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ヴォーリズとメンソレータムと近代建築
ヴォーリズとメンソレータム
ヴォーリズという名前を聞いたことがなくても、メンソレータムなら日本人なら誰でも知っているだろう。

このメンソレータムは、元々は米国メンソレータム社の製品。
これをライセンス生産して日本で販売したのが、ヴォーリズが設立したヴォーリズ合名会社だった。
これが今の近江兄弟社につながっている。

しかし、現在、近江兄弟社が製造販売しているのは、メンターム。
メンソレータムの商標で売られているのはロート製薬の製品。
ちょっと話がこんがらがってくる。
どうしてややこしい話になっているかというと、近江兄弟社は過去に一度倒産して、ライセンスを返上。
その後、ロート製薬が米国メンソレータム社を子会社にしたので、今はロート製薬がメンソレータムという商標を独占・販売しているそうだ。
メンソレータムとメンタームは、容器のパッケージですぐ見分けがくる。
リトルナースはメンソレータム。
リトルキッズはメンターム。
私が幼少の時はリトルナースの容器だったのははっきり覚えている。
メンソレータム社がロート製薬の子会社になったのが1988年。
ということは、私は近江兄弟社のメンソレータムを使っていたんだろう。

ヴォーリズ建築
メンソレータムのことを言いたかったわけではなく、書きたいのはヴォーリズが設計した建築物のこと。
滋賀県を中心に、近畿圏にはヴォーリズの建築がたくさん残っている。
近江八幡市内のヴォーリズ建築マップというのがある。
近江八幡市は彼の住んでいた街。
なぜ近江八幡なのか不思議だったが、八幡商業高等学校の英語教師として来日して以来、そのまま近江八幡市に住み続けていたようだ。
彼の居宅は今はヴォーリズ記念館になっている。
近江八幡市のヴォーリズ建築は小規模な住宅が多い。
大阪、神戸と足を伸ばせば、有名なヴォーリズ建築が点在している。
小マメに遠出すれば、ヴォーリズの代表的な建築物の写真が撮れる。

ヴォーリズの中でも有名なのは、関西学院大学の校舎。
私は春に2回撮りに行ったことがある。
晴れた日の青い空を背景に建っている校舎は、ベージュの壁と赤い屋根の色が映えてとても鮮やかで、すがすがしい感じがする。
中央は巨大な芝生。同じ様式の校舎が並ぶ。アーチ状の回廊もあったりする。
そのスタイルは、スパニッシュ・ミッション・スタイル(スパニッシュ・コロニアル・リバイバル)というらしい。
アーチ上のポーチや回廊が異国風だが、さらに大学正門近くの芝生には巨大なソテツがそびえている。
この関学の校舎群は、ヴォーリズの代表的建築だそう。

ヴォーリズ建築の写真を撮りに行ったことあるのは、日本基督教団大阪教会、心斎橋大丸、旧神戸ユニオン教会、神戸旧居留地38番館。
心斎橋大丸は通勤先から1駅なので、余りに見慣れ過ぎていたし、ヴォーリズの建築というのも数年前に知ったくらい。
でも、店内で買い物をしていても、歴史のある重厚さが漂っているのはすぐわかる。
阪急・阪神百貨店と比べると、心斎橋大丸は建物は別格。
威風堂々としている。
神戸女学院大学の校舎も写真で見ると関学と似ている。
さすがに、女学校へ写真を撮りに行くのは同性ながら躊躇してしまった。
とっても立派な校舎だし、一度撮ってみたいと思ってしまう。

ヴォーリズの社会運動
ヴォーリズは宣教師ではなかったが、敬虔なプロテスタント。
YMCA活動も行っていて、布教活動には熱心だったらしい。
でも、彼が今でも日本で名を残しているのは、ヴォーリズ合名会社(近江兄弟社の前身)を設立した実業家であったことと有名な建築物を残した建築家であったこと。
彼はプロというよりアマチュアの建築家だったらしい。
米国からプロの建築士を連れてきて、本格的な建築事務所を開業し、日本で有名になる建築作品を残して言った。
今は一粒社ヴォーリズ建築事務所という名前で、建築事務所は残っている。

実業家や建築家であること以上に、近江療養院(今のヴォーリズ記念病院)、近江兄弟社学園、近江兄弟社図書館を設立している。
今で言えば社会起業家的な活動を続けていたから、地元の人たちは忘れなかったような気がする。
彼は、伝道家であり、実業家であり、建築家であった外国人。
これだけいろいろな才能に恵まれている人はそう多くはない。
でも、その才能を生かしたのは、なによりも彼の信仰心の深さだったような気がする。

ヴォーリズについて
ヴォーリズのことに詳しいサイトはいくつかあるが、”William Merrell Vories”一番詳しそう。
ウィリアム・メレル・ヴォーリズというのがフルネーム。
歴史的な流れの説明がとても充実している。
ヴォーリズが関わった建築作品リストと写真もある。

一粒社ヴォーリズ建築事務所のホームページには、事務所が今まで手がけてきた建築の概要と写真が載っている。
ヴォーリズ自身が関わったものは一部だが、年代を見ていくとかなり古いものもある。
ヴォーリズ建築探訪リストには6件の建物が載っている。
いずれも1920~30年代の作品だが、古さゆえの重厚さと、洋風建築特有の華やかさを感じさせる。
京都北白川にある「駒井家住宅」は日本ナショナルトラストが保存している。北白川といえば京都の高級住宅地。
所有者がナショナルトラストへ寄贈したそうだ。
一般公開しているので、京都へ遊びに行ったときに寄ってみてもいい。

伝記やヴォーリズ建築に関する本もさくさん出ている。

ヴォーリズ評伝―日本で隣人愛を実践したアメリカ人 ヴォーリズ評伝―日本で隣人愛を実践したアメリカ人
奥村 直彦 (2005/07)
港の人

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ヴォーリズの西洋館―日本近代住宅の先駆 ヴォーリズの西洋館―日本近代住宅の先駆
山形 政昭 (2002/07)
淡交社

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プロフィール

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Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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