SRIファンドの”ネガティブスクリーニング” 

2007, 03. 28 (Wed) 21:36

社会起業家本や朝日新聞の日曜版にも取り上げられていたので、秋山をねさんの言うSRI投資というものに興味はあった。
SRIファンドは投資信託なので、少し買ってみようかと思って調べたが、投資先の主要企業を見ると日本の大企業ばかり。
確かに環境配慮型の製品は作っているだろうが、なにもエコファンドとかSRIファンドという名前をつけずともよさそうだったし、特に個性的な投資先の構成には思えなくて、結局ファンドには投資しなかった。

巷のSFIファンドは、いわゆる環境配慮型製品を開発した企業や、社会貢献活動で有名が企業が主要銘柄になっているらしい。
エコファンドも投資銘柄を調べたことがあるが、電力会社が入っているのが不思議だった。
原子力発電を行っている電力会社は、いわゆるネガティブリスト的に見れば、除外対象だと思ったのだが、そうではなかったらしい。

欧米のSFIファンドは、社会的に”好ましくない”活動を行っている企業-たばこ、軍需、原子力、アルコールなど-を除外する”ネガティブスクリーニング”方式が一般的だと言う。
このスクリーニング方式だと、除外産業以外の企業は対象になって、CSRの観点で評価を絞り込んでいくことになるんだろうか。
日本のSRIファンドの場合は、組み入れ企業を見ると、産業的な除外基準はないか、少なくて、逆に何らかの社会的価値の高い活動を行っている企業を選ぶ”ポジティブスクリーニング”方式になっているように見える。
そうでないと、原子力発電を行っている電力会社がファンドに組み入れられているはずがない。
それにアルコールがペケだと、キリン、サッポロ、サントリーなんかは除外されるんだろうが、普通の日本人には除外理由としては理解できないように思う。

国際青年環境NGO・A SEED JAPANから投資信託業界への提言
SRIファンドは本当にエコなのか?の中で、”SRIファンドの環境面・社会面・経済面のネガティブ要素除外度”というのがあるのを見つけた。

この提言の中で、ネガティブ要素の例として上げられているのは、環境面では、採掘産業、原生林伐採、原子力発電、ダム・発電所、自然環境の分野で、社会的にマイナスとなる行動を行っていた企業。
社会面では、兵器産業、労働問題、談合事件、消費者金融、リコール隠し・偽装、
保険金不払い、分野。
この分野で問題となる活動を行っていれば除外対象だというわけではなく、あくまで除外事例。

SRIファンドを開発・運用する業界各社に対するA SEED JAPANの提言は、
1. 各SRIファンドは、どのような企業を組入れ、どのような企業を組入れないかという現状のスクリーニング基準を明確にするべきである。
2. さらに、各SRIファンドは、独自のネガティブスクリーニング基準を策定し、ネガティブな要素を持つ企業を運用対象から除外するべきである。
というもの。

1.はともかく、2.を社会的なルールを遵守していない企業くらいまで、限りなくハードルを高くしていくと、既存のSRIファンド、エコファンドで投資できる企業は激減するような気がする。
コンプライアンスに反する活動ということなら、最近問題の偽装請負や残業手当不払いで労働基準局の指摘を受けた企業は、ネガティブスクリーニングで除外されてしまう。
そういう行為は、ネガティブスクリーニングの対象にしないという解決法があるので、よほど悪質で社会的非難を浴びない限り、実際には何の影響もないだろうけれど。

名だたる収益性の高い企業を入れないことには、SRIファンドを買おうという人が集まらない。
初めは興味があって投資しても、数年間のリターンが芳しくなければ、中途解約できるファンドであれば、解約が相次いでファンドが成り立たないような気がする。
最近、投資組合方式で森林ファンドという投信を見つけたが、果たして収益が見込めるのかが良くわからなかった。
運用期間5年で中途解約不可という条件もあまり気が進まなかった。

欧米のSRIファンドの事例を調べてみれば、どういう企業が入っていて、リターンがどの程度かはわかるはず。
ただし、日本企業だと企業名と見ればどういう企業かがすぐ察しがつくが、海外企業は日本でも知られている超メジャー企業でないとあまりピンとこない点が難点。

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