コンフタティス(判決を受けた呪われた者は)」
22.レクイエム K.626 「ラクリモーザ(涙の日)」
23.ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466より 第2楽章


もう一つの映画は、大学生の時に扇町のミニシアターで見た「仮面の中のアリア」
「アマデウス」よりも、「仮面の中のアリア」の方がず~と好きで、映画館とDVDでもう何回見たことか。
この映画には有名なオペラ歌手ホセ・ファン・ダムが出演。突然引退を表明したリート歌手と弟子2人をスパルタ(?)教育していく話。
原題は”音楽の先生”。このタイトルなら、映画のストーリーにぴったり。
でも「仮面の中のアリア」というタイトルも、なかなか洒落ていると思う。

これはとてもマイナーな映画なので、知っている人はごく少ないはず。
しかし、その映像の美しさ、ストーリーの面白さ、前編に流れるマーラー、シューベルト、ベルディなど、流麗な音楽はなかなか耳から離れないくらいに印象的。
先生の居宅はまるでお城のような白亜の建物。
敷地は緑の芝生と森が広がっていて、バックに流れる音楽の美しさと相まって、映像の美しさが引き立つ。
全体的に淡々としたストーリー展開だが、こそ泥ジャンの歌手としての才能を見抜いた先生が、彼を拾って特訓を重ね、先生の昔のライバルであった貴族の音楽コンクールでジャンが競い勝つという、一応の盛り上がりもある。

アマデウスは合唱やオペラが多かったが、「仮面の中のアリア」は歌曲もかなり使われている。
オペラの”アリア”は嫌いではないが、私が持っているCDは歌曲集ばかり。
歌曲は、歌手の声の美しさと表現力がものをいう世界。

コンクールのシーンで使われているのは「椿姫」。
幕の影から、男声と女声がデュオになっているところが面白い。
先生のお城のようなお屋敷の雨のシーンでは、先生がしっとりと歌い上げるシューベルトの「音楽に寄す」が美しい。
ラストシーンの先生を葬送する場面で流れているのは<リュッケルトの詩による5つの歌>の「私はこの世に忘れられ」。
湖の上を静かでもの悲しいメロディが流れる。
ラストシーンがとても印象的だった。

仮面の中のアリア 仮面の中のアリア
ホセ・ファンダム (2001/12/21)
ジェネオン エンタテインメント

この商品の詳細を見る

◇「仮面の中のアリア」で使われていた曲
 1.「リゴレット」悪魔め鬼め
 2.演奏会用のアリア「どこからくるのか私は知らない」
 3.ワルツ
 4.「大地の歌」第3楽章“青春について”
 5.第4交響曲「大いなる喜びへの賛歌」第3楽章“ポコ・アダージョ”
 6.「ドン・ジョヴァンニ」窓べにいでよ
 7. <ミケランジェロの3つの詩>より「私はしばしば考える」
 8. <歌曲集「ミルテの花」>より「献呈」
 9. <ケルナー歌曲集>より「ひそやかな涙」
 10. 「ビアンカとフェルナンド」お立ち下さい、お父様
 11.音楽に寄す
 12.「椿姫」花より花へ
 13.「ビアンカとフェルナンド」多くの悲しみに魂はしおれ
 14.<リュッケルトの詩による5つの歌>より 私はこの世に忘れられて

0 Comments

Leave a comment